プロ翻訳者育成方法
一流のプロとして翻訳業界で活躍するには翻訳能力のみでなく多くの知識とスキルを身に付ける必要があります。
当社では以下の方法とステップでプロとして通用する社内翻訳者を養成しています。
1. 高い語学力と専門知識を習得する
語学力は基本的に独力で習得すべきものです。会社が指導するものではありません。独自の努力と工夫で語学力を高めるべきです。一番効率的な方法は大量の読書です。
また翻訳しようとする分野の専門知識が必要です。自分で経験した分野だと有利ですが、そうでない場合は読書などを通じて知識を身に付ける必要があります。
2. 技術翻訳の基本とテクニカルライティングのテクニックを習得する
技術翻訳をするには語学力と専門知識だけでなく技術翻訳に求められる文体、表現方法、表記法、その他翻訳の一般的ルールを知り、実践しなくてはなりません。
これらの知識は市販の書籍ではあまり紹介されていないので専門の教育機関またはOJTで勉強する必要があります。対象となる業界で普通に使われている表現方法にも慣れる必要があります。
3. 比較的易しい翻訳を数多くこなし、実務の翻訳に慣れるとともに翻訳の精度とスピードを上げる
当社の場合、翻訳者として入社後数年は比較的定型的で過去の類似翻訳が存在する翻訳業務を多くこなし、先輩の翻訳を参考にしながら練習を積みます。
こうして実務に必要な翻訳テクニックを習得し、同時にスピードアップ(生産性の向上)を図ります。
また翻訳後に不可欠な編集作業のテクニックを習得し、高度のPC操作テクニックを身に付けます。
4. 先輩翻訳者の訳文をチェックして目標にすべき品質基準を知り、それを達成する方法と能力を身に付ける
基本的な翻訳技術が身についたら次に自分より能力の高い翻訳者の訳文にふれ、自分の翻訳能力とテクニックを高めます。
自分がチェックした翻訳は更に高い能力を持つベテラン翻訳者(チェッカー)がチェックするのでフィードバックを通じてクライアントが求める品質レベルを知り、それを達成する方法と能力を習得します。
5. 大きい翻訳プロジェクトのリーダーを務め、スケジュール管理、品質管理などの能力を付ける
大きな翻訳案件になると複数の翻訳者が共同作業を行い、効率的にかつ統一の取れた品質管理をする必要があります。他の翻訳者とのコミュニケーション能力を身につけ、リーダーとして大きな仕事をまとめ上げる力を習得します。
6. クライアントとの折衝、見積もり、納期の設定、翻訳者の選定などの仕事を通じ、翻訳のプロに必要な能力を高める
フリーランスであってもプロとして翻訳業界で活躍しようと思えば営業力、金銭感覚(見積もりの能力)、スケジュール計画と管理の能力が必要です。ここまで出来るようになれば翻訳会社内でもフリーランスとしても一流の仕事ができるようになるでしょう。