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「「旧王子サーモン館」のレンガ」。

2019.07.13 07:00

(あしあと その802・中央区の243・創成川の9)

北1条西1丁目の一画を再開発する目的で建設された複合施設のさっぽろ創世スクエア。この北側出入口を入った壁面に、レンガ積みの壁の一部が保存されています。

これは、さっぽろ創世スクエアが建てられる以前に、この場所にあった建物の一部です。

壁面には、かつての建物の全景写真と次のような説明書きされています。

「「旧王子サーモン館」のレンガ

この場所には「旧王子サーモン館」と呼ばれる建築物が立地していました。

「旧王子サーモン館」は、終戦から4年後の昭和24年、「北海道ホルスタイン会館」として建てられました。

札幌における戦後初の耐火構造による2階建の事務所建築で、外観は全面レンガ積(アメリカ積)と切妻屋根が特徴的でした。

窓台や玄関ポーチには札幌軟石が用いられ、外壁のレンガは通常の赤レンガではなく、窯変色のものが使用されていました。

上のレリーフは、「旧王子サーモン館」の面影をいまに伝えるため、建築物に使われていたレンガを用いて制作しました。

建築年:昭和24年 構造:レンガ造、地上2階建 延べ面積:約340㎡」

私はこのレンガの建物の記憶があります。その頃はすでに王子サーモンの販売店舗となっていましたが、あいにく中に入ったことはなかったように思います。このレリーフは、市内の札幌建築鑑賞会という活動グループが、建物の解体の際に出た廃レンガの一部を引き取り、創世スクエアの建設に当たって「旧王子サーモン館」の記憶を後世に伝えるために、開発事業者に働きかけて実現したものです。