「旧国鉄東札幌駅周辺の工場地帯跡」。
2015.09.13 01:00
(あしあと その256・白石区の6・菊水の3)
地下鉄東西線の菊水駅の南端にある6番出口の前は、五叉路の交差点になっていて、そこから西方向への一方通行の入り口になった小道に入ったすぐ左手に、やよい公園という遊具が置かれた公園があります。
公園の入り口には、白石区役所によって「白石歴しるべ」の説明版が建てられており、それには「旧国鉄東札幌駅周辺の工場地帯跡」と題された説明文と、当時この地域にあった日本ゴム株式会社の写真、それと「大正から昭和40年代にかけてあった工場」の図面が記されています。説明文には、次のように記されています。
「豊平区から白石区の菊水・東札幌地区一帯にかけての地域は、大正時代から昭和40年代にかけて、鉄鋼、ゴム、繊維、木材などの工場群が立ち並んでいた。定山渓鉄道(大正7年開通)、国鉄千歳線(大正14年開通)が交差する国鉄東札幌駅を中心とする地域は原材料の運搬には都合がよく、しかも札幌という巨大な市場をすぐ近くに控えていたからである。
主なものとして北都ゴム工業所(大正11・菊水1-3)、三共ゴム工業所(昭和2・菊水7-2)、白熊ゴム(昭和23・東札幌1-3)、豊平製鋼所(豊平1-9・東札幌1-2)、北日本毛織(東札幌3-2)、さらに多数の木材工場があった。
昭和30年代後半に経済高度成長期に入り、工場と住宅が密集した状態となったため、市の計画で順次西区の工業団地に移転した。」
この地域は現在は住宅地や商業地域となっていて、当時の面影は全くありませんが、かつては札幌の経済を支えた工業地域だったことがわかります。