翻訳者には最低300 spmのタイプスピードが必要
当社に入社する人にはまず、英文タイプスピード300 spm以上になることを求めています。
spm (Stroke Per Minute) は一分間にキーボードを叩く回数(スピード)です。
英語の場合一つの単語の文字数の平均は5文字ですから、単語数にしたら60単語になります。この場合の単位は60 wpm (word per minute)になります。
この300 spm、および60 wpmはその昔、機械式タイプライターの時代にプロのタイピストとして認められていた最低の水準です。
2012年に制作された「タイピスト」というフランス映画があります。
時代背景は1950年代後半で、田舎育ちの若い女性がタイプ早打ちコンテストで世界一を目指す物語です。当時のフランスの洒落たファッションも見ものです。
この映画の中で主人公はフランス田舎町でのコンテストの予選を受けますが、この時予選を通過できる最低スピードが60 wpmでした。
つまり当時の女性の花型職業であったタイピストがプロとして認められるための最低タイプスピードが60 wpm(換算すれば300 spm)程度でした。
当社の場合、新人には入社前、または入社後速やかに、英文タイプスピードをブラインドタッチで300 spm以上になることを要求します。若い人の場合、頑張って練習して400 spm以上になる人もいます。
まだ仕事に慣れない新人の翻訳者(または編集者)の場合、タイプスピードと仕事のスピード(生産性)はあまり比例しませんが、数年たって仕事に慣れてからは確実に仕事の生産性はタイプスピードに比例します。
翻訳者に限らずパソコンを使って仕事をすることが多い人には、タイプスピードはとても大切です。ネットで無料タイプ練習ソフトを手に入れることができますので、ぜひともこの300 spm に挑戦することをお勧めします。