正直どっちでもいい | ピスト用チェーンリングの「厚歯」と「薄歯」
そもそもチェーンリングって何?
チェーンリングはクランクにくっついている歯車です。
他の呼びかたとしては「チェーンホイール」とか、「前ギア」とか、「大ギア」とかですか。
「チェーンリング」でどのパーツかすぐわかる人はもうそれなりにチャリオタクです。
ピスト用のチェーンリング
本来ノーブレーキの競技自転車で、足の力のみでスピードコントロールをするピストバイク。
分厚いチェーンリングとゴツめの頑丈なチェーンを使うのは当然といえば当然です。
駆動部分(特にチェーン)は常に力がかかります。ヤワだと危険です。
薄く細く軽量化されたロードバイクなど多段ギア用のチェーンは強度不足です。
万が一、ぱっつんと切れると大変です。
ブレーキ無しは事故待ったなし。とっさにリアタイヤをフットブレーキ出来る人は稀でしょう。
そこで「厚歯用チェーン」を使います。重くてゴツい。その代わり丈夫。
そのチェーンを掛ける「チェーンリング」も分厚い頑丈な造りになってます。歯の幅が広くなっており、「薄歯用チェーン」は使えません。あとで図解を掲載します。
薄歯のチェーンリングって?
薄歯チェーンリングや薄歯コグは、本来ロードなど多段ギア用や、フリーギアシングルスピード用のものです。これを固定ギアに使って大丈夫なのか。
ぶっちゃけ競技にでも出ない限り大丈夫です。ゆるい街乗りピストなら特段の問題はありません。
薄歯のチェーンリングを使うメリットとしては、、
- ピスト用より割安
- 少し軽量化が出来る(ほんと若干)
- PCD130のクランクなら、ロード用チェーンリングが結構選べる(かぶり辛い)
こんなところでしょう。
本来ピストには厚歯を使う
本来、ピストバイクのチェーンリングに使うサイズや規格は
- PCD 144
- 厚歯チェーンリング
となります。
"PCD??"となった方は以下の画像をご覧ください。
上図、"サイクルボックス"様のWEBサイトより抜粋画像
"PCD"は、チェーンリングの穴と穴を結んだ円の直径、という感じです。
この直径がピストでは【144】が主流という事です。
ピスト以外ではこの数値が変わってきます。
- PCD 130
- PCD 110
- PCD 151(けっこう古い規格)
・・・
など。
"PCD 130"は、ロードバイクのクランクが5アーム主流だった時によく使われたサイズです。
なので、探せば”PCD 130”の薄葉チェーンリングは結構あります。
そしてスギノのピストクランク"メッセンジャークランク"も"PCD 130"対応のクランクです。
もちろん"PCD 130"のチェーンリングと互換性あり。
スギノ PCD 130 メッセンジャークランク
このクランクしかり、PCD 130 のピストクランクを選べば、薄歯チェーンリングの選択肢もぐんと広がります。
PCD 130 タイオガ チェーンリング
チェーンとの互換性
厚歯/薄歯のチェーンリングと、厚歯用チェーン/薄歯用チェーンの互換性についてです。
以下の画像をご覧ください(分かり辛いかも、笑)。
チェーンのイラストの左右にある【黒い縦棒】がチェーンリングの厚みを表してます。
それぞれのチェーンに対して左側の黒棒が薄歯チェーンリング、右側の黒棒が厚歯チェーンリングです。
厚歯チェーンはご覧の通り、横幅があります。
なので、厚歯のチェーンリングはもちろんのこと、薄歯のチェーンリングでも使えます。左右に遊びは出ますけども。
結論。街乗りならどちらでもいい
正直なとこ、どっちでもいいです。
普段乗りにおいて、厚歯チェーンリングでなければならない決まりはありません。
ピストは自由な乗り物です。
ただ、厚歯のチェーンリングでおすすめするならば、やはり日本の誇りNJS。
NJSのチェーンリングは真円がでていて精度が高い。NJSクランクと併せて使えば、縦にも横にもフレがなく、変なテンションもかからず回転が滑らか。まさに競技用機材なんです。
NJSクランク & NJSチェーンリング。 いずれも"PCD 144"
それ以外のクランクやチェーンリングはわりと精度出てないものも多いです。
これは1度NJSパーツを使うとどうしても気づきます。
その辺りどうしても気になって仕方ない人は、チェーン、コグ、チェーンリングを最初からNJSで統一した方が幸せです。
費用は掛かれど、まあそうそう壊れるものでもないので。
だいぶんNJSをひいきしました。
といっても、NJSではないチェーンリングにチェーン、コグであっても街乗り程度に何の問題もなし。
チェーンリングだけ薄歯でも問題なし。
現に僕も、街乗り用ピストには「NJSクランク」に「薄歯のチェーンリング」を使います。
古ーいカンパニョーロのリングですが、問題を特に感じません。
取り付けさえしっかりすれば、気に入ったものを選べばいいのです。
それがピストの醍醐味でしょうから。
miki