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退屈と惰性と 改

HMM ゴドス 旧共和国仕様 レビュー

2020.02.15 06:50

 今回のレビューは、1/72スケール ハイエンドマスターモデル より、

“HMM 047 ゴドス 旧共和国仕様” です。


 “ゾイド -ZOIDS-” より、

 共和国の主力小型ゾイド、

“恐竜型 RMZ-11 ゴドス” が、

旧共和国仕様として、第1期のカラーリングでコトブキヤのハイエンドマスターモデルのラインナップに加わりました。


 コトブキヤが、ハイエンドマスターモデル(HMM)としてゾイドのフルアクションキットを発売し始めたのが、2006年の11月ですから、もうかれこれ13年以上が経ってるんですね。

 第1弾のシールドライガーから、一般販売アイテムはほぼ買い続けていますが・・

 シリーズ開始当時は、本家ゾイドではいわゆる第2期シリーズがほぼ終了した時期で、なんやかんやでライセンス取得が可能になったということなんでしょう(適当)。

 まぁ、そういった時期的なこともあり、HMMで発売されるゾイドの基本仕様は第2期以降の設定に基づくものがほとんどです。

 なので、今回の主役であるゴドスも、2011年の11月にメインカラーがシルバーの第2期でまずは発売されています。それから8年余りですか・・

 これまでも、プテラスやゴジュラスなどで旧共和国カラー=第1期版に準じた成型色の外装パーツがコトブキヤショップ限定特典などで付属することはありましたが、端から旧共和国仕様として第1期版準拠のカラーリングのキットが一般発売されるのは今回が初めてですよね?

 あ・・でも、モルガはとくになんの断りもなく第1期版準拠(といっても本来シルバーのところが薄いグレーになってましたが)だったような気もする。ちょっとはっきり覚えてませんが。


 では、レビューしていきます。


 今回のウリは第1期版基準の成型色変更ももちろんですが、第2期版のパッケージイラストには描かれながら現物は付属しなかった、共和国軍の標準型共通コクピットが新規造形で追加されていることにあります。

 これまでにHMM化されている帝国製ゾイドではモルガ、イグアンといった小型ゾイドは当然のこと、大型ゾイドであるレッドホーンにもHMMオリジナル設定で共通コクピットが内蔵されていましたが、共和国製ゾイドでは小型ゾイドでもプテラス、カノントータス、それに第2期版から登場したガンスナイパーとコクピットの形状が違う機種ばかりだったので、これまで共和国製の共通コクピットがHMMにてリメイクされる機会はありませんでした。

 というか、普通に第2期版ゴドスに付けとけよ・・という話ですが。


標準型(初期ロット)

 そんなわけで、まずはその共通コクピットを搭載した標準型から。

 ゴドスといえば、の前へ倣えのポーズで撮影しております。

 恐竜型なのに直立二足歩行という、伝統のゴジラスタイル。

 この無骨さ、うるさいくらいのディティール・・まさしく初期のゾイドですねぇ。

 まぁ、HMM化にあたって各部のボリュームアップやディティールの追加、武装の大型化など、全身にわたってアレンジが施されているわけですが、決して過剰になり過ぎず、独特の雰囲気は保たれていると思います。どちらにせよ、今のワイルドシリーズとは完全に別物です。

 実は、(もちろん第2期版よりも)先に発売されたプテラス(プテラスボマー ジェミー仕様)から胴体や脚部のパーツが流用されています。

 そのため、HMM独自の解釈(だと思います)として、プテラスの開発にはガリウスから続く2足歩行恐竜型ゾイドからのフィードバックがあった・・というようなことになっています。

 本家オリジナルでは、ガリウスのパーツがゴドスに流用されてはいますが、プテラスは完全新規。ただ、ゼンマイ歩行を含めて構造には共通点があるため、そこは上手く設定としてまとめたなぁ・・という印象です。

 プテラスのHMM化の段階からゴドスまで繋げようと思ってたのかなぁ?

