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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

黒王妃の戦争2-新教ユグノー戦争勃発

2020.02.11 02:03

アンリ2世の突然の崩御で後継したのが15歳のフランソワ2世である。王はディアーヌ・ド・ポアティエに公然と浮気して、長く子供ができなかった。カトリーヌはイスラム渡来の薬から祈祷から魔法に至るまで努力をした。何とディアーヌも王妃の所に行くように行って、ようやくできた王太子はひ弱だった。

そして実はフランスには問題が結構あった。まず長年のイタリア戦争のツケが貯まって金がない。インフレは国民を困らせ、王家への不満は、新教という形で噴出していた。ジュネーブを本拠とするカルヴァン派は、フランスに100人以上の宣教師を商人に変装させて送りこんでいた。

この状況で、権力を握ったのは新王妃メアリの叔父ギーズ公一族だった。そしてスコットランドに出自を持つ熱心なカトリックときた。そして新教=ユグノー派が恐れて、1560年新王を幽閉しようという行動に出たのだ。しかしこのアンボアーズ事件は露見して、ギーズ公によって徹底的に弾圧された。

フランスの混乱で得をしたのは英国のエリザベスだった。同年7月、エディンバラ条約が英仏間で調印され、メアリは英国王の名を取り下げ、メアリが仏王妃の期間中は、スコットランド国務会議に統治を委任することが決められた。しかしこの条約によってスコットランドに英国教会が進出する。

下はアンボアーズ事件の処刑