「うちくい」について
うちくいとは沖縄地方で「ふろしき」を指す言葉です。
沖縄の風土によって育まれた ”うちくい”
一枚の布に込められた織物や染め物の文様にその時代の空気が伝わってくるようです。
琉球王国の時代には神事や士族の接待の場でうちくいは大切な物を包んだり覆ったりして、尊厳や敬意を込めておもてなしの心を伝えていました。
庶民の生活の中でも包む・運ぶ・覆う・掛ける・敷くといった様々な用途で生活の中に溶け込んでいたのです。
昔から人々の暮らしに寄り添いながら使われてきたうちくい。後世へ伝えたい素晴らしい生活文化だと感じました。
ふろしきにはその時代の熱気・人々の想いが詰まっているのだと思います。
先人たちの努力と工夫により工芸が育まれ、今その恩恵に与れることに本当に感謝です。
ふろしきの語源は江戸時代になって風呂と呼ばれる社交場ができて、衣類を包んだり、敷物として使われたりしたことから風呂敷と呼ばれるようになりました。
近代にかけてうちくいも風呂敷と呼ばれるようになりモノを運ぶ手段として重宝され大量生産されるようになっていきます。
けれどもそんな生活必需品として愛された風呂敷も時代の変遷とともにだんだん使われなくなり、家庭の中から忘れ去られようとしていました。
あぁ、もったいない!
しかし、近年の和ブームに伴い、ふろしきも見直されつつあり、包み方のバリエーションも増えて、より便利に現代的な楽しみ方も花開いたように思えます。
先人の知恵と想い、人々の暮らしを彩った ”うちくい” をおしゃれに便利に使えたらどんなに素晴らしいことでしょう。
想いを包んで 過去~現在(いま)~つながる未来へと
古きよきものを新しく今の時代に調和させて、もっと日常的に楽しみたい・・
日々の暮らしに寄り添いながら、そんなヒトコマが増えると嬉しいですね。
何気ない日常の中で、いつでもどこにも使えて、さりげなく息づいていったらいいなと願っています。