 繰り返しになりますが、今回は成型色で第1期版のカラーを再現。ただ、HMM独自の配色は第2期版と同様(成型色も同じ)で、設定がの再現には細部の塗装が必要になります。

 とりあえず各部センサーのレンズ部分のみシルバー、そしてその上からクリアオレンジで塗っています。

 デカール類は貼っていません。


 共和国標準型共通コクピット

 新規造形の追加パーツ。

 初期の共和国小型ゾイドはコクピット本体がアイボリー、キャノピーは薄茶色のクリアパーツでしたが、帝国の新型ゾイドに対抗するために開発されたゴドスとガイザックではこの色に変更。性能に違いはないと思いますが。

 キャノピーはもちろん開閉するものの、画像の位置までしか開かないので、パイロットフィギュアの乗せ降ろしが若干手間です。

 フィギュアはオリジナルリスペクトのゴールド成型。さすがにメッキではありませんが。

 また、HMMアレンジでディティールが追加されたほか、側面にレーダーアンテナとサーチライト(?)のオプションが追加されています。

 オプションを外すとレトロななかにも新しさが感じられる共通コクピット。

 オプションの接続は3㎜なので、ほかの武装や同じコトブキヤのM.S.G.などと換装するのも自由です。

 ちなみに、本家ゾイドも武装類の取り付けは基本3㎜ですが、軸と穴が逆になっているのでそのままでは取り付けられないのが少し残念です。


ゾイドコア

 腹部ではなく背部に内蔵されており、外装ごと取り外すことが可能です。

 コア自体は硬めの軟質素材でクリアレッド成型になっています。


重装甲型(指揮官機)

 側面図は割愛。

 コクピットや一部の武装を換装した重装甲型。

 重装甲って、外装はそのままじゃん・・と思いきや、実は外装の部材そのものがより強固なものに変更されているそうです。

 部材の見直しとともに通信機能が強化された新型コクピットは、当初は指揮官機およびこの重装甲型にのみ採用されていましたが、のちのち各所装備の換装などを容易にするためにこちらを標準装備した後期ロットが生産されるようになった・・というのはHMMの第2期版で標準型のコクピットを付けなかった言い訳のような(笑)。

 武装では長射程、高威力の “30㎜ビームランチャー” を左腰部に装備。その命中精度を高める “エイミングレーダー” を尻尾の付け目右側に装備しています。レーダー後ろ向いてるけど意味あるのか? というツッコミはさておき。

 さらに、背部に2連装の20㎜ビームガンを装備したサブコクピットビークルをマウントします。

 これらのオプション武装と新型コクピットを合わせたものが 、“重装甲スペシャルユニット” と呼ばれる装備群になります。


サブコクピットビークル

  ゴドスの背部から分離させた状態です。単独で飛行能力を備えてます。

 パーツの差し換えで有人タイプと無人タイプを選択できます。画像は有人タイプ。

 ちなみにパイロットフィギュアは1体しか付属しません。

 底面には3㎜穴ではなく軸が生えているため、微妙にディスプレイしづらいのが難点。


コマンドビークル

 サブコクピットニークルをベースに重装甲スペシャルユニットを合体させたHMMオリジナル形態。コクピットについては取り付けは任意です。

 こちらの画像ではサブコクピットビークルを無人センサー搭載型にしています。

 サブコクピットビークル単体時同様、汎用スタンド等を使うのに適した位置に3㎜穴がありません。
 基は2011年発売のキットなので、そのあたりにも当時のコトブキヤがまだいろいろと模索していたのかなぁ・・と思えたりして感慨深いものがあります。


比較画像

 まずは標準型で、本家オリジナルと。
 本家のほうは、月間ゾイドグラフィックスで発売された復刻版なので、厳密にはオリジナルではありません。
 あと・・すみません、随分探したんですが共通コクピットが見つかりませんでした。本来はHMM版同様に本体はマットなグリーンでキャノピーはクリアオレンジなんですが・・
 ないものは仕方がないので、居和国初期小型ゾイド共用の白いほうで勘弁してください。形は同じですから。

 ガイザック含めてほかのパーツは全部揃ってるのに、なんでコクピットだけないんだ・・?

