「国立公園 定山渓温泉」碑。
(あしあと その749・南区の159・定山渓の16)
国道230号から定山渓温泉街に下りていく交差点脇に、カッパのオブジェが置かれた手湯場がり、その並びに白御影石でできた四角柱の大きな石碑があります。
ホテルの看板の横に隠れるようにして建てられているのが、「国立公園 定山渓温泉」碑です。碑面には大きく「国立公園 定山渓温泉」と刻まれ、「岸信介書」と添えられています。また下の方には、「NATIONAL PARK JOZANKEI SPA」と刻まれています。岸信介氏は、第56・57代の内閣総理大臣を務めた政治家です。
碑の右側面には、「国立公園指定功労者」や「森林愛護功労者」として、北大教授や札幌市長の名前が刻まれており、その中には「郷土研究家」として詩人の更科源蔵の名前も見られます。
また、碑の背面には、
「当定山渓は明治二年定山坊発見
昭和二十一年五月小須田潤治氏は敗戦後の日本復興はその一助として国際観光を国是とし先づ観光協会を全国一本にすることを主唱北海道観光連盟を創立同年六月には全国観光連盟の発足を見た
ついで昭和二十三年国立公園指定の運動を提唱し昭和二十四年国立公園の指定を受けその保護育成につくされ又国立公園と森林自然の景観保護のため昭和三十三年森林愛護組合連合会を結成し尓来山火の予消防に尽力し今日に至る
豊平森林愛護組合連合会創立満十周年記念
昭和三十三年十月 建之」
と刻まれています。ここに記された小須田潤治氏は、碑の背後に建てられている老舗の章月グランドホテルを創業した人物です。
碑の左側面は、後から建てられたホテルの看板が迫っていてよく読み取れませんが、「建設委員」の「委員長」、「副委員長」、「委員」の名前が刻まれています。委員長は当時の豊平町長が務めていました。
石碑は重厚な造りで、その台座に札幌軟石が使われているのがわかります。