ZIPANG-4 TOKIO 2020 中田英寿×田根 剛の酒と建築「古来より米と酒は日本の文化を支え祀ってきた」
はじめに 記事をお届けするに当たり、昨夏、関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号と、続く21号の記録的な豪雨で、千葉や栃木、福島など5県の34河川で浸水被害や土砂災害により亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。また、このたび我が国の世界遺産である沖縄のシンボル首里城の正殿等主要部分の全焼被害が発生。やりきれぬ国民的ショックも癒えぬ中、重ねて2019年12月4日、アフガニスタン東部で長年医療と共に当地に用水路を完成させた国民的英雄、中村哲医師の暗殺事件が続きました。余りにも大き過ぎる一連の悲報に暮れた昨今です。今私達は世界平和の為に何が出来るか…?中村氏が遺した後姿から一人ひとりが何かを学び取り、その実践こそが目指した真の世界樹に繋がるものと思います。謹んで哀悼の意を捧げつつ。合掌
中田英寿氏と建築家 田根 剛氏
過去4年間で延べ約60万人が来場した日本食文化の祭典
節目となる5年目 は 、 SAKE”の枠を超え、発酵” を テーマ に
「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2020」
開催期間:2020年 4月 17日(金)~ 4月 29日(水・祝) 12:00~21:00
場所:六本木ヒルズアリーナ(東京都港区六本木 6丁目 9-1)
中田英寿率いる JAPAN CRAFT SAKE COMPANYは、2020年 4月 17日(金)から29日(水・祝)までの過去最長となる13日間 、東京・六本木にて、全国から選りすぐりの酒蔵が出店し、日本酒などの食文化をはじめとした、様々な日本の魅力を再発見できる「
CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2020」を開催します。
2009年春から47都道府県を巡り、日本の文化・伝統・農業・ものづくりに直接触れてきた中田英寿は、日本が世界に誇る文化や技術を“再発見”できる場を提供するプロジェクトの一つとして、2016年より「CRAFT SAKE WEEK」を開催してきました 。
黄金色に輝く 奥出雲「秋の棚田」。石州瓦の農家が点在する実りの秋のひととき・・・
福頼棚田展望台からの棚田景観(奥出雲町横田地域 蔵屋方面)
1300年以上の歴史をもつ「たたら製鉄」(=日本古来の製鉄法)は、単に良鉄をつくり出しただけでなく、鉄穴流しによる砂鉄採取法によって山々を切り崩し、その跡地を棚田に再生しました。
そして、たたら製鉄を背景に、鉄製品の運搬、農耕用の牛馬振興と和牛改良を重ね、現在の「奥出雲和牛」の基礎を築きました。優秀な系統を引き継ぐ和牛改良にあわせ、牛ふんや山草など有機質堆肥を水田に施用する耕畜連携により、地域ブランド米『仁多米』を生産し、資源循環型の農業システムが営まれています。
日南市酒谷 坂元棚田
日南市の最高峰である小松山(988.8メートル)の南斜面標高200メートルの麓に広がる坂元棚田。昭和3年から昭和9年にかけて開墾されたこの棚田は、もとは”茅場”と呼ばれる、集落共有の屋根を葺く茅場でした。
開発当初は専門技術者の手によって作られていましたが、工事が進むにしたがい、地元の人々が見様見まねで技術を習得し、十数枚の田が出来上がった頃からは、地区の人々を中心に家族総出で工事が進められたようです。石垣がきちっと積んであり農家の城づくりですね…ご苦労が偲ばれます・・・
国境の島「対馬」 豆酘の赤米行事(つつのあかごめぎょうじ)
平成14年 国指定無形民俗文化財 平成25年 宮中献穀(宮中行事の新嘗祭に奉納)
赤米は稲の古い品種で、豆酘の赤米行事は、頭屋制に基づき1300年以上の長きにわたり伝承されてきました。この行事は頭仲間と呼ばれる供僧家と農家により行われ、寺田と呼ばれるご神田で栽培された赤米は、秋に収穫され新しい俵に詰められて、旧暦の十月十七日、頭仲間が1年交代の輪番で務める頭主の自宅の本座(座敷)に吊るされます。これを祈祷することで米俵がご神体となり、本座へは頭主でさえもみだりに入ることは出来なくなります。
その後も赤米を氏神に供える初穂米をはじめ様々な神事が行われ、翌年の旧暦一月十日の夜から翌朝にかけ、本座で神様として祀られている米俵を今年の頭主の家へ運ぶ神渡りの儀式、「頭受け」が行われます。ご神体を送り出す頭屋をハライトウ、お迎えする頭屋はウケトウといい、行事が行われる本座にはトコブシを盛り付けた松竹梅の島台や赤米で搗いた臼の形をした餅が飾られます。
ご神体の下に料理が載ったお膳やお酒などが準備されると和装の頭主をはじめ頭仲間が集まり、控えの間からご神体に対して柏手を打ち本座へ入っていきます。まず最初に赤米で作られた甘酒がふるまわれるのですが、女性は入れないため配膳役の男性が頭仲間へ甘酒を注いだり、お酒の準備を行います。行事は翌日まで延々と続きますが、本日はこの辺りで…
「CRAFT SAKE WEEK」
東京・六本木からスタートしたこのプロジェクトは、博多や仙台などの地方都市でも開催し 、過去 4年間の来場者数は訪日外国人も含めて延べ約60万人にも上ります。
2019年開催の会場の様子です・・・今年はさらに期間を延長します!
