「石川啄木歌碑」。
(あしあと その446・北区の43・北大周辺の5)
JR札幌駅の北口から西方向に向かったところに位置する偕楽園緑地の中に、「石川啄木歌碑」が建てられています。
楕円の形状をした黒御影石の碑面には、
「アカシアの街樾(なみき)にポプラに 秋の風 吹くがかなしと日記に殘(のこ)れり 啄木」
と刻まれています。また台座にはめ込まれた石板には、「石川啄木歌碑 平成24年9月15日 建立」と刻まれています。
碑の背面には、
「歌集「一握の砂」より 文字は啄木の直筆から集字 啄木没後百年、札幌啄木会結成十周年記念 二〇一二年九月十五日建立 札幌に啄木の歌碑を建てる会 会長 太田幸夫」
と刻まれています。
また、碑の横に立てられた説明板の碑に面した側には、啄木の写真と横顔のスケッチ画が掲げられています。
この説明板の正面には、この歌碑を建設した経緯について、次のように記されています。
「石川啄木の歌碑
国民的歌人の石川啄木(1886~1912)は、明治40年から1年足らずであるが函館、札幌、小樽、釧路と生活のため北海道を流浪した。
啄木が札幌駅に降り立ったのは明治40年9月14日である。
翌日には市内の大通り・創成川近辺を散策し、その印象を日記に残した。
アカシアの街樾にポプラに
秋の風
吹くがかなしと日記に殘れり
この歌は、啄木の代表的な歌集「一握の砂」(明治43年12月発行)に掲出されている一首である。
啄木が札幌に滞在したのはわずか2週間にすぎないが、札幌の深まりゆく秋を情感豊かに謳いあげた秀歌として知られる。
今年は啄木が27歳で東京にて没し100年の記念すべき年に当たるとともに「札幌啄木会」結成10周年の年でもある。
啄木の文学的偉業を顕彰し、後世に語り継ぐため、ここに啄木歌碑を建立する。
平成24年9月15日 札幌に啄木の歌碑を建てる会(札幌啄木会有志)」
この碑は最近建てられた新しいものです。この碑がある偕楽園緑地は、かつてメムと呼ばれた湧水池があったところで、豊平川の伏流水が滾々と湧き出ていました。少し離れたところからこの緑地を望むと、この地が広くくぼんだ形状をしていることが分かります。