サルサ / カットスロートのタイヤ、ホイールの仕様
先日入荷したSalsa Cycles / Cutthroatの細かな仕様を紹介します。
サルサのカットスロートは、総距離4000km以上の過酷なグラベルレース【TOUR DIVIDE】を想定して作られており、カナダからロッキー山脈沿いにメキシコまで縦断する(約15日間!!)最も過酷なオフロードのルートに耐えうる仕様になっています。
その証としてダウンチューブ下にはカナダからメキシコまでのルートが刻まれています❤️
グラベルバイクのホイール径は【700C】や【650B】が多いですが、カットスロートには【29er】29インチのホイール/タイヤが取り付けられています。ホイール自体の外径は700Cと同じですがタイヤを付けた外径は随分違って見えます。
※左がカットスロート29インチ、右はウォーバード700C
特にタイヤは【快適性】を左右する重要な部分であり、外径の大きなタイヤは路面のギャップに強く長時間の走行でも疲れにくい。マウンテンバイクでは29インチのラインナップが多く【走破性】が高いのも特徴です。最も過酷なオフロード長距離レースとなると、全てにおいてバランスの取れた29インチのタイヤが採用されるのも理解できますね。
タイヤは【Teravail】という米国ミネソタ州ミネアポリスのブランド。
サルサの母体となるQBPの新しいブランドで2020年からサルサの完成車に取り付けられています。主にグラベルやマウンテンバイクなどオフロード向けのタイヤを多くラインナップしており、細かく計算されたトレッド面はこだわりを感じます。
カットスロートに取り付けられている【Sperwood】は、長距離グラベルレース向けに設計され、過酷な状況でも快適性を失うことなくスピードを出すことが出来、荷物を積んだ際の安定感、操作性も兼ね揃えています。
前述の【ツアーディバイド】でも実際に使用され大きなトラブルもなく完走したそうです。
タイヤ全体は真ん丸というよりややセンター部分が尖った印象で、センター部分は転がり抵抗の軽減、外側に行くに連れてダイアモンド型のヤスリ目状になりグリップをさせています。
サイド部分はDURABLEというケーシングで通常のラインナップモデルより耐久性があります。
幅は2.2インチ(約55mm)で、先程のウォーバードは700×40Cなので約15mm違います。
タイヤの幅が広いと荒れた路面での【安定感】に繋がります。2.2インチとなるとマウンテンバイクのサイズになりますが、快適性を失わず長時間オフロード走行をする為にベストなタイヤで、センター部分の転がり抵抗が少ないということはオンロードでも軽快に転がってくれると思います。
完成車の状態ではチューブ入りですが、チューブレスレディにも対応しています。
もちろんホイールもチューブレスレディに対応していますので、チューブレステープ、バルブ、シーラントを用意すればチューブ無しで走行することが出来ます。
荒れた路面を走る場合に空気圧を落としてもリム打ちパンクのリスクは無くなり、タイヤ内のチューブが無くなることで転がり抵抗が減ってより滑らかに走ることが出来ます。
フロントホイールのハブはマウンテンバイクのBOOST規格(フォークエンド幅110mmアクスル径15mm)を採用し、通常のディスクロードよりも幅と径が太くなっています。
リアホイールもブースト規格(リアエンド幅148mmアクスル径12mm)で径は一緒ですが幅が広くなっています。
幅広になることでハブのフランジ間距離(スポークが引っかかっているところ)が広がり、リムに対してスポーク角度が緩やかになり、大径ホイールの弱点である剛性が上がるので荒れた路面でも安定して走ることが出来ます。
↓ウォーバードのエンド幅はディスクロード(リアエンド幅142mm)と同じで、上の写真と比べると横幅の違いがよく分かります。
こうやって色々比べていくとカットスロートは、ただのエンデュランスロード、グラベルバイクでは無く最も過酷で長時間、長距離オフロードを【快適】に走るために作られたのがよく分かります。
日本でそんな道あるの?
そう言われる方が多いかと思いますが、人里離れた場所へ荷物を積んで赴くままに自転車を走らせ、見たことのない景色や路面の感触を感じ、知らない町へ降りてくる。
それは日本でも可能でありむしろ安全です。日本のスケールやテイストに合わせれば存分に楽しめます。
海や山、人が住む町が日本には揃っています。
サルササイクルズのコンセプトである【ADVENTURE BY BIKE】はきっと身近なところからスタート出来ます。