GSジェネシス。
二十四気でいう所の大寒も過ぎて立春に向かおうという建国記念日の本日。
「チョッと遅いわ!」と叱られるのは承知の上、というかワタクシ本人もそう思いますが出来たのが今日なのだから仕方ない。
そんな弊店オリジナル防寒サイクリングキャップ、ついに製品化完了です。
一言で言えば「耳あて付きサイクリングキャップ」で御座います。
似た様なモノといえば普通のサイクリングキャップをベースに、ストレッチ素材の耳あてをつけた、
「ベルギースタイルキャップ」というのが割とメジャーなのではないかと思いますが、
そんなベタな存在であるベルギースタイルキャップには前々から疑問を抱いておりました。
と申しますのもベルギースタイルって耳の上部分は覆うけれど、どうしても耳たぶが露出してしまうんですよ。
「それはオマエの頭がデカいからだ」と言われりゃそれまでなれど、個人的にはアレが防寒の良回答とはどうしても思えませんで、
かと言って顎紐で括り付ける汎用防寒帽ってのも、それはそれでチョッと欲しいモノとは違うし。
そんな事を何年も前から悶々と考えている中で「じゃぁどうすればベストなのか?」という妄想を繰り広げ、
結果生まれた「こうすれば良いはずだ!」という俺ロジックを盛り込んだのが本品。
仕上がったモノを被ると御覧の通り、アゴヒモ無しでも頬にピタリと沿い耳たぶをバッチリガード。
何故こんな事が可能かと言うと、後頭部を左右2ピース化すると共にベルト止めとする事で、
耳あて下部に常時テンションを掛けられる構造と、耳あて部の立体構造によるハーモニーなので御座います。
また延髄部分は大胆に削いでおりますので乗車・前傾時に首を上げても帽子が押されて浮き上がる事無く、
何なら逆に耳あて部分を引きつけるテンションが発生するので「耳たぶ冷た過ぎて千切れる!」てな嘆きと完全決別。
ついでに言えば開いた後頭部がベンチレーションとして機能する為、内部を常時少しづつ風が流れて蒸れを抑えてくれますし、
サイクリングキャップと相性の悪いロン毛の人は、髪の毛を括ってポニーテールで出してしまう事も可能。
あと、此方の画像を御覧下さい。
暖かく雪を弾くウールメルトン素材の表地ですが、画像中央部に微妙〜にボタンホールがあるのが分かりますか?
コレを見て「あ」と意味が分かった方は俺ロジック共有者。
そう、コレはボタンを留める為の穴ではなく「メガネのツルを通す穴」です。
この手のキャップとメガネというのは基本的に相性が悪い。
というのもメガネのツルで耳あてが浮き、そこから冷たい風が入ってしまうから。
しかしこの様にメガネのツルホールを設けてやると、ツルが耳あてを抑え込む形になり逆に防寒能力向上。
因みに穴自体は10mmですが、穴かがり(=ボタンホールの周りの縫い縫いポイント)は25mmにしてありますので、
メガネの形状や顔の形状、被り方などによりツル位置が合わない方は穴を拡大する事で調整可能だったりもします。
と、この様に既存のサイクリングキャップや防寒キャップと全く違うアプローチで攻めた本品。
日本衣料古来からある「巻く」という構造を用いている為、サイズは常識的な頭の方からデカマーまで自然にフィット。
制作は勿論、異能の縫い手「831」氏によるモノ。
空井戸x831 Jagon-メルトンGS ¥×,×00(税別) → 完売御礼
GSとは「Grape−Skin」の略で、831氏が「剥いたブドウの皮みたいな構造」という事で命名したモノ。
50年後、100年後に「グレープスキン」という名前が服飾業界で通用するようになって欲しいぜと思いつつも、
こんなに効率が悪い(=残反が多く出る)パターンを業界が認める訳もありませんので、ヘリコプリオン的存在となる事確定。