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こみっくりりーふ!

【メイキング】カラー漫画ができるまで【メディバンペイント】

2020.02.28 15:00

こんにちは!『こみっくりりーふ!』管理人です。

本日は月一更新の「おかしなまほうつかい」をおやすみする代わりに、

いつもワタシがどうやってカラー漫画を完成させているのか!簡単なメイキング記事を更新してみます。


私がやっている漫画の工程を簡単に箇条書きにすると

1.ネーム(兼ラフ)
2.コマ割り&セリフ打ち込み
3.ペン入れ
4.色塗り
5.仕上げ

この5工程です。


作業に使っているのは

MediBang Paint(メディバンペイント) win64bit版…無料イラストソフト。
・ペンタブ…5~6年使用してる、一万円未満のやつ。
・デスクトップのPC…4年程使ってるFUJITSU製品(verはWindows10)。

といったところ。

作業用BGMを聞くiPadとか、つまむようの美味しいお菓子とかもありますが、作画に直接関係ないので省きますね。



で、今回見本に使うのはコチラ。


当サイトにて更新中の漫画「おかしなまほうつかい」のおはなし18(2ページ目)です。

途中、説明のためにおはなし18以外の絵も出てきます。


それじゃ順番にやり方を説明していきますね!





1.ネーム


とりあえず思うままに頭の中にあるイメージを描きなぐります。

おかしなまほうつかいは一話ごと平均8Pくらいを目指しているので、↑みたいな画像を8枚ほど作ります。


字なんてワタシが読めればいいのです。登場人物だってワタシがわかれば良いのです!!

大体の流れやセリフ・映り込むキャラ等ガリガリ描きはしますが、この時点で確定するのはコマ割りだけですね。へにゃへにゃの枠がソレです。…全部へにゃへにゃだな。

ちなみに画像サイズはA5の基準にしてます。

メディバンペイントで

「ファイル」「新規作成」「マンガ」の順に開いて、

「マンガ」タブ内の〈テンプレート〉から〔同人誌(A5仕上がり):350dpi〕を選ぶと自動で漫画用に青い線が引かれた原稿が出てきます。

▲〔同人誌(A5仕上がり):350dpi〕で開かれた新規原稿


これがその生まれたてほやほやの真っ白な原稿。漫画描きにとってはもっとも恐ろしい存在です。

ついでに各線が持つ意味・役割を簡単に描いときました。な、なんて親切なんだ!

(と、管理人は思っているけど実際見づらくて雑なので、本当に知りたい人はちゃんと解説してるサイトを探してね!参考までにそれっぽいサイトさんをはっておくよ!)

WEBで漫画描くだけならわりかし好きにやって良いのですが、印刷所に入稿して本にしたい時などはこういうルールに従う必要が出てきます。実際従って描いた方が読みやすいと思いますし、覚えといて損はないでしょうね!


2.コマ割り&セリフ打ち込み

▲コマ割りと吹き出しの描きこみが終わった原稿


ネームの後はすぐにコマ割りです。

どう演出したいのか、一つのコマにどのくらい情報を入れるのか…コマ枠はそういうメタ的な部分を決めるチカラを持っています。

「おかしなまほうつかい」はとにかく見やすくしたいので、”基本的に1ページ最大5コマまで”というルールを設けました。とはいえ、今見本に使ってる原稿もそうですが、6コマ以上の方が良い時はそうします。

圧迫感とか固まってる感じが出ないように…頑張っているつもりです。でもこれ超感覚的な問題なので難しい…。

▲コマ割りのやり方(@独特)

メディバンペイントにはちゃんとコマ割りツールがあるのですが、実は知らずにずっと描いていて…独特な割り方をしております。

コマ割りツールが使えるならそっちを使った方が良いです、絶対に!!多分そっちのが早いんじゃないかな?


一時期はネームの後にちゃんと丁寧に下書きしていたこともあったのですが、絵柄の問題なのか、下書きしてもしなくても完成後のクオリティに差がほとんど出ないのでやめてしまいました。時間ばっかりかかってすごい疲れちゃうし。

ただし慣れないキャラや背景を描く時など、自信のない所だけは下書きをします。作画崩壊しますからね!!