「 CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2020」では、日本全国の1,400を超える酒蔵の中から 、厳選された約130蔵のみが出店します 。
開催中は各日にテーマを設け 、1日10蔵に絞ることで、一つひとつの日本酒との出会いを大切にし 、自分好みの銘柄・酒蔵を見つけることができます。
また、会場には和食はもちろん世界各国の様々なジャンルの料理を提供する一流レストランを招き、日本酒とさまざまな料理との新たなペアリング体験を提案してきました。
節目となる5年目の 「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2020」では、古来から日本で親しまれている“発酵をテーマとし 、日本茶ブースや発酵食品エリアを展開します。日本酒だけにとどまらず 、日本古来の食文化を再発見できる場として拡大します。
2020年の会場デザインは、フランスの国外建築賞で『グランプリ』を受賞、日経アーキテクチュア誌で『アーキテクト・オブ・ザ・イヤー 2019』に選ばれるなど、世界的にも高い評価を得ている、 Atelier Tsuyoshi Tane Architectsの代表・田根剛氏が務めることが決定しました。
会場デザインのコンセプトを策定するにあたり、田根氏の「古来より米と酒は日本の文化を支え祀ってきた」という想いのもと、幾度にも渡る議論を重ね、日本の風土が生み出す文化を表現するため、「Mass=枡」をコンセプトとすることが決まりました。
枡は一千年以上前より食の量を計る道具として使われてきました。
本イベントのためだけに制作される今回の作品は、一升の量が入る”枡”を約6,000個使用することで、圧倒されるような量の枡が会場を包み込み、柔らかい木の表情と光が豊饒な空間を演出します。
厳選された日本酒、一流レストランが提供する料理、こだわり抜かれた空間で日本の魅力を再発見しながら、至極のひと時を提供する当イベントにぜひご注目ください
「CRAFT SAKE WEEK」のこだわり
約6,000個の“枡”を使用して空間デザイン 建築家 田根 剛氏
✔SAKE”の枠を超え、日本の食文化・伝統を再発見できる
「CRAFT SAKE WEEK」は日本酒を中心とした体験を提供してまいりましたが、 2020年からは 、古来から日本で親しまれている“発酵”をテーマとし、日本茶や発酵食品も提供します 。日本酒だけにとどまらず、日本古来の食文化を再発見できる場として拡大します。
✔全国の酒蔵から、利き酒で選び抜かれた今年度最高峰の日本酒が集う
中田英寿をはじめとした日本酒の専門家が、全国の酒販店とも連携をして全国の数百におよぶ酒蔵の日本酒を利き酒して 、選び抜かれた最高峰の日本酒を堪能いただけます。日本酒を飲み始めたばかりの方から、愛飲している方まで、幅広い層にイベントを楽しんでいただけるよう、各日でテーマを変えて日本酒を提供。
1日10蔵に限定することで、一つひとつの蔵・お酒との出会いを大切にし、印象的な銘柄、お気に入りの酒蔵を見つけることができます。
✔国内外で高い評価を受ける銘店が 、当イベント限定のオリジナルメニューを提供
中田英寿が自ら足を運び厳選したレストランは、ミシュランで星を獲得するなど国内外から評価を受ける銘店ばかり 。通常では予約困難な人気レストランが 、当イベントのために特別に開発したオリジナルメニューを、リーズナブルな価格で提供します。最高峰の日本酒と絶品料理とのペアリングをお楽しみいただけます。
✔約 6,000個の一升枡が 、幻想的かつ豊饒な会場空間を演出
世界的にも高い評価を得ている日本を代表する建築家 田根剛氏が 、日本の風土が生み出す文化を感じられる会場デザインを策定。
今回の会場デザインでは、一千年以上前より食の量を計る道具として使われてきた一升の量が入る“枡”を約6,000個使用し、圧倒される量の枡が会場を包み込み 、幻想的かつ豊饒な会場空間を演出します。
