「忠犬ポチ」像。
(あしあと その605・中央区の208・山鼻の16)
市電の西線14条電停から行啓通を西方向に向かうと、北側に就労支援施設の幌西ほうおんの新しい建物が見えます。大正7年、この地に私立の少年教護施設として札幌報恩学園が創設され、戦後は北海道初の精神薄弱者施設と養護学校を開設しましたが、すべての施設が昭和38年に上野幌に移転しました。その後この土地に公務員官舎が建てられていましたが、数年前に更地になり、平成29年に新たに幌西ほうおんが建てられて敷地もきれいに整備されました。
その敷地の歩道沿いに、台座の上に真っ白な犬の像が置かれているのが目につきますが、この像は「忠犬ポチ」の像です。
台座の正面には説明板がはめ込まれ、そこには
「忠犬ポチ
大正7年(1918年)の冬 電報配達の帰り 猛吹雪のため遭難した真狩郵便局村上政太郎局長の異変を告げ一晩中暖め続けたのが「忠犬ポチ」(当時7歳)でした
この話を聞き及んだ小池園長は 懇願して 札幌報恩学園にもらい受け 学園の玄関番として17歳まで子供たちと共に生活しました
没後 「忠犬ポチ」は はく製となり 学園記念館に飾られておりましたが 昭和40年(1965年)から東京逓信博物館にて展示され 昭和42年(1967年)それを見た 真狩村文化財保護審議会 真狩高等学校生徒さんの熱意によって生まれ故郷に戻ることができました
現在真狩村公民館にて展示されています
小池九一園長は 「忠犬ポチ」の石碑も建立し 永くその遺徳を伝えんとしましたが 厚別区上野幌への移転や長い年月も経て 劣化が進んでおりました
今般「幌西ほうおん(園)」の開設にあたり 札幌報恩学園の草創期をけなげに支えてくれた「忠犬ポチ」を復刻することとしました
地域の皆様にかわいがっていただければ 頭をなでていただければ幸いです」
と記されています。
小池園長が建立した「忠犬ポチ」の石碑は、上野幌の報恩学園の敷地の一角に残されています。