漫画あんまり描いたことないとか慣れてないとか、そういう人はマジ面倒でも下書きした方がいいです。やらないで描くと大変なことになります。


▲セリフ打ち込みが終わった原稿

吹き出しに収まるようにセリフを打ち込みます。

枠の中には、別レイヤで白(おかしなまほうつかいの場合は少し黄色)を入れて、下のレイヤの絵が透けないようにしています。



見やすくするコツとしては、セリフ枠の中心に文字が来るようにすることですかね。

以前は全然やってなかったんですが、最近は行間隔を2pt離して文字も大きめにしました。意外とそれだけでも見やすいという。特にスマホから読むときに有効でした。

まあ、読む媒体によってもコツは多分違ってきますので…あくまで参考にね。


あとはそうですね!

長いセリフは改行ォ!吹き出しを分けるゥ!難しい漢字は平仮名・カタカナに変換ゥ!もしくは読み仮名を振るゥ!強調したいときは大文字フォントを変える枠線をつけて目立たせていくゥ~!etc

…とか、まあ、いろいろありすぎるので!!!!自分でやってみてだんだん覚えていくのが一番良い気がしています。ワタクシも勉強中でございます…。


どちらにせよセリフについては仕上げの時に色変えたり、フォント変えたりするので、この時点では黒で打ち込むだけですね。

「おかしなまほうつかい」で通常のセリフに使うフォントは〔FOT-スーラ Pro〕です。



3.ペン入れ


▲ペン入れが終わった原稿


セリフ終わったらペン入れ…ここまでの作業、早ければ3~4日くらいで終わるんですが、ネームに詰まったりゲームで遊びたい気持ちに負けたりすると1週間くらいかかります。何にせよ週間連載してる作家さんたちが化け物サマであるという事はわかると思います。


ペン入れに関してはあんまり言うことないかな…ネームのぐちゃぐちゃの線をみて、それを描き起こしていく作業としか…。

個人的にはペン入れ作業が一番好きかも。あまりにもどうでもいいなそれは。



基本、使ってるペンは「Gペン(15px)」です。

場合によって作画途中に太さ変えたりすることもあります。


「おかしなまほうつかい」初期は20pxで描いてました。途中で10pxまで縮んだりして、結果的に15pxに落ち着きました。太い方がごまかせるので好みです。



4.色塗り

▲色塗りを段階踏んで終わらせるの図


簡単に色塗りとは言いますが、厳密に言うと何行程かありますね。

・下地(俗にいうマスク)
・ベース塗り
・線画の色を変える
・背景の描きこみ
・効果音など

大体こんなもんだと思います。


クリスタとか使っている人がよく「マスクをして線画の外に色をはみ出させないようにする」といってるのを見かけるんですが、私のやってる下地にはおんなじ効果がありまして。

下地にしてるレイヤーに、ベース塗りのレイヤーをクリッピングすることで、バケツ塗りしても線画の外にはみ出すことなく色塗りが進められます。


線画の色を変える時も同じ要領ですね~、もとになる線画レイヤーに別レイヤーをクリッピングして、そこに変えたい色をのせると線画部分だけ色が変わります。

この辺はイラストソフト触ったことある人にしかワカンナイ話ですね、おそらく。

一応、色塗りが終わった時の大きい画像も貼りますね。段階踏んでるの図はかなり小さめ画像なので。


ワタシは影やハイライトについては大事なシーンにしか入れないです。全部にやってたら毎月の更新、絶対に間に合わない。自信がある。

▲「おかしなまほうつかい」おはなし5 2ページ目


普通のシーンについては↑の感じで

▲「おかしなまほうつかい」おはなし3 3ページ目


大事なシーンはこんな感じ。

頬にエアブラシ入れたり、絵全体にガウスぼかし入れたりすることもあります。こういうのやってると普通のイラスト描いてるみたいでちょっと楽しい。でも時間はめっちゃかかります!!!!!