✔心地よい音楽が会場を包み込み、 至極のひと時を体感
様々なジャンルのDJがセレクトした心地よい音楽が会場の雰囲気と融合し、老若男女・国籍を超えて居心地の良さを心から体感できるムードを演出します。
「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2020」
開催概要
日時 2020年 4月 17日(金)~ 29日(水・祝) 13日間 各日 12:00 21:00 L.O. 20:30
場所 六本木ヒルズアリーナ(東京都港区六本木 6丁目 9-1
参加蔵数 各日 10蔵 計 130蔵 (予定 )
※参加の酒蔵、レストランのラインナップは後日発表します。
レストラン数 15店
主催 JAPAN CRAFT SAKE COMPANY
特別協力 六本木ヒルズ
中田英寿 プロフィール
元サッカー日本代表。引退後100以上の国や地域の旅を経験した後、2009年から、全国47都道府県をめぐる旅をスタート。
この旅をきっかけにこれまで350を超える酒蔵を訪問。日本酒の美味しさと文化的可能性を強く感じたことから、2015年には、「株式会社 JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」を設立。日本酒に関するコンサルティング、日本酒セラー「Sake Cellar」、日本酒アプリ「Sakenomy」、オリジナル酒器ブランド「Nathand」の開発、世界最大級の酒イベントで『ゴールデン・ワールド・アワーズ2018』最優秀賞を獲得した「CRAFT SAKE WEEK」等、幅広い活動を行っている。
また、中田が全国を旅して出会った食・宿・文化などを、日本語と英語で紹介するWEBメディア「に・ほ・ん・も・の」や、その中から厳選した日本の逸品・人を紹介し多言語で出版される書籍「に・ほ・ん・も・の」( KADOKAWA)、ラジオ番組「VOICES FROM NIHONMONO」( J‐WAVE 毎週土曜)、 SNSなど、多くのメディアで情報を発信。
2020年3月開業 する 高輪ゲートウェイ駅前にて「J-WAVE NIHONMONO LOUNGE」を期間限定で開催することを発表した。
田根 剛 プロフィール
1979年東京生まれ。2002年北海道東海大学建築学科卒業。2003年デンマーク王立アカデミー客員研究員。へニング・ラーセン、デビット・アジャイエの事務所を経て、DGT.(Dorell. Ghotmeh. Tane/Architects)をフランス・パリに設立。DGT.での10年の活動を経て、2017年ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECTS設立。場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地でプロジェクトが進行中。主な作品に『エストニア国立博物館』『A House for Oiso』『とらやパリ』『LIGHT is TIME』愛知県芸術劇場では『ラ・バヤ デール―幻の国』空間を担当。『Todoroki House in Valley』など。
また2012年の新国立競技場基本構想国際デザイン競技では『古墳スタジアム』がファイナリストに選ばれ国際的な注目を集める。フランス文化庁新進建築家賞、フランス国外建築グランプリ、ミース・ファン・デル・ローエ欧州賞2017ノミネート、第67回芸術奨励文部科学大臣新人賞など多数受賞。
2012年よりコロンビア大学GSAPPで教鞭をとる。
参考
2017年~2019年に行われた会場の様子ご紹介!
2017年「桜の花畑」空間デザイン 藤木壮介氏
2018年「竹の回廊」空間デザイン 建築ユニット「dot architects」
2019年「縄」空間デザイン 永山祐子さん
編集後記
かれこれ40年も前の話になりますが…
山里や街道筋、温泉巡りが大好きな小生にも、もう一つ好きなものがありまして…ハイ!
