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「A SPACE STORY」Karla Kuskin Mark Simont

2020.02.13 08:42

皆さんは絵本を読むのはいつでしょうか。

朝起きてすぐに絵本を読みたがるお子さんも多いと思いますけれど、ゆっくり読むならやはり夜でしょうか。

子どもとではなくて、ひとりで手に取るときにも、絵本は持ち運ぶには大きいからやはり夜に一息ついたところで手に取ることが多いと思います。

眠る前に聞くお話は夢に続いていて、だから絵本の中の夜空は夢に向かう大きな窓であり、そのきらめく星々は夢へと誘う明かりです。

カーラ・カスキン作/マーク・シーモント絵「A SPACE STORY」は、そんな夢へと続くような一冊です。

カスキンはお話も絵も描く作家ですけれど(そしてそのどれもが素晴らしい)、本作ではお話のみを担当していますね。

シーモントとは本書の他にも幾つか一緒に絵本を制作しています。

この絵本の主人公のサムは眠る前にいつも、ベッドへ入ると母親を質問攻めにします。

世界一周歩いたらどのくらいかかるの?

雨の色は何色?

そしてその日のサムは、カーテンが開いた窓の夜空を見上げて言いました。

空には幾つの星があるの?

あの星に人は住んでいるの?

母親は優しく答えます。

けれど、サムがまだ質問を続けようとすると、おやすみ、とだけ言って部屋のドアを静かに閉めて行ってしまいました。

サムの部屋の外には夜が広がっています。

花を見るにはもう暗すぎる。鳥が木から暗闇の中へ飛び立ちます。遠くで飛行機がライトを点滅させて通り過ぎます。

空には明るい月。無数の星。

ここから語り手は、サムを宇宙へと連れて行きます。

地球から離れて、太陽へ。その光り、熱さ、地球との距離のこと。そこから太陽系の他の星へ。水星、金星、火星、木星、土星、そして遠く離れて冥王星。

それぞれの星のことを語り、教えてくれます。

やがてその旅は終わり、また地球へと戻ってきます。

まだ夜です。そこはまた地球の別の場所。

サムの住む場所の夜空は満月でしたが、ここでは欠けています。

一軒の家の中で子どもがベッドに入り、母親と話しています。

窓から覗く夜空を眺めて、空には幾つ星があるの?と聞いているのです。

母親は優しく答えます。

けれどまだ質問を続けようとする子どもに、母親はおやすみ、とだけ言って、部屋のドアを静かに閉めて行ってしまいました。

その子どもの部屋の窓からも夜空が覗いています。

眠る前に読むにはぴったりの素敵な絵本です。

ぜひオンラインストアの方でもご覧ください。


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