『虹いろ図書館のへびおとこ』の読書感想文。そこに広がる小さくて大きな感動と、小学生たちの世界。
本屋さんで、一目惚れしたのです。
カラフルな色合いとワクワクに満ちた表紙。
どこから見ても美しい装丁。
なんだか心温まる言葉の紡ぎ方。
「あなたの味方が、きっといる」
第1回氷室冴子青春文学賞大賞受賞作、横井とりおさんの『虹いろ図書館のへびおとこ』を読みました。
ちょうど教室の蔵書を貪るように読む生徒に、「新しいオススメの本は?」と訊かれていた事もあり、思わず手に取ってしまいました。
『かがみの弧城』で本屋大賞を獲った辻村深月さんも帯でオススメされていたので、これは間違いないだろうと。
物語の始まりはシンプル。いじめがきっかけで学校に行けなくなった小学生が、図書館で不思議な出会いをし、世界を広げていくお話。ファンタジー色が強いのかなと思いましたが、全然そんなことはなく、意外とリアルでした。
ちなみに、「世界一美しいラストがあなたを待っています」と謳われていましたが、世界一かどうかは置いといて、確かに美しかったです。涙腺やられました。
見て「あ、やっぱり買ってよかった」と思った目次はこちら。有名な本や絵本がずらり。さすが図書館のお話です。作者の方もずっと図書館で働かれているのだとか。
Ⅰ ようこそ 図書館へ
Ⅱ 『ぐるんぱのようちえん』
Ⅲ 『父』
Ⅳ 『人間消失ミステリー』
Ⅴ 『ドリトル先生の楽しい家』
Ⅵ 『身長と体重はたし算できるかな?』
Ⅶ 『図書館の自由に関する宣言』
Ⅷ 『だめといわれてひっこむな』
Ⅸ 『エパミナンダス』
Ⅹ 『指輪物語』
Ⅺ 『アイスマン』
Ⅻ おかえり 図書館へ
1日1冊ずつ教室の本棚にある本の紹介を載せているインスタグラムにも書いたのですが、僕が感じたのは、「小さくて大きな感動」。うんうん、なんのこっちゃと思うでしょう。
ぜひその正体は本書で確かめて欲しいなと思うわけですが、ちょこっとだけヒントをお伝えしていきたいと思います。ネタバレはしません。
基本的にこの物語は主人公の小さな視点で進みます。小学生の世界がリアルに描かれていて、「怖いな」と思う反面、その中できらりと輝く主人公たちの強さや変化に目を奪われます。
生きていると、自分じゃどうしようもない事も襲いかかってくるんですよね。ちょっとしたボタンのかけ違いで、居辛くなる場所が出来てくる事もある。そんな時に、彼らの小さな世界はあっという間に真っ暗闇に包まれたようになっちゃうんだけど、実は違うんですよね。
そこはただ日陰になっただけで、暖かい陽が差す場所は他にいくらでもある。
それを見つけるまでの過程と、見つけてからの成長と、そしてその小さな世界を埋め尽くしちゃうぐらいの、大きな感動に注目です。
学校に行きたくない…とついつい伏し目がちになっちゃうあなたに届くといいな。
「あなたの味方が、きっといる」
うん、嘘じゃないよ。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
それはもうやっぱり素敵な本でした。
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