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「宇田川源流」 <現代陰謀説> 混乱に乗じて他国に進出する中国共産党の「古典的な手法」

2020.01.30 22:00

「宇田川源流」 <現代陰謀説> 混乱に乗じて他国に進出する中国共産党の「古典的な手法」

 陰謀を見破る時、まあ、なかなか見破れないのではあるが、それでも様々な陰謀やその内容に関して手法を考えるべき時、やはりその国民性や、その内容に関して集団の特徴などが存在する。

例えば、暗殺ということに関して言えばフランスのDGSEなどは、伝統的に「陽動作戦型」を行う傾向がある。自分たちが行ったということを派手に演出したり、あるいはどこかで派手に演出した事件や事故をおこし、世間の耳目がそこに集まっていて、対象者の周辺が手薄になった時に、対象者のことを仕留めるというやり方である。

そのように考えると、飛行機を空中で爆破するとか、あるいは、どこかでデモを起こして略奪行為などで破壊活動を行わせておいて、その陰で何か工作をするというのはDGSEの伝統的な手法である。

まあ、DGSEは、もともと外国人部隊が多く、また、対アフリカの作戦などが多かったために、意外と残虐性が高く、アメリカのCIAやイギリスのMI6などに比べて殺害する数が多い。旧ソ連KGBなども含めて、「一人を殺すためにほかの人も殺してしまう」ということが肯定されている情報機関であるといえる。

一方MI6は、ジェームス・ボンドのイメージがあるが、実際は拳銃の携帯も許されていない。完全に「産業スパイ」のような人々であり、また世の中のスパイのイメージはほとんどない。少し小太りの人の良いおじさんがいるというような感じであり、まあ、本物のMI6を題材にアクション映画を作るのはかなり難しいのではないか。

このように「情報部」というと、その国柄などで様々な特徴がある。その特徴を追いかけることによって行動の内容を知ることができるし、また、その行動の内容をわざと真似て他の国の仕業に見せかけるようなことも十分にありうる。

「目的」を優先するか「秘匿性」を優先するか、あるいは「人命」を優先するかによって違う。そのようなところに禿頭が出てくるのである。

では、中華人民共和国の場合はどうなのであろうか。


東南アジア諸国、米の後退に伴う中国台頭に警戒感増大=調査

 [シンガポール 16日 ロイター] - シンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イサーク研究所が16日公表した調査によると、東南アジア諸国では、トランプ政権下で米国の東南アジアにおけるプレゼンスが低下する中で、中国の政治・経済的影響力が増大していることへの警戒感が広がっている。

 調査はこの地域の政府高官や学者、専門家など1300人を対象に実施。中国に不信感があるとする人の割合は、昨年の52%弱から60%強に上昇した。また40%近くが、中国は「現状の秩序を打ち壊そうとする勢力で、東南アジアを自らの影響圏に入れようとしている」との認識を示した。

 同研究所のTang Siew Mun氏は「中国の著しい、そしてなお増大し続けている影響力に対する地域の懸念は、中国による強大なパワーの使い方に不透明感があるからだ」と指摘。中国による東南アジアでの強圧姿勢と、貿易を武器にしようとする振る舞いだけでも、中国の台頭が、期待されたほど平和的なものではないとの懸念を高めているとした。

 対中不信感は国別では、南シナ海で長い間中国と領有権争いをしているベトナムとフィリピンで目立った。

 それでも地域に最も影響する経済力のある国として中国を選んだ人は全体の約80%と、昨年の73%を上回った。中国が最も重大な政治的、戦略的大国だと答えた人の割合も45%から約52%に増えた。

 次世代通信規格「5G」インフラ整備に関しても、欧米企業よりも華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL] を含む中国企業に任せたいとの声が多かった。

 一方、地域で一番政治力を持つのは米国と回答した人は31%から27%に減少。全体のおよそ75%は、オバマ前政権に比べトランプ政権で東南アジアへの関与が低下したとの見解を示した。

ロイター 20200116

https://web.smartnews.com/articles/hAfmTDG4roZ


 「スパイが活躍した」などというようなニュースは存在しない。まあ、もしも本当にそうであったとしても、基本的には「政治的に」あるいは「軍隊が」などというようなことを発表するのが普通であり、それ以外の話は全く出てこない。

例えば、昨年ISのバグダディがアメリカの特殊部隊によって殺害された内容であっても、その殺害に関して「なぜそこにいたのか」などの分析を情報部無しでできるはずがなく、基本的に「発見し・特定する」ということの現状をしっかりと考えるということが最も大きな仕事になるのであるが、それが表に出ることはないのである。逆に言えば「その手法と結果を見る」ことによってその首謀者を見るということになる。

さて、中華人民共和国、つまり「中国共産党」というのは、基本的に「飴と鞭」を使う方法である。

単純に「飴」は金をばらまくことや利権を与えること、「鞭」は武力的な威圧や家族への脅迫というような感じである。そのような国が信用をされるはずがない。その結果は上記のような状況になる。

調査はこの地域の政府高官や学者、専門家など1300人を対象に実施。中国に不信感があるとする人の割合は、昨年の52%弱から60%強に上昇した。また40%近くが、中国は「現状の秩序を打ち壊そうとする勢力で、東南アジアを自らの影響圏に入れようとしている」との認識を示した。<上記より抜粋>

この結果を見て何を考えるのか。つまり52%→60%に不信感が増えたということは東南アジアの8%の人が、中国による工作をしっかりと見ているということになる。そしてその工作が徐々に蔓延しており全体の60%に達しているということになるのではないか。

それでも地域に最も影響する経済力のある国として中国を選んだ人は全体の約80%と、昨年の73%を上回った。中国が最も重大な政治的、戦略的大国だと答えた人の割合も45%から約52%に増えた。<上記より抜粋>

まさに、経済的に金をばらまいていたり、債務の罠などを使っているという認識があり、そのことによって自分たちの経済も潤っていると感じる人やそのイメージを持っている人が80%存在する。そしてそれが全体的な戦略に従って行っていると言う人々も過半数になったということを意味しているのである。

このように「工作」というのは、ニュースになる前に「人々の印象」として、存在することになり、その芽をしっかりと見ておかなければ、何かが起きたときにその内容に対処できない。

このようなアンケート数値の変化そのものをしっかりと認識しておくことこそ、「陰謀の進行度合いを見る一つの指針」になっているということになるのである。