「烈々布地蔵菩薩」。
2019.02.10 02:40
(あしあと その710・北区の67・百合が原の2)
「烈々布開基百年記念」碑の背後に、札幌軟石でできた小さな祠が置かれています。その場所は烈々布会館の敷地と金網のフェンスで区別されていて、百合が原公園の敷地内に建てられたものであることが分かります。
会館前の市道からは、会館の敷地に沿って祠まで敷石が置かれた通路が続いており、さらにその通路沿いにロープが張られていて、公園の敷地とも区画されているようです。
コンクリート製の台座の上に置かれた小祠は、札幌軟石を積んだもので、屋根もついた小さいながらも立派なものです。正面には鉄扉が取り付けられていて、その中にお地蔵さまが安置されています。これは、「烈々布地蔵菩薩」です。
札幌市東区役所発行の「東区今昔」という郷土資料誌によると、このお地蔵さまは、地域の守護地蔵尊として、明治26年10月に現在の丘珠空港線と東20丁目通の交差点に建立されました。当時の写真には小祠はなく、石積みの台座の上にお地蔵さまが安座して、交通の安全を見守っていたようです。
その後丘珠飛行場の整備が始まり、昭和16年8月、飛行場の完成と同時に北42条東17丁目に移設されましたが、さらに宅地開発の進展と百合が原公園の整備にあたって、現在地に移転したものと思われます。