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「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

神奈川県公立高校入試問題分析と解説2020(令和2年度) 幻影の数学編

2020.02.16 03:00


2020年度の入試問題分析シリーズ第二弾は数学です。


一弾目の社会はこちらをご覧ください。


第三弾は英語。第四弾は理科


ちなみに問題はこちら。


それでは、早速みていきましょう。今回も解説付きです。



全体の傾向



社会と同様、大きな形式の変更はありましたが、問題自体は、


易化


かと。良きせぬ事は起こると言われ続けてきた神奈川受験生にとっては形式の変更は想定内?だけど、いざ本番になるとビビるよね。みんなよく頑張りました。


易化の詳しい理由はこちらの記事をご確認ください。


ただ、簡単になったと言っても、「余裕だぜ!」という感じではありません。制限時間内で満点取るのはやっぱり至難の技でしょう。だって、昨年の正答率を見てお分かりの通り、10%を切るような問題がこれだけあるんですよ。さらに、5%を切るような問題も。今年も彼ら難問ビッグ4は健在でした。




生徒達の声



「惑わされたけど、落ち着いて解けた」


「どれだけ円好きなんだよって思った」


「取れるところはちゃんと取れた」


「問3増えすぎ」



配点



問1 (ア)3点 (イ)3点 (ウ)3点 (エ)3点 (オ)3点 計15点

問2 (ア)4点 (イ)4点 (ウ)4点 (エ)4点 (オ)4点 (カ)4点 計24点 

問3 (ア)(i)(a)2点 (ア)(i)(b)2点 (ア)(ii)3点 (イ)(i)3点 (イ)(ii)3点 (ウ)5点 (エ)5点 計23点

問4 (ア)4点 (イ)5点 (ウ)5点 計14点

問5 (ア)5点 (イ)5点 計10点 

問6 (ア)4点 (イ)5点 (ウ)5点 計14点


大問的には、問2の配点が一番大きいんですね。「基本を大事にね!」という声が聞こえてきそうです。問1と問2をしっかり取れれば39点。


さぁ、それでは昨年同様、今年の数学の問題を解説付きでお楽しみください。こちらは昨年のもの。




問1 計算



ここは絶対に落としてはならぬところ。目標別にもよりますが、しっかりと時間を使って見直ししましょう。数学が苦手な子向けの以下の記事でも「どこに時間を使うべきか」書いてあります。


念のため、計算方法を載せておきましょう。


(オ)はカッコの中をAなどにおいてA²-5A+4としてから計算してもいいですね。




問2 小問集合



問2は小問集合。ここも落としたくない問題が並びます。地味に方程式の配点が大きくなりました。


(ア)は二段階連立。


(イ)は解の公式で、(ウ)は変化の割合。ここでは公式を使っていますが、慌てず落ち着いて代入しながら解いてもいいでしょう。変化の割合と傾きが同じ一次関数と違って、二次関数の変化の割合は計算しないと求められないんですよね。Yの増加量/Xの増加量が変化の割合でしたね。


(エ)は、x+600:x=5:2から方程式を作って解いてもいいですし、下のように図を書いて求めてもいいでしょう。(オ)は素因数分解活用。Mrサークルさんは愛着のある5から始めたみたいですが、もちろん2から分解スタートokです。選択肢が4つだけなので全部試すという力技もありですがオススメはしません。


続いては、円周角。選択肢があるからちょっと楽?解き方の一例を見てみましょう。


補助線の引き方がポイント。半径を使って考える頭が大切ですね。角BOCが54°の中心角というのを使ってもいけますね。




問3 大問集合



(ア)思わず「場所間違ってるよ」と言ってしまいそうになる位置に、これまで最深部に鎮座していた平面図形の大問さんがやってきました。ここで会うのは初めてですね。


こういった問題は情報の整理が大切です。証明の言われた通りにしながら、焦らずわかることを目に見える形にしていきましょう。それができれば続く(ii)も難易度はそこまで高くありません。


(イ)は資料の活用問題。ヒストグラムや中央値、平均値などの用語の理解と情報整理の力が重要ですね。落ち着いて読んでいけばいいのですが、入試中に落ち着くって難しいんだよね。



下の3つの情報だけで割とすぐ見つけられる11月から見つけると落ち着くかな。


(ウ)は、難問ビッグ4の一角、鬼の平面図形。比合わせ(連比)の技術が使えれば、着目すべき流れは見つけやすかったかもしれません。


連比も通分的な要素はいらないそのままでいいやつですし、「高さが一緒な三角形の面積の比は底辺の比と一緒になる」のはもう神奈川県のトップ校を目指す受験生なら余裕で知っている知識のはず。あとはそれを上手に使いこなせるか。ここは似た問題の演習が必須でしょう。見た瞬間に「うわ」ではなくて、「よっしゃ。こういう問題待ってたぜ」ぐらいの感じで臨めるといいですよね。


(エ)は神奈川県では珍しい反比例の問題。他の都道府県だと結構有名みたいですね。歯の数が増えると回転数が減ることを掴んで、反比例とわかると話は早いですね。


大問クラスのボス問題が集まった印象の、いわば大問集合これにて終了です。



問4 関数



なんだかいると安心する関数くん。今年もよろしくお願いします。


まずは下準備と(ア)(イ)から。Eの点の割り出しがちょっと厄介だったかな。


そして難問ビッグ4の関数(ウ)。こちら、共通の三角形を使って解く手法です。一つずつ慌てずいこう。計算は去年よりは楽かな。




問5 確率



こちらも常連組の確率さん。サイコロじゃなくなりましたが、やる事は変わりません。6枚と6枚になりますから6×6マスの表を書いて数えていきましょう。


(イ)の読み取りが難しかったですかね。一度条件が飲み込めてわかっちゃえばあとは数えるだけで楽なんですが、正答率は厳しい数値になるのではないでしょうか。



問6 空間図形



さぁ、ラストの空間図形。難問ビッグ4の大トリはやっぱり難問でした。まずは(ア)と(イ)から参りましょう。



表面積と体積の問題ですが、人によっては図形の形がイメージしにくい分、例年より少し求めづらいですかね。


そして、おそらく最難関だろう最終問題。最短距離ですから展開図を使って平面で考えましょう。前から見てぱかっと開けた図って言ったらわかりやすい?ちょっとヘルプ図。


開いてからは、以下の通り。


最後はちょっと計算が細かいですが、無事乗り越えられたでしょうか。



まとめ



昨年よりも若干各々の問題の難易度が下がった気がしますが、それでも時間との勝負になるのは間違いないでしょう。難問ビッグ4の正答率も少しは上がるかもしれませんが、10%は超えないでしょう。


高得点をとる準備としては、昔の数学対策のようなパターン演習だけでなく、様々な問題に触れながら、知識を活用する練習を重ねていく必要があります。それも素早くね。時間制限の中で、アウトプットの練習を重ねていきましょう。


数学が苦手な子は、上記で挙げた60点を取る方法をベースに、取れるところを取るという戦法がオススメです。


今回でいえば具体的には、


問1 15点

問2 (カ)以外で20点

問4 (ア)(イ)で9点

問5 (ア)で5点

問6 (ア)で4点


ですかね。これで53点。ヒストグラムが取れれば、59点。本番中のどこに時間をかけるか選択する練習も必要不可欠です。


答えは、あなたの心の中に。


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このシリーズ、不定期で更新していきます。