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Fashion source: Daily Journal

ミナ ペルホネン/皆川明 つづく @東京都現代美術館 へ

2020.02.05 14:51

 「ミナ ペルホネン」と発声したことがない私ですが、妹がトークイベントも参加するくらいでしたので、昨日行ってきました。

 空いてそうな時間を狙いまして、14時ころに東京都現代美術館へ到着。入口のところで、ミドルエイジの男性に話しかけられました。「このチケット持ってますか? 1枚余っていて、もう捨てるだけだから、差し上げます」と関西弁で尋ねられました。ミナ ペルホネン のチケットではなく、現代アートの方のものでしたが、時間があったので、ありがたく頂戴しました。宇宙は、相変わらずおもしろいことをしてきますね。(笑)

 さて、「ミナ ペルホンネン」へ。どーんといきなりいろいろなテキスタイルの布が、壁となって現れました。 

 ほぉー! 色鮮やかな和風+北欧の雰囲気。有名ですから、どこかでは見たことがありますが、私の持ち物にはないデザインです。これを並べるにしても、なにか意図はあったのでしょうか? 想像がつきません。デザインのアイデアはどこからやってくるのでしょうか? 展示会最初のデザイナー皆川明氏の言葉に、その答えめいたものがありました。

”私達は、空想や思考という形ではない意識から出発して物や事を創る。 その物や事は、私達の日々の中で、新たな記憶や空想という意識へとまた還っていく。その循環は、暮らしという営みから人が得たこの星との繋がり方なのではないかと思っている。この繋がりの中にある物作りの過程には、互いの喜びや尊厳や感謝のように、感情という見えない熱量が含まれている。その熱量こそがテデザインの魅力の源なのだと思う。たった一枚の布や服の中に、創造の起点から生まれた原料のつくり手、製品のつくり手の熱量が溢れるほどにあり、それらは使い手自身の日々の暮らしの喜びや幸福感に変換し記憶へと繋がっていく。その記憶はやがてまた創造の種となって社会に蒔かれ新たな物へと続いていく。” 

 最近、思考とインスピレーションの違いについて、ちょうど考えていました。なので、「空想や思考という形ではない意識から出発して物や事を創る」というところに、自分の中からでてきたものというよりも、外からの刺激からインスピレーションが生まれているのかなと、疑問が湧きました。

 クリエイターとは何か? こうして、世の中にない柄を創られる方の中身はどうなっているのか? 展示を見ながら深めていくことにしました。

 私がまず興味を持ったのが、ミナを着ている人の日常の一コマ映画です。どの方も独自のライフスタイルをお持ちで、丁寧に過ごし、ゆったりとした空気感の中、生活されている様子でした。そういう価値観の方に似合いそうなミナペルホネンです。

 それから、アイデアから実際に布になったものが展示されているコーナーがありました。機械で布に刺繍が施されていくのですが、全く想像もしたことのないモノづくりの世界でした。デザイン段階から、布になるまで、どれだけ時間をかけているのでしょうか。すごく丁寧なモノづくりに価値を感じました。

 そして、ミナの服を何年も来ている人のコメントとその服が展示されているコーナーが涙がでました。どんな思いで服を買い、その服を着ていた時の思い出が書いてありました。そしてミナの服は、着ているうちにほつれたとしても、その下にまた色が見えて来たりと、何年もつづけて着ることでの良さも味わえる創りなんですね。だから、今回の展示会の名前に「つづく」となっているということにもつづいているのでしょう。

 最後にミナペルホネンの年表がありました。1995年のミニBAGからはじまり、25年かけて、世界中に広まり、いろいろなブランドとのコラボ作品も生まれ、食器や住宅など、幅広く広まっているというのには驚きました。そしてまだ皆川さんは私とたった7歳差なんですね。

 これからどんな服を着ていこうか? と今悩んでいるところなので、服に対しての新しい価値観をインプットできたと思います。ただ、私がミナペルホネンを着るかどうか、わかりません。(笑)

 さて、それから頂いたチケットの展覧会へも行きました。現代アートすぎて、意味の分からない系のものばかり。(笑)アートは意味がわかってしまっては、アートでないという言葉もありますし、いろいろなものの見方があるのだなと、不思議体験となりました。

 ついでに、常設展も見られるということで、足を踏み入れました。最後に体験したのが、「Sound art」というものです。この体験が一番インパクトあったかもしれません。

 ヘッドホンをして部屋にはいるのですが、右から日本語、左から英語、スクリーンにはテーマは同じですが、ヘッドホンとは違うスクリプトが表示されています。つまり、見ているものと聴いているものが違い、また聞いているものも、右と左が違うのです。そうなると人間どうなるか? 全く理解できませんでした。(笑)5分以上は聞いていましたが、途中で出ました。私と同じタイミングに入って出た人に思わず声を掛けました。「わかりました?」と。そうしたら、「音は良かったですけどね」と。(笑)私はわかろうとしていたけど、その人は音を楽しんでいたのか!と言う発見でした。(笑)