酒井薫個展[prayer room] ー世界は思ってるよりもずっと広いー
9月25日〜10月9日迄・(月)(火)お休み。12:00〜17:30最終日16:00まで
「開催延期となっておりました個展「Prayer room」が再開となります。
季節が春から秋へと変わり、展示内容も当初予定したものからすこしだけ変更をしました。
ご無理のない範囲で足をお運び頂ければ大変嬉しく存じます。
何卒これからもご自愛専一にてお過ごしください。 酒井薫」
1993年 愛知県生まれ 2016年 愛知県立芸術大学 油画専攻 卒業
◆新型コロナウィルス対策としてスタッフのマスク着用、こまめな換気、消毒を心がけてまいります。ご来場の皆様におかれましても、マスクの着用。入り口にてのて指の消毒、ソーシャルディスタンスの確保等のご協力のほど宜しくお願い致します。
<Prayer room>
「いま見えている景色が誰かの願いの果てであるならば、世界は思っているよりもずっと広い。
そんな中でどうか私の願いが ここだけに留まる祈りになるように」
(prayer room というタイトルについて)
直訳は礼拝室 祈る部屋である 。その名前の通り、今回の展示においてギャラリーの空間を 瞑想に向くような、思考を落ち着けるための時間を過ごせるような、静けさがあり 同時によく響く場所としたいためにタイトルとした。
( 制作のきっかけについて)
始まりは、風景をよく見るようになったからだと思う。
普段の生活の中で目にした、誰かの軒先にある植木鉢の集まりだったり、廃棄するのか分からないようなごちゃごちゃとした集積からささやかな願いの名残を感じたものを作品にしながら、自分の思い出を題材に絵にしてきて、 ようやく自分の目が今のものにも向けられるようになってきたのかもしれない。
私がいま見る風景のほとんどが誰かによってつくられたものであるという事と。見落としてしまうくらいささやかで、けれど消えずにそこにあるもの達が さらに私の視界を広くした 。
きっと ずっと残るものなど無いだろう。
けれど描きとめるのは忘れないためと言うよりも考えたいからのような気がしてる。
次を見て考えたいから描いてるのかもしれない。
以下は中止になった当時の掲載となります。
「展示の延期を受けて酒井 薫さんのnoteページにて「prayer room」に寄せて書き留めた日記を公開、更新していました。作品の元となっている、日常のささやかな出来事や風景の写真を添えた日記のようなものです。是非こちらもご覧頂けたらと存じます。酒井薫さんの描きたかった世界がグッと身近に感じられる事と思います。 この事態が落ち着いたら再び個展を開催出来るよう、酒井薫さんはさらに全力で制作を続けていきますので、開催の折には是非とも会場にお運び頂き、このnote を思い出し作品をご覧頂けたら幸いです。」
わたしたちの生活が祈りだなんて大げさだろうか
例えば斜面に置かれて小石で底を持ち上げられた鉢植えと
坂道の途中にあって水平を保つ家はどこか似通ったものに思える
私が普段目にする風景のほとんどは誰かのつくったものだ
私には知る由もないけれど おそらく始まりには願いがあった
(そうであってほしい)
いま見えている景色が誰かの願いの果てであるとするならば
世界は思っているよりもずっと広い
既にある価値を損なわぬように
そのものが持つ主張を読み解くことはできるだろうか
祈りに答えはない
目の前に見えるものはただその時々の現れであり
どこまでいっても限リない風景に対して私はあまりにも小さい
果てのない場所で願いはどこまでも傲慢になれる
それでもささやかに現れるものがあるということを知っている
どうか私の願いがここだけに留まる祈りになるよう
開催延期となってしまった個展のDM
ブロックの上の鉢植え 727x606
仕舞い方ー布をかぶせるー 606x910
酒井薫noteページ(写真を添えた日記のようなもの)からの抜粋です。