神奈川県公立中高一貫校相模原中等平塚中等入試問題(適性検査2)解答と解説と分析【令和2年度(2020年度)版】
なんだか2が多めのタイトルですが、前回の続きです。
早速参りましょう。問題と解答はこちらでご確認を。
相模原・平塚中等 適性検査II
問1 バリアフリー
問1はバリアフリーの問題。長めの記述があります。
(1)は、当てはまるものの選択。①は、会話文のかなこの台詞が一瞬ひっかけっぽいけど、内容はあっているからマル。②スロープはバリアではない。③情報面じゃなく移動面だね。④ルールや制度面じゃなく情報面だね。⑤その通り。⑥綿状ブロックは方向確認のためと書いてあります。よって、①と⑤が正解。
(2)は、長文記述。「具体的」がポイントね。自分と読んだ誰かが同じ場面や行動をイメージできるように書きましょう。「頑張ります」じゃお互いがイメージしているものが違うかもしれないもんね。解答例は解答をご確認ください。
問2 庭づくり
たろうさんとかなこさんの関係性とどこに庭を作るのかが気になりますが、気にせず問題を解きましょう。情報量が多くてうんざりしそうですが、落ち着いて整理すれば楽勝です。
(1)まずは柵ね。
長方形の花壇を囲む長い柵「あ」の長さは柱を引いて求めればいいから、140-8で132。ここに4cmずつ交互に縦板があったりなかったりするから、僕は132を8で割って16あまり4。そのあまりに最後の縦板が入るから17と計算しました。
同様に「い」も100-8で92。8で割って11あまり4。というわけで、12。
「あ」も「い」も2本ありますから、それぞれを2倍して足して58枚が答えでしょうか。
(2)は、レンガ。これもスペースを2つに分けて、図を書くと簡単かな。ちょっと雑ですが書いてみました。汚くてすみません。赤という字がゲシュタルト崩壊起こしそうや。
数えると、赤が18で白が17。1つの赤白にレンガ2つずつ使っているので、赤が36、白が34が答えですね。
問3 水溶液の推理
こういうの好き。
(1)は、合っているものをすべて選ぶ問題。一つずつ見ていきましょう。
①は、今ある情報だけじゃわからないのでバツ。②リトマス紙が青になったのは1つだから正解。③は固体が溶けているもの3つあるので確証には至らずバツ。④は特定できないからバツ。⑤こちらは固体が溶けているものが3つだからどちらかは入るので正解。よって、②と⑤。
(2)は、実験と照らし合わせて考えていく問題。
アから参りましょう。これはいろいろ入れてみて試行錯誤が大切だと思うけど、一応僕の思考回路を載せておきたいと思います。実験1と実験3は変化があったものが1つで、実験2は2つだから、実験2が②の青色リトマスと仮定。すると実験1で酸性が1つ減ってなきゃいけないので、実験1が③の鉄を入れるやつで、Cは塩酸ということがわかる。よって、実験3は①。
イは、上記の流れで、Aはずっと変化がなかった子だから、食塩水になりますね。ちなみに、Bは酸性で固体が残るミョウバン水、Cは塩酸、Dは石灰水、Eは炭酸水かな。
問4 ストローの城
思わずカリオストロの城を思い浮かべてしまいました。今回の2つの適性検査の中で僕にとって一番の難問でした。最初、減る本数を調べようと思って思考を始めちゃったんですよね。めっちゃ時間かかった。
(1)は余裕です。上のほうに番号が書かれた表がありますから、☆のところを塗りつぶしていきましょう。1番目、5番目、9番目みたいな感じで。ちょっと汚いですが、解いたときに使ったやつを載せるとこんな感じ。
これを数えるだけです。ただし、注意点が一つ。2段目の青く塗ったところは下が透けて見えるので、本来は隠れている9や17もちょうど見えるんですね。ですから、隠れるのは13だけで、8個が正解になります。ヒントが横からなのがいやらしい。
さぁ、ついに最後の問題です!
(2)は、とっても時間がかかりました。他のやり方があるかもしれませんが、とりあえず一例を。
かなこさんの場合に使うストローを一段ずつ数えていきます。この図で意味がわかるでしょうか。
この一番下の線から平面で考えて数えていくってことね。まるでマッチ棒のように。
なんだか血塗られたタイルみたいになっていますが、このオレンジ丸をつけた平面ゾーンを数えていって60本。縦の赤いのが36本。で、また上の青丸平面ゾーンで60本。こんな感じで数えていきます。図は落ち着いたら書き直そうかな…。まぁ、焦りながら考えていたのがよく分かりますよね。
2段目と3段めも同様に考えていって、合計204本。
たろうさん案のストロー本数が420本ですから、かなこさん案のストロー本数204本を引いた、216本が答えとなります。いやはや、最初から減った本数を求めにいったのが迷宮入りの伏線でした。
これにて問題解説は終了です。間違いや解説のおかしいところがあれば、至急お知らせください。
前回の繰り返しになりますが、これを小学生たちが45分で解くわけですからね。ハードではありますが、これに向けて練習していればだいぶ力がつきますよね。
前回の「適性検査1」を解いた際には「これを解くにはどんな力が必要か」や「そのために低学年のうちからコツコツやること」をお伝えしましたが、今回は未来のお話をしましょう。
合格した場合。公立中高一貫校の進みは早いです。初めは一緒ぐらいだった実力も、だんだんと二極化していき、中3段階で外へ出ていく子たちもいます。そして、中高一貫ですから、受験がない私立生たちにもやってくる「中だるみの時期(中3〜高1辺り)」が厄介です。早め早めのうちに目標を立てて、実力やリーダーシップを磨く6年間にしましょう。
不合格だった場合。残念な結果に落ち込むでしょう。ただ、あなたがこれまで積み上げてきた学力が急に0になるわけではありません。それを持ったまま、受験という貴重な体験をしていない多くの子たちとの中学校生活が始まります。それは、勉強無双のチャンスです。気を抜かず、コツコツと実力を伸ばしていきましょう。今までに身につけた思考力や勉強の体力は宝物です。
どちらにせよ、まだまだあなた達の人生は続いていきます。未来は可能性に満ちていて、あなた達はまだまだどこへでも行けて、何にでもなれます。
どうか、あなたらしい素敵な人生を楽しんで。
手に入れた「学力」という武器が、きっとまだまだ世界を広げてくれますよ。
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ここは終わりのようでいて、新しい始まり。