モノクロだとこの工程がないから良いなあ、なんてたまに思うんですが…結局モノクロでもトーン重ねたりするから言うほどかわんないんですよね。ひーん、逃げ場がないよぉ。



▲「おかしなまほうつかい」おはなし19(7ページ目)

背景もここいらで本書きに入ります。見本に背景入ってるコマがないので別話から段階踏んだ画像持ってきました。


下書きしてペン入れて色入れてを、人物の色塗りが終わったらやっと取り掛かるんですけど。

も~~~~~~~~~~ワタシはこれが苦手です!!

ほかのコマは下手したら数十分で終わるようなところを、背景が入ると半日~数日かかったり!!!!!!します!!!!!!!!!

願わくば描きたくない!!でも理想に近づけるために描きたい!!!うおお~~~~!!!!…って葛藤してるうちに終わります。




5.仕上げ


▲完成原稿


最後に全体のまとめ上げです。

主にやってることといえば、

・セリフの編集(フォントや文字色の変更等)
・誤字確認(音読で間違いがないか確認)
・コマ枠と枠外の色変更(サイトの仕様に合わせるため)
・効果音の追加(必要なら)
・アップロード用に解像度を変更

こんなところ。


特に「おかしなまほうつかい」においては登場キャラによってセリフの文字色が違うので、そこを間違えてしまうと混乱を招くことになります。…実際、何回か間違えてた気がするけどネ…エヘヘ。

あと、誤字の発見に音読はかなり有効かと!

特にちゃんと演技しながら読むと、誤字がある時に「んっ??」って詰まるのでオススメ。自分で考えたセリフを自分で読むのは恥ずかしいですけどね。人がいない時にやりましょう。



▲こみっくりりーふ!にあげている原稿サイズ


▲マンガボックス等、外部漫画サイトに投稿する時の解像度


解像度はもう、ワタシならでは…なのですが。いちおう画像貼っておきます。

こみりりに載せるときは<1086×1523(px):png(保存形式)>に解像度を下げてます。コレは別に意味のない数字で、マンガボックスさんとかマンガハックさんに投稿するときは<800×1122(px):jpg>まで下げています。


「1086」なんて微妙な数字にする必要は全くないのに、何故かこみりり始めてからどの漫画も4年間ずっとこのサイズです。

「こみりりで見るとちょっとだけ解像度高いよ!」って思いながら保存してます。誰も、私も違いはわからないことでしょう。


別サイトに投稿する時の800っていうサイズも、サイトみてオススメサイズだったのでそれにしただけです。でもこれA5サイズの原稿向けじゃないと思います。なんか、アスペクト比おかしい感じで投稿されてる気がする。(でもちゃんとサイズを調べるのがめんどくさい奴)


ファイルはいつも編集用・元サイズの原稿・縮小サイズの原稿と、さまざまな形式で保存してあります。どのファイルものちのち様々な野暮用で必要になってきますからね!





▲更新された画面(PC版)

そんなこんなで、毎月最終土曜日の更新日までにこの作業を終わらせて、記事の更新をしてしまえば作業終了です!

またネーム作業に戻って最初からやり直しということになります。俺達の戦いはこれからだぜ!


かなり簡単に工程を紹介してみましたが…なんか参考になっていれば幸いです。

ちゃんとやってるところもあれば適当な部分もあったりするんだなってわかると思うので、

どうみても適当にやってる部分についてはマネしないでくださいね!



「おかしなまほうつかい」最新話に関しては、追ってお知らせ致します~。

もう後半に差し掛かっているのでネームをちゃんとやりたいなあというのが大きな理由で今回はオヤスミしました。3月末は更新出来たらいいんですけどッ…ネームの進み具合によって調整したいと思います~!


更新しない場合もなにかしら記事は更新します。

どうぞよろしくお願いいたします!


質問など、何か管理人に語り掛けたいことがある方は下記コメントや問い合わせふぉーむ(下記リンクからどうぞ)などをご利用くださいませ~。

それじゃ、ありがとうございました!