咬み癖を「人への甘咬み」と「物への噛み」に分けて考えてみる
かみぐせのしつけは仔犬を迎い入れた家庭では、程度の差はあれ必ず通らなければならない道です。
仔犬を2か月齢ぐらいで家に迎え入れた家庭だと、仔犬が家の環境に慣れてくる頃に乳歯の生え変わりが始まります。
日に日にエスカレートするかみぐせと、歯の生え変わりのタイミングが調度重なることで、
「歯が生え変わることでかみぐせが多くなるということは、この歯の生え変わりが終わったらかみぐせが治まるのでは?!」と(都合の)いい方向に考えてしまう方、けっこういらっしゃるのではないでしょうか?
確かに歯の生え変わりの頃は固い物などカジカジしたくなるようで、噛み癖が増えるようです。だから歯が生え変わったら噛み癖は減ると思います。ただし、「物への噛み癖」に対してです。
「人への咬み癖」は依然変わらないか、もしくは(対処せず放置してしまうと)もっと悪化しているかもしれません。
かみぐせを「人への咬み」と「物への噛み」に分けて考えてみましょう。
「歯が生え変わる→口がむず痒い→何か噛みたい」の「何か」とは物であって、人の手や足ではない。
ということは、「歯が生え変わる→噛みたい衝動が無くなる」ので、むやみに物に噛むことがなくなるが、
「人への咬み」は歯の生え変わりの噛みとは(まったくとは言わないけど)ほとんど関係ないので、歯が生え変わったところで、「人への咬み」はなくならない。
結論、
歯の生え変わりが始まると、噛み癖が増えることが多い。(←カジカジ系のおもちゃを与えて対策を!)
永久歯が生えそろうと、噛み癖が落ち着く。(噛み癖が一切無くなるのではなく、むやみやたらといろいろな物を噛むことがなくなるだけです。)
「人への咬み」は、歯の生え変わりとはほぼ無関係で、待っていても咬み癖は直らない。
では「人への咬み」を止めさせるためにはどうすればいいのか、
それは「咬んだら叱る」「咬んだらサークルに入れる」等、飼い主が常に一貫性を持って対応することを繰り返し(根気よく)行うことです。
人を咬まないようにするためには、甘咬みの痛くない咬みから咬むことはいけないことだと懇々と教え込む必要があります。
毎日毎日懇々と、
根負けしそうになりますが、負けずにやり切ってください。
やり切った先には、十数年共にする愛犬との楽しい生活があります。
もし根負けしそうになったら、トレーナーに頼ることもお勧めです。
第3者の介入、しかも犬の扱いには長けているプロですから、何かしら突破口を
見つけてくれると思います。
できることなら困ってからトレーナーに相談するよりも、
犬を迎え入れると同時にトレーナーと一緒に進めていくことをお勧めします。