 HMMアレンジで全体にマッシブになり、一回り大きくなっています。
 しかし、決して尖ったアレンジではなく、正統進化という感じでディティールアップが施され、メカ生体としての説得力が増しているように思います。

 武装も大型化され、存在感が増しています。


 重装甲型で。

 標準型の段階で武装類は大型化していましたが、スペシャルユニットはそれ以上に大型化され、形状もかなり大胆にアレンジされています。

 ちなみに正真正銘のオリジナルも持っていましたが、随分昔に処分してしまいました。もうオリジナルの第1期ゾイドはたぶん残っていません。

 なお、ゴドスはこのほかに第2期版で組み立て済みのものを1つ、まだ未組み立てで保管しているものを1つ持っています。


 HMMの第2期版と。

 第2期版には共通コクピットが付属しないので、重装甲型のみでの比較です。

 変更点はカラーリングのみですが、配色のパターンは一部異なります。

 こちらはパッケージ。右が今回の旧共和国仕様(第1期版)。左が第2期版です。

 ポーズ、構図が共通(顔の向きの見違いますが)で、標準型と重装甲型がテレコになっているのと、第2期版にはアニメにも登場したハーマンと部下(名前忘れた)が描かれているのが大きな違い。

 もちろん、それぞれのカラーリングは変更されています。バックに映るプテラスも少しわかりにくいですが今回のパッケージでは第1期のカラーになっています。


 HMM イグアンと。

 帝国が鹵獲したゴドスを改修して完成させた機体で、それまで帝国に不在だった歩兵型ゾイドとして瞬く間に帝国主力小型ゾイドの地位に上り詰めたのがこのイグアンです。

 ゴドスがどちらかというと火力重視で攻撃に特化した機体なのに対し、イグアンは機動性重視の万能型といった雰囲気で、武装の多くは標準型のゴドスと同じものを装備していますが、総合性能はイグアンが上。

 オリジナルでも胴体や腕部、脚部、武装など半数近いパーツを共用していましたが、HMMでも同様です。オリジナルよりも腰部スラスターなどの厚みが増したぶん、ゴドスよりよほど重装甲に見えます。

 それにしても、あらためてこれのどこがイグアノドン型なのか・・?(笑)


以下、画像

 前提として、一応恐竜型ではありますが、間接構造はわりと人体に近いため、肘、膝などは人型ロボットのキットと同じような感覚で動かせます。ただ、可動性そのものはお世辞にもよいとは言いえません。

 腕部の付け根はボールジョイント接続になっているのですが、ボール部分が自由に動く余地がほとんどなく、可動域は単純な軸接続と大差ありません。しかもデザイン上明らかに動きそうな肩間接が一体成型で一切動かないため腕が水平に上げられず、ほぼ前後に振ることしかできません。上腕にロール軸があるものの、常に脇を締めたような状態なので窮屈なことこのうえないです。

 ほかにもコクピット、腹部と腰部の接続部、脚部の付け根などにボールジョイントが使われていますが、やはり柔軟性はあまりありません。そのくせ腹部と腰部の接続部に至ってはボールの受けガワがやけに緩いので、常に上半身がグラついているような状態です。


 まずは標準型で。

 前傾姿勢・・いわゆるドスゴドススタイルで。

 尻尾は3節に分かれていてそれぞれ上下、左右に可動。ランディングギアも左右の2本は可動します。

 あまりダイナミックには動かせませんが、画像のように頭の先から尻尾の先までおおよそ一直線にすることは可能。

 ただし、この状態では頭部コクピット構えを向くことができないので、パイロットが自力で顔を上げる必要がありますね(笑)。

 必殺ゴドスキック!

