【紹介:恐るべし新米ママ登場!】福岡 柳川・JAZZ INN FUNCOOL(ファンクール) 20/10+22/06
福岡の観光地・柳川、その玄関口 西鉄柳川駅のすぐ側にあるJAZZ INN FUNCOOL(ファンクール)さん。
昨年2019年10月に50周年を迎えられたものの、11月にマスター(注1)がご逝去。その後、新型コロナで多少バタバタされたものの、常連さんに請われてご決断。この7月からマスターの奥様がママとなられ、新たなスタート!
本当に素人だから、とおっしゃるママ。
実際に飲食業は初めてで色々戸惑っておられるようですが、お話をお伺いしてみると何とも物凄い新米!
このお店が開業されたのはママが高校2年生の時だったそうですが、何とママはその当時からの常連さん。
その当時としてはジャズ喫茶という敷居の低い店だったそうで、同級生と共に入り浸り、城島(キジマ)ジャズイン(注2)にみんなで行ったりと楽しく過ごして約30年。
47歳の時にマスター(56歳)とご結婚され、連れ添われた約20年。
お店のことはマスターにタッチさせてもらえず、ライブの時に手伝ったぐらい、とおっしゃるのですが。。。今回ママが新たにお店に飾られたのが、「浅川マキ」とサインのある一枚のメモ。
新宿ピット・インに行った時、マキさんがいらっしゃったので、旧知のバタヤンに紹介してもらって書いてもらった、と事も無げにおっしゃるママ。
バタヤンとは今となっては伝説のベーシスト川端民生さんのことですが、このお店でライブがあった時はマスターも含めた3人で朝まで一緒に飲む仲だったとか。
考えてみれば、このファンクールというお店は九州ジャズ・スポットの初代のお店※と組んで、東京のミュージシャンの九州ツアーライブをやっていたお店で、そんなことからママは、渡辺文男さん、大口純一郎さん、米木康志さん、清水くるみさん等、ビッグネームの方々とお知り合い。。。こんなスゴい人脈を持った方が、新米?
※今はもう無くなってしまった鹿児島のパノニカさん、福岡のコンボさん等
またこの日小さい音でかかっていたのは、ママが好きでよくリピートして聴いているというアルバム。
確かにいいなぁと思い、音を大きくしてもらって聴いたのですが、やっぱりいい。どなたのですか?と確認したら、奥平真吾さん(ds)率いるTHE NEW FORCE。
伊達に50年以上ジャズに親しんできた訳でもなければ、いいライブを聴いてきた訳でもないということでしょうか?
しかし、こんな素敵な感性を持っている方が、新米?
51年目の老舗(注3)にして、開業1年目のお店。
初代の頃とは違い、カウンターの上を始め、随分店内がきれいになりましたが、音は以前と変わらず、老舗ジャズ喫茶でしか聴けないいい音。
こんな味わい深く包み込んでくれるようなジャズが聴けるお店も九州ではあと数店を残すのみ(注4) で、またこの音を聴くことが出来るのは私としても嬉しかった次第。
また伺いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
【22/06追記】その後も何度か再訪。このお店によく来ていたジャズ・ミュージシャン達の裏話や城島ジャズ・フェスティバルにみんなで行った話(美味しいものを山ほど持っていくマスターの所にミュージシャンが挨拶がてら殺到。笑)等も楽しい上、渋谷毅さんのアルバムを始としたお宝満載のこのお店。
西日本新聞に2021/12/13付で掲載されましたので、併せてご紹介まで。
【営業日時※1、駐車場:無※2、喫煙:可】
※1.現在、営業日時は火・木・土・日の17-22時ですが、遠くからお越しの方は電話でお確かめください。
※2.駅前にあった駐車場が再開発で閉鎖。比較的わかりやすいのは、お店の通りの西鉄の踏切を越えてすぐにある病院横のコインパーキングですが、ママにご確認いただいた方が間違いないかもしれません。
(注1)初代マスターがご逝去された時のFB。
今は、お気に入りだったピアニスト ジーン・ハリスのサイン入りジャケットの下で、このお店を見守っておられます。
(注2)別府国際ジャズフェスティバル 城島ジャズインは、大分県別府市、城島高原などで1972~97年に開催されていたジャズ・フェスティバルで、九州で古くからのジャズ・ファンの方をお話をすると必ず出てくるキーワードの一つ。ちなみに、もう一つよく出てくるのが、ライブ・アンダー・ザ・スカイの福岡公演。
(注3)「40年ぶりにこのお店に来ました」「小学校に通学する途中にあり、ずっと不思議だったこの店にようやく来ました」等と来られるお客さんもいるこのお店。開業当時からずっと見守ってきたママはやはり適任かもしれません。
(注4)老舗らしいジャズの聴けるお店:あと九州で残っているのは、福岡・天神南 JABさん、大分・別府 FUNKさん、そしてこのファンクールさんの3軒。
ちなみにその要件は、30年以上それなりの音量で鳴らし続けられた大口径ウーファーとお店の空間※。その結果生まれるのは、お店の空気と深く馴染んだ温かく柔らかいジャズ。。。2018年にママがご勇退された福岡・井尻のアルフィーさんもそうだったなぁ、と懐かしく思い出しましたが、改めて貴重な文化遺産だと思います。
※この要件だと、福岡久留米・ルーレットさんや熊本・おくらさんもその範疇に入るはずですが、両店共、良くも悪くももっと新しい音。それは両マスターがオーディオ・マニアの側面をお持ちだから、でしょうか?
【注】以上の記事は2020年10月時点の情報ですので、最新情報は下記FBやお店に直接ご確認願います。
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