ハンドメイズテイル
2017 アメリカ ドラマ
!ネタバレしています!ご注意ください!
Huluにて現在3シーズンまで。
世界的に出生率が下がった近未来、
アメリカで内戦が起き、キリスト教原理主義のギレアド共和国が誕生。
完全なる男性社会で、女性は単に子供を産むものでしかない。
教育も受けられず、男性の所有物としてしか生きる術がない。
罪人のなかでも(罪といってもギレアド支配への反抗や逃亡)、
子を産むことができる女性は
支配者層である司令官の家に”侍女”として派遣され、
儀式と称したレイプによって子を産まされる。
産んだ子は司令官夫妻の子として育てられ、
侍女はまた次の派遣先へと送られる。
そんな世界の物語。
主人公は侍女のジューン。
アメリカで出版の仕事をしながら夫と娘と暮らしていたが、
クーデター後にギレアドからの脱出に失敗。
娘はギレアドに奪われ、自分は侍女として囚われの身となる。
夫はカナダへ脱出。
ジューンという名前も奪われ、
オブフレッド(フレッドは司令官の名)として生かされているジューンの物語。
まずシーズン1を見た時の衝撃・・・。
もう数年前ですが、こうして感想を書いていてもざわざわする感じ。
恐ろしいものを見たけれど、決して現実と乖離した世界ではなく、
むしろあり得る世界。極端ではあるけれど。
というか現実的にそうではないかと思わせられる面も多々あり、
その中で必死に自分を見失わず、目的のために毅然と立ち向かう、
力強いジューンの姿に、
私もただ日々を流されて生きてはいけないと、
自分の意思をもって生きなければならないと、
そう奮い立たされる物語です。
かすかな希望を抱いてはうちのめされ苦境にたたされ、
発狂しそうなほどの怒りや悲しみに震え、
でもまた立ち上がり、
どんどん強くなるジューン。
視聴者としてはそんな彼女に共感しているのですが、
シーズン3にいたっては何かギレアドに染まってしまったように思えて、
娘とギレアドから脱出ことになったとして、
果たして彼女は脱出するだろうか、
娘の手をはなしてでも、”ギレアドを破壊すること”にとりつかれて
ギレアドに残るのではないだろうかと、
そんな不安さえよぎります。
あのジューンでさえそうして侵されてゆく、
支配の恐ろしさというものも垣間見える、そんな側面もありますね。
登場人物それぞれの背景や変化もとても丁寧に描かれています。
夫を、妻を、子供を、国を、想う気持ち。
交わったかと思うと、気付くと遥か遠くだったりする。
現実離れした物語のようですが、
実は現実世界と大差ないと気付かされもする。
本当に色々と考えさせられ、揺さぶられますが、
私にとっては何か前に進まねば、と前向きなエネルギーがわくドラマです。
おそらく、ちょうど、私と同じ
30~40代の既婚で仕事を持つ女性には一番響くのではないかと。
男性にはどうだろう。
夫にすすめてみましたが、10分で寝落ちしていました・・・。
シーズン3のラストでローレンスに冷たい一言を放つシーン、震えます。
女性代表で男性に言い放ってやった感がたまりません。