レギュレーターレクチファイアがパンクすると危険なんです。
T様SR400
電装に不調をかかえており、以前からヘッドライトバルブが交換しても交換しても
切れるトラブル。
典型的なレギュレーター不良の症状。
まあ、レギュレーター不良の検討は付いていたのですが、
一応、アイドリング時の電圧を測定してみます。
なかなかいい数字をたたき出してくれました。
これ、アイドリング時です。
回転数が上がればオルタネーターからの電圧も上がってきますんで、これ以上の数値になるわけです。
ご存知の通り、バイクは12Vです。
12V電源系統にダイレクトにこの電圧が行けば、電球などは簡単にパンクします。
電球内はフィラメントが抵抗体です。
簡単に言えば、昔あった電磁調理器みたいなもんで、電気流すとニクロム線がマッカッかになる感じ。
ヘッドライトバルブで考えますと、H4バルブが通常 12V55/60Wです。
オームの法則から
W=IVより I=W/Vとなり
I=55/12 =4.58(A) が通常のヘッドライト、ロービームにかかっている電流値って事になります。
ここから
オームの法則
V=IRより R=V/Iとなり
R=12/4.58 = 2.62(Ω)となります。
ヘッドライトロービームの抵抗値は2.62(Ω)がわかりました。
では、上記の18Vがかかったら???
V=IRより I=V/Rとなり
I=18/2.62 =6.87(A)となります。
W=IVより
W=6.87×18となり =123.6Wと言う驚異的な数値をたたき出してしまいます。
そりゃ、ヘッドライトバルブ切れちゃうよね。
でも、メーターバルブなんかのもっと小さいW数の電球は大丈夫なのでしょうか?
もちろんダメです。レギュレーターがイカレると、小さいW数のバルブからバツバツ切れ始めるのが特徴的な症例です。
話が難しくなってきましたんで、元に戻しましょう(笑)
このアタリのお話聞きたかったら店で聞いてください(笑)わかるまで教えます。
そして、謎な症例として、なぜかロービームにしているとハイビームインジケーターが点灯して
ハイビームにすると消える。この辺は配線ミスかな?
そして、レギュレーターがパンクすると一番恐ろしいのは、バッテリーがパンクすることです。
これ画像だと判りにくいですが、バッテリーがパンパンに膨らんで、今にも破裂寸前。まさにパンク。
このまま使えばバッテリー液を撒き散らしながら、破裂します。
歪んでいるのがわかりますでしょうか?
もちろんこのバッテリーはもう使えません。
既に液漏れしてます。
jヒューズにも飛散したのでしょう。焼けてます。
バッテリーカプラーも真っ白になっていました。
と言う事で、謎な配線作業のオンパレードなメインハーネスの修理も含めて電装総点検・修理をしていきます。