それは日本の離島の魅力に取り憑かれて、これまでには色々な島々を渡り歩いていたものでした。
琉球列島、奄美群島、屋久島、種子島、五島列島、壱岐、対馬、日本海、瀬戸内海、太平洋の島々・・・
初体験の当時と言えば…好奇心、冒険心、満々ながらも一人、遥か遠くの離れ小島に来てしまったという、何とも切ない孤独感?いや哀愁と申しますか…演歌の主人公にでもなった気持ちですか〜。正直一種、後悔じみた思いもよぎる複雑な気分でした。
でも、少し慣れてくると色々な島の特徴が見え始めます。
例えば、国境の島の港に行ったとき港のあちらこちらに「密輸禁止」の看板が立てられて驚き、慌てて我が身を点検したり…(運転中、道端にお巡りさんが立っているとドキンとする、あの気分)東海地方の港ではついぞ見かけないもので・・・
その後、幾度か訪ねるうちに宿泊先のお寺のご家族や民宿のおかあさん、町のラーメン屋のおやっさん、床屋のお婆さんやお爺さん、祭りを楽しんでいた村の人々と打ち解け親戚気分♫
いつしか離島の人々の素朴で明るく気さくな素顔に触れ、ますます魅惑されていくのです。
どれも、そんなに広くない島々でしたが全ては漁村。
当然のことながら、夫々の島の魚は新鮮そのもので超旨い ‼ その上にです。何と
何種類もの地酒があり、梯子して飲み比べたものです。
それぞれ酒の味に好みがあるので万人に美味いか不味いかわかりませんが?
ただ、その土地でしか味わえない独特の風味…それぞれの島には、名前も知らない酒が沢山沢山あるのでびっくり!加えて、その土地ならではの魚、珍味こそ、地酒を引き立てるんですよね〜
嗚呼〜こんなこと綴ってるうち、テンション上がってきて生唾が湧いてきちゃいましたよ。🥪🥘 (笑)
出来るものならばいつかは是非、全国の離島に参加を呼びかけ「離島の地酒」特設公開コーナーの企画をご一考願いたいもんですナ〜
鎹八咫烏記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
一般社団法人 対馬観光物産協会
〒817-0021 長崎県対馬市厳原町今屋敷672-1観光情報館ふれあい処つしま
TEL 0920-52-1566
一般社団法人 日南市観光協会 〒887-0005 宮崎県日南市材木町1-13 TEL.0987-31-1134
日南市役所 〒887-0021 宮崎県日南市中央通1丁目1−1電話: 0987-31-1100
宮崎県総合政策部みやざき文化振興課 記紀編さん記念事業推進室
宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号TEL:0985-26-7099
奥出雲町役場 〒699-1511 島根県仁多郡奥出雲町三成358-1 代表電話:0854-54-1221
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早速、読者からのご意見が届いておりますので一部ですがご紹介いたします!
『読者の声』
今年もたくさんの人が集まりそうですね。会場は有名な建築家の方のデザインで、
6000個の枡を使ったデザインはこのイベントにピッタリだと思います。
『読者の声』
サッカーファンなので会場で中田英寿さんに会えるのですか⁉それなら行きたいですね~
中田さんは山梨県の出身の筈、山梨と言えば葡萄、葡萄と言えばもちろんワイン・・・
ワイン好きとしては、是非特別に一日位ワインの日をつくって欲しいですね~
山梨県民より!
『読者の声』
会場が近くなので、毎年参加しています。今年は酒・食以外に日本茶なども出品されるとの事、また毎年、空間のデザインを楽しみにしています。木の香りが漂う空間で飲む酒は、きっと͡木樽に浸かって飲む気分でしょうね~当日が楽しみです。
『読者の声』
一升✕6,000個を使って会場デザインを制作するとは何とも乙なものです。
日本のSAKE文化は欧米を中心としたブームが来ており、輸出量ナンバーワンがアメリカだったりします。
訪日外国人客の割合と比較してもアメリカは第5位なので、その人気度が伺えます。
でも背景は何故でしょうかね・・・?米が使われているから?プロモーションの努力から?テイストがアメリカ人好みだから?理由は複数あるでしょうがその背景も知りたいところです。
(話は逸れますが、沖縄の泡盛は度数的に中国の白酒に似ていることから、最近中国輸出に力を入れているようです。)
様々なご意見ありがとうございました。中田英寿氏と田根 剛氏にお届けいたします。