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「温泉開祖 美泉定山」碑。

2016.03.23 14:10

(あしあと その342・南区の104・定山渓の8)

札幌の奥座敷として歴史の深い定山渓温泉。国道から小道を入ったところに定山寺の古刹がありますが、この境内に「温泉開祖 美泉定山」碑が建てられています。きれいなコンクリート製の土台に置かれた自然石でできた碑の碑面には「温泉開祖 美泉定山」と刻まれ、その左側に「〇海農人〇〇」と小さく刻まれています。

碑の左側面には、

「定山ハ作州ノ人夙ニ北渡シ安政以後蝦夷地ヲ徘徊シ遂ニ此地ニ入リ無人ノ境ニ浴場ヲ開ク明治九年十二月三十日歿ス」

と刻まれています。

美泉(みいずみ)定山は現在の岡山県出身の僧で、嘉永6年に北海道に渡り修行を続けました。小樽に近い張碓で生活していた時に山奥に温泉が湧出している話を聞き、自らの目で良質の温泉が湧いていることを確認したことから、度重なる陳情の末、札幌から湯治場に到る道を開鑿することに成功しました。湯治場は、この定山の名を採って定山渓と名付けられました。

コンクリート製の土台の脇には、目立たないように「定山坊と定山渓温泉」のオブジェがそっと置かれていました。