 その威力は帝国の初期小型ゾイドならば一撃で破壊できるほどだとか。

 この設定って第1期の時点であったんでしたかねぇ? どのみちオリジナルのキットではどうしようもないので、HMMにて初めて再現できたわけですが。

 片脚立ちでも尻尾のランディングギアで支えてやれるので、この姿勢でも十分安定します。

 標準型とコマンドビークルとの連携イメージで。
 どこかのストライカーパックみたいに、戦闘中にで換装なんてできるわけはないけれども。


 重装甲型で。

 30㎜ビームランチャーの砲口は3㎜穴になっているので、各種エフェクトパーツを使って射撃シーンが演出できます。

 画像は同じくコトブキヤのメガミデバイス Chaos & Prettyなどに付属のエフェクトパーツを使用。いやぁ、いろいろと役に立つわぁ(笑)。

 でも、8年前にここまで考えて設計されてたんでしょうか? あの頃こんなエフェクトパーツとかあったかなぁ? たまたま径が合っただけのような気もする・・

 なお、ビームランチャーには可動式のグリップがあり、ゴドス本体のハンドパーツもツメが開閉するので実際に握っているような格好が可能なのですが、先に言った腕部の可動性能の低さのせいでかなり窮屈な姿勢でしか持てません。

 股下にポリパーツ(3㎜穴)が仕込まれているので、フライングベースなどを使っての空中ディスプレイが可能。このままドロップキックにいくのかな?

 でも・・ということは、ビームランチャーの砲口の3㎜も偶然ではないのか。

 なんと、立て膝が可能という・・

 8年前に第2期版を組んだ時点で気付けたことなのに、当時は仮にも恐竜型ゾイドにこんなポーズをとらせるという発想がなかった・・というか、写真なんか撮ることもなかったしね。

 しかし、これなら脚部構造を同じくするプテラスも立て膝が可能ということか!


 VSイグアン。

 長い間、共和国帝国両軍の小型ゾイドのなかで最強を誇っていたゴドスも、第2次新型ゾイド開発競争(ゾイドバトルストリーより)においてその座を追われることに・・

 とくにゴドズ自体を鹵獲改修して生み出されたイグアンにはあらゆる面で上をいかれ、結果として両軍のパワーバランスが大きく傾くことになったとか。

 標準型ではすべてのスペックがイグアンに叶わないゴドス。一方で重装甲型なら一部で優位に立つ部分もあるので、パイロットの技倆によってはいい勝負ができる・・ような。

 というか、ここでこそゴドスキックをお見舞いすべきだろうに。完全に忘れてました・・


 以上、“HMM ゴドス 旧共和国仕様” でした。


 カラーバリエキットとはいえ、久々のHMM版小型ゾイド。なんだかんだで触るのが楽しいです。

 本家のほうでフラストレーションが溜まってるからなぁ(笑)。

 基本は8年以上前に発売されたキットそのままなので、構造的に古臭さ、不合理さを感じる部分もありますが、そういうところがまた昔のコトブキヤらしい・・と懐かしい気持ちになりました。

 古いキットとはいえ造形、プロポーションともに最新キットと並べてもなんら遜色ないものですし、腕部の可動が窮屈という以外、不満らしい不満はありません。

 8年経ってあらためて作ったことで、恐竜型ゾイドのくせに膝立ちができるという新たな発見もできましたしね(笑)。

 まぁ、とくになにか意味があるわけでもない(と思う)このタイミングで発売されたのは、正直時間稼ぎのような気もしますが、こういった小型ゾイドのバリエーションなら個人的には大歓迎です。

 アイアンコング イエティくらいの高額アイテムになってしまうと、ちょっと躊躇してしまいますけどもね。もうコングは3体いるからなぁ・・

 先のワンフェスでのHMM関連は、ワイルドライガーのワイルドブラストモードの原型展示以外新情報はなかったようですが、ひょっとしたら当初の予定から少し遅れが出ているのかもしれませんね。

 急なイエティの投入も、ひょっとしたらそういうことなのかも。

 僕はレブラプターの続報を待ってるのに・・


 本家オリジナルのゴドスが発売されたのが、1984年の6月か7月頃。

 それから35年と半年・・いまだモチーフとして色褪せない魅力があるのは素直にすごいと思います。本当に、初期ゾイドたちのデザインは秀逸だった。

 果たして現行のシリーズに、30年経ったあとでも今の子供たちの記憶に残るだけ魅力があるのだろうか・・

 まさか改造武器セットまで流用してくるとは・・奴等は我々の想像のはるか上を行くようだ。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。