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「札幌遠友夜学校跡地」碑。

2014.07.05 00:25

(あしあと その109・中央区の69・創成川以東の3)

前回紹介した「新渡戸稲造萬里子両先生顕彰碑」の前に、正面がブロンズ像の方を向いて、コンクリートの土台が地面から浮き上がってただそこに置かれたという感じの小さな石碑があります。

この石碑は、「札幌遠友夜学校跡地」碑です。もとは閉館した中央若者活動センターの入口に置かれていたものですが、建物の解体とともにブロンズ像前に便宜上移されていました。

碑銘の「札幌遠友夜学校跡地」を揮毫したのは、札幌出身の農学博士で夜学校の校長も務めた半澤恂です。

碑の側面には、「創立年月日 明治二十七年六月十八日 創立者 新渡戸稲造」と記されたブロンズ板がはめ込まれています。

かつて遠友夜学校があった跡地が、新たに「新渡戸稲造記念公園」として生まれ変わり、その一隅に「新渡戸稲造萬里子両先生顕彰碑」と並んで「札幌遠友夜学校跡地」碑が建てられています。

碑は新たな形に生まれ変わり、新渡戸の功績を記した説明板の下に、以前の碑のブロンズ板がはめ込まれています。

遠友夜学校は、貧しい子供たちに教育を施そうという目的のもとに、新渡戸稲造とその妻の萬理子が私財を投じて無償の教育施設として創設した教育施設です。その高潔な意思は、新渡戸が札幌を去ったのちも彼が教鞭をとった札幌農学校の学生たちに引き継がれ、半世紀の長きにわたり約1,200名の生徒を世に送り出しました。今朝の地方新聞(平成26年7月5日北海道新聞朝刊26面)に、「遠友夜学校の資料北大へ」という記事が掲載されていました。解体された中央若者活動センター内にあった遠友夜学校記念室の収蔵資料は、現在は札幌市資料館に展示されていますが、本年7月6日をもって一般展示を終了し、北海道大学に寄贈・保管されるそうです。寄贈を受けた北大では、今後史料のレプリカを展示するそうです。