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「藻岩村道路元標」。

2016.03.28 10:30

(あしあと その344・中央区の122・円山の1)※撤去されました。

南1条通を円山方向に向かうと、北海道神宮の裏参道と呼ばれるようになります。この通りと西25丁目通との交差点の手前で、南に向かう斜め通りが走っていますが、裏参道から曲がって30メートルほど進んだ右側の一般住宅の前に、小さな碑が立っています。

注意深くして見ていないと通り過ぎてしまうくらいこじんまりとした石碑ですが、これが「藻岩村道路元標」です。住宅の敷地と道路との境界辺りに埋められた碑面には、「藻岩村道路元標」と刻まれています。

碑の背面には、「昭和三年建設 北海道廰」と刻まれています。

碑に刻まれているように、この道路元票は明治3年に設置されています。大正初期の札幌市内図にもこの道路が斜めに走っている様子が見て取れます。

円山は、明治3年に奥羽地方からの入植者が移入して庚午(かのえうま)三の村として始まり、翌年には円山村と改称されました。その後明治39年になって山鼻村と合併して藻岩村となり、円山地区は藻岩村大字円山村と呼ばれました。開村当時、この斜め通りは鹿などの獣によって踏み分けられた小道に過ぎなかったそうですが、この道の両脇に沿って開拓民の家が立ち並び、開拓がされてきました。

残念ながら、今ではこの碑はマンション建設に伴って撤去されてしまいました。