【レッスンの補足】腰・尻
2020.01.24 02:28
最近レッスンでプリエの際に必ず言っている、
「腰の力を抜いて」
ということと、
「お尻の重みを感じて」
というのがあると思いますが、質問があったのでそれについて説明します。
そもそもプリエの日本語訳は、
「曲げる、折る」
という意味ではあるので、そのこと自体に意識を向けてもいいのだけど、プリエという動作から来る物理的な作用は「落下」であり、僕のレッスンを含め、重力を意識したコンテンポラリーダンスの中では、曲げる事よりも落下する身体をいかに体現することこそがプリエの本質だと僕は考えています。
そこで、背中を起こして立っている状態から、背中の角度を変えずに真下に落下していく為に身体のどの部位の重みを使えばよいのかと考えた結果僕はお尻の重みだと思いました。
しかし、落下はしたいけれど、崩れ落ちたいわけでは無いので、その反作用として背中は上に引き上げておく必要があります。その「上に行きたいエネルギー」と、「下に落ちたいエネルギー」の中間地点である"腰"は背中とお尻を強固に繋ぎ止めるコンクリートというよりは、上下に伸縮することのできる柔軟なゴムのようなイメージで僕は捉えています。故に、「腰の力を抜く」ということへと繋がっていくのです。
とはいえ我々は日常生活の中で、お尻の重みを感じたり、腰をそもそも固めている意識などないので中々口で言われても難しいとは思いますが、多彩なダンスの動作のなかでプリエはその根幹となります。僕が説明した事は、あくまで僕個人の感覚的な解釈であり、完全に同意する必要はありませんが、自分の中でそのメカニズムを明確にする事はとても大切かもしれませんね。