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「宇田川源流」 ブレグジット後に混乱に拍車がかかり始めたドイツの政局を正確に報道できない日本のマスコミの病巣

2020.02.17 22:00

「宇田川源流」 ブレグジット後に混乱に拍車がかかり始めたドイツの政局を正確に報道できない日本のマスコミの病巣

 2020年1月31日、歴史的瞬間としてブレグジットが行われた。

まあなんだか変な日本語であるが、正確に言えば「イギリスが、ヨーロッパ連合(EU)から離脱した」ということになる。この離脱事態を「ブレグジット」というようになっていることから、変な日本語になってしまうのである。

さて、以前よりこのブログでは、ブレグジットになった場合、基本的にイギリスよりもEUの方が混乱するということを主張してきており、なおかつ日本のマスコミなどにおてそのような論調がほとんどないことに関して、あまりにも不思議でなおかつ取材がしっかりと行われてないということを主張している。

まあ、日本の場合「マスコミの取材不足に基づく情報」と「そのマスコミの情報を鵜呑みにしてしまい、全く警戒心もなく投資や政治の判断を行う」という、マスコミを過剰に信用してしまう国民性があるので、なぜか全体がおかしな方向に行っていてもあまり気が付かないし、正しいことを考えているにもかかわらず、何か違和感を感じるような状況になっていること、日本独自の動き方をしているような状況がそのまま残されているということに、非常に違和感を感じているのである。

さて、その日本の情報空間はとにかく、そのような予想の通りに動いてきた。

まず、このように「連合体」と「連合体から抜けて孤立化する人」ということに関しては、だいたいの場合「寄らば大樹」というような感覚なってしまうために、抜ける方、つまりは「環境が変わる方」が混乱をすることになる。当然に環境が変わるということに関して不安を煽られるということになるのである。

一方、本来、抜けていかれてしまうほうに関しては、基本的には環境が変わらない。環境が変わるほどの「大物」であれば抜けないのが普通であるし、また抜けるまでにそれなりの対処をする。

しかし、その対処をしなかったということは、少なくとも本人は二つのことを想定していたと考えられる。一つは「口先だけで本当は抜けない」というもの、もう一つは「抜けても影響が限定的である」というものである。

さて、いずれにせよ、本来は大きい側はあまり関係がないという思考になるはずなのである。

メルケル氏後継が辞意=独与党、極右対応で混乱

 【ベルリン時事】ドイツ与党キリスト教民主同盟(CDU)のクランプカレンバウアー党首は10日、年末の新党首選出後に辞任する意向を表明した。同氏は2018年12月、党首を兼務していたメルケル首相から、党首職のみを引き継いだ。しかし旧東独を中心に勢力を伸ばす極右政党への対応で党が混乱する中、党勢回復には党首交代が必要と判断した。

 極右にかく乱される独政界の苦悩が、改めて浮き彫りになった形だ。

 同党首は次期首相候補としても最有力とされていたが、党内で抵抗もあり、正式決定はされていなかった。同党首はベルリンで記者会見し「首相と党首の分離は党を弱める」と指摘。今年末の党大会で1人の首相候補兼新党首を明確に決めた後に辞任すると述べた。

 同党首を推したメルケル氏も党内基盤が弱まるとみられる。21年の任期満了まで首相を務めた後に勇退というメルケル氏が描くシナリオにも、黄信号がともった。 【時事通信社】

2020年02月10日 23時32分 時事通信

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-558530/


 ブレグジット前後において、基本的にはイギリスの政局ばかりを気にしている。日本の報道は基本的に「政策」に注目することはほとんどない。なんといっても「政策」ではなく「政局」を報道することがマスコミの本文となってしまっている。

日本国内では、基本的には官僚が政治をやってるので、政局を報じてその政局で政権を転覆できればよいというような人ばかりであり、そのようなところでしか物事ができていないマスコミが行くので、基本的には、政局しか目に入らない。

さて、政局というのは本来は「力関係」と「背後関係」がしっかりわかっていなけえばできないが、残念ながら日本のマスコミはそのようなことができない時に、その背後関係において国際的な関係や外国の影響などが見えていないとできない場合が少なくないがそれも見えていない場合がある。

つまり「政局は報道できる」といいながらも日本国内の、それも永田町周辺の「登場人物の好き嫌い」と「スキャンダル」以外はできていない。まあ「昼のメロドラマの三角関係と同じレベルの政治スキャンダル報道」しかできないというのが今の日本の話でしかない。

その状況を見ていれば、EUのような、国際的な駆け引きがあり、またシェンゲン協定によって外国との駆け引きがありその外国人が国境を越えてくるというような状況を想定できない状況で、まともな報道ができるのかはかなり疑問でしかない。

本来は「ドイツ」や「フランス」の内容こそ報道しなければならないし、イギリスも「ブレグジット後EUの他の国からきたイギリス在住御人々がどうなったのか」というような取材がなければならないが、残念ながらそのような背景的取材は一切していない。その中で、いきなりドイツの「メルケルの後継者が辞任」と出るから「背後関係がわからない辞任報道」となってしまい何もわからなくなってしまう。

 逆に、背後関係をしっかりと調べれば、当然に、その内容が今まで報じてた「イギリスがEUから抜けて崩壊する」というのではなく「ドイツやフランスの方が崩壊が早い」という結果になり、今まで報道をしていた内容の全否定となってしまう。

これこそ現在の内容なのである。

同党首は次期首相候補としても最有力とされていたが、党内で抵抗もあり、正式決定はされていなかった。同党首はベルリンで記者会見し「首相と党首の分離は党を弱める」と指摘。今年末の党大会で1人の首相候補兼新党首を明確に決めた後に辞任すると述べた。<上記より抜粋>

つまり「メルケル路線がドイツ国内で否定された」ということを意味しており、それも「与党内でメルケルの推し進めたEU至上主義が否定された」ということになっているのである。まあ、ある意味当たり前であるが、そのことをしっかりと報道できない日本の情報で、正確なヨーロッパを見ることはできるのであろうか。