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花粉による経済損失は約三千億円、ロボット掃除機「Whiz」で八割が仕事効率上がると回答

2020.02.15 06:31

【ビジネス報道】 令和二年二月三日に東京・渋谷にてソフトバンク ロボティクス(代取:冨澤文秀、写真最下)は、『Whiz新キャンペーン発表会』を開催した。AI清掃ロボット「Whiz」のイメージ  キャラクタに新器用されたのは女優・広瀬すず(戊寅)。「広瀬ウィズ」として新CMも発表した。今後は宣伝部長としてWhizを広めていく。


発表会では「東京アレルギー・呼吸器疾患研究所」の白井秀治 研究員と「日本医科大」医学部 耳鼻咽喉科学の松根彰志 教授からオフィスの隠れダストに関する調査と医学的考察を発表した。Whizとはソフトバンク ロボティクスが提供するロボット掃除機。人材不足の清掃業界の一翼を担うべく開発した。主にカーペットや床等の清掃を目的とする自律走行が可能な乾式バキューム クリーナのロボット掃除機。



Whizとは

 最初に同機を手押し、清掃エリアの地図データを作成・ 記憶する。後にスタート ボタンを押すと記憶した地図データを基に清掃ルートを自律走行。清掃時の品質を一定に保てる。また清掃ルート上に人や障害物が急遽、出現しても同機に搭載された複数のセンサが検知し、障害物を回避しながら走行できる。


報道現在で導入は二千台を突破。増える受注に対して急ぎ生産を行っている。商業施設等で使用されている。今後は生産ラインも増やし、受注に備える。



 同社はオフィス環境が働く人に与える影響を明らかにするべく、オフィスで働く全国の男女五百十六人を対象に「オフィスの“隠れダスト”に関する意識調査」を実施。白井研究員の監修の下で都内六ヶ所のオフィスを対象に隠れダストを分析する実態調査を行った。隠れダストとはチリや花粉、カビ、 細菌等の床に存在し、空気中に舞い上がり易いが肉眼では見え難くく、人の手では取り残してしまうゴミの総称だ。


調査の結果、花粉症患者の約七割が「オフィスでも花粉症の症状を実感」している。対策する事で約八割のオフィス ワーカーが仕事への集中度や効率を上げられると回答した。オフィスの隠れダストからはカビやダニ、花粉等が検出されている。人の掃除は清掃ムラが多く、約六割しか清掃していない結果であると白井研究員は述べた。


日本医科大・松根教授は、花粉による医療費や労働効率の低下により、経済損失は約二千八百六十億円(平成十二年、科学技術庁)というデータに基づいて隠れダストへの対策が仕事の効率を上げる可能性があると指摘。当時よりも患者の増加を考慮すると、三千億円を超えている可能性もあると言う。



ダストは歩くだけで舞い上がる

 隠れダストを模した目視で確認できない蛍光粉体をカーペット上に微量散布し、人清掃とWhizでの清掃時を比較する実験を行った。実験結果では人の場合、目視できるごみに集中しがちで清掃ムラが発生。ダストの取り残しがあった。清掃前との比較で人の場合は約六割しか清掃できなかった。一方のWhizは、記憶した清掃ルートを隈なく清掃でき、全ての場所で一定の清掃効果が確認できた。

Whizは、人では取り残しやすい床の隠れダストにムラなく対応できる結果となった。


更に、清掃時の「空中浮遊粉塵の粒子数」も測定。人の清掃では清掃開始の直後から粒子濃度が上昇したのに対して、Whizは粒子濃度の大幅な上昇は無かった。そして、ピーク時の粒子濃度の比較し、人の清掃行為はWhizの約八倍と大きな差が出てしまった。人の歩行で舞い上がるダストへの対策も必要だ。


Whizは床清掃に特化した製品。床に付着したダストに対して有効だ。現在、問題となっているウィルスへの効果について同社に聴いた。どの程度、床に付着しているかのデータが現状で無い為、同機が如何程の効果を発揮するかは未知数の模様。今後、床に付着するウィルス量のデータがあれば実験できるとの事。同機と空気清浄機と併用で安全度が上がるだろう。


撮影記事:岡本早百合