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第15回 スー族に伝わる聖女伝説『白いバッファローの女‐ブルーレ・スー族』

2020.02.04 15:00

白いバッファローの女というと、アメリカ先住民でわりと有名な伝説のようです。

最初にアメリカ先住民の伝説を調べた時に目についた名前でしたが、その中身もまたとても神秘的な存在であることが分かりました。

ちなみに、書籍によればスー族は戦士の部族であるため、やや男尊女卑なところがあるようです。

しかし、白いバッファローの女はそんなスー族の中でも最も重要な存在のようです。

その姿はとても美しく、神秘的だそうです。

またとても尊いため、無礼にも勝手に触れようとした男はたちまちのうちに雷に打たれ、死んでしまったと書かれています。

彼女がスー族にもたらしたのは、バッファローの子どもの骨で出来たパイプでした。さらに、人々に暮らしの知恵を授け、大地にバッファローたちを呼び寄せて、スー族たちの獲物として繁栄させたとされています。


彼女は人々のもとから去る時に、人間の姿から白い牝のバッファローの姿へと変わって消えていったと言われています。

そのため、スー族にとって白いバッファローはとても神聖な存在となりました。


ちなみに、この伝説で人々にもたらされた子牛のパイプは実際に残っているようです。

しかし、この本によれば記録されたときにはすでに古く、使うと壊れてしまいそうな状態になっていたそうです。


それにしても、美しい女性が人々の暮らしを教えるというお話は、なかなかファンタジックでいいですよね。

憧れのようなものもあったのかもしれませんが、誰かモデルいたり、元になるような出来事があったとしたらって想像してもなかなか面白いです。

『アメリカ先住民の神話伝説』(R.アードス、A.オルティス編 松浦俊輔、西脇和子、岡崎晴美ほか訳 1997 青土社)