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「愛染明王」。

2015.02.22 09:00

(あしあと その158・中央区の85・豊水の5)

南7条西3丁目にある成田山札幌別院新栄寺。明治18年に本山の成田山新勝寺から不動明王の分身を移して仮堂を開いたのがその始まりです。この境内の東側には新旧の石碑が立ち並び、都会の中にあって古くからの歴史を感じる場所になっています。石碑は、境内の北東角に沿って南と西に面して並んでいます。

まず最初が「愛染明王」です。愛染明王は、新栄寺の本山である成田山新勝寺において、不動明王とともに最高の明王として祀られています。愛染明王の石像は一面六臂、つまり一つの顔と6本の腕を持っていて、炎を象った背景に「愛染明王」の文字が刻まれています。

石像の前には灯ろうと狛犬が左右に建てられていて、その左側には真新しい看板があります。それには

「愛染明王

愛染明王は、真言密教の愛欲・煩悩をつかさどる仏身で、古くから女性や特に水商売の方々の信仰を集め、後に名前の響きから染物関係者の信仰対象ともなりました。

建立 昭和五年十月(円山西町 滝の不動)

移設 昭和五十五年十月(現在地 成田山新栄寺) 札幌染洗工業組合」

と記されています。

説明板に記されているとおり、かつて円山西町にあったのが、何らかの理由で新栄寺に移設されたもののようです。ここにある「滝の不動」は、円山西町に流れる円山川の途中にある不動の滝と呼ばれる小さな滝の附近にあったことを指すと思われます。