コンディションを整えたい時の工夫
コンディションを整えるには、いくつかのコツが必要です。それを4つ項目に分けて紹介します。
1.睡眠
①起床時間を一定にする
可能な限り一定にする事で身体にある概日リズムを揃えることができます。
・光を浴びるタイミングが揃うことで、メラトニンの分泌と抑制に関係している体内時計の時刻が適正に修正されます。眠気の来るタイミングもそろってきます。
・食事など活動のタイミングが揃う
・排便のリズムが揃う
②光のコントロールをする
就寝前には眠気を促すメラトニンが分泌されています。ただ強い光の刺激を受けるとメラトニンが抑制される仕組みがあり、光の強さや浴びる長さによっては、眠気が飛んでしまうことがあります。(特にスマホ、PC、TV、明るい部屋で過ごすなど)、就寝前の光の刺激を減らすことで寝つき安さにつながります。
夕方以降の照明は暖色にしたり、間接照明にしたり、ブルーライトカット率の高いメガネをかけるなどすると刺激を減らせます。
気を付けたいのはスマホを寝床に持ち込む事です。
ブルーライトは紫外線に近い光です。見ることで脳が眠ろうとしていても昼間と同じ紫外線が入ることで寝つきにくくなります。
起床後は就寝前とは逆に光の刺激を取り入れ、部屋を明るくし、朝であればカーテンを開けて太陽光を入れるとメラトニンリズムが作動します。
日中はブルーライトカットではないメガネをかけるとよいです。
③体温を上げる
人は眠っている間は体温が下がります。
つまり、体温が高いと眠れません。
体温は高くなる時間帯と低くなる時間帯があり、高い時間に高く上げられると、下がりやすくなる仕組みがあります。
起床から約11~12時間後辺りが一番体温が高い時間帯です。
ここで上げておけば下がりやすくなります。つまり寝つきやすい状態を作ることができます。
④就寝前のルーティーンをつくる
寝る前に頭を使うような考えごとぐるぐる思考をすると寝つきにくくなることがあります。
出来るだけリラックスして過ごすのが睡眠という観点で見ると適しています。
例えば、呼吸法や瞑想、深い呼吸をしながらストレッチやヨガを行うと身体の緊張がほぐれ、よりリラックス反応を引き出す事ができます。
⑤自律神経のバランスを整える
自律神経は交感神経(活動モード)と副交感神経(休息モード)があり、自分の意思とは関係なく内外の環境に応じて身体の機能を調整しています。
自律神経のバランスが乱れると、眠りたいが全く眠れなかったり、起きたいと思っても目標の時間に起きれなくなったりする事もあります。
『自律神経を整える為には』
・睡眠の質を上げる
・栄養素のバランスをとる
・生活リズムを一定にする
(起床時間、食事のタイミングなどを揃える、体調不良の時は就寝時間も一定に)
・集中と非集中のメリハリ(休息をとる)
・ほぼ毎日できる程度の運動習慣
30分以上のウォーキングや筋トレ、日常生活の中でも歩く、階段を使う、部屋やお風呂掃除など家事も運動の範疇と捉えて身体を使う
⑥眠りに制限をかける
夜、眠れないという方のなかには、実は日中に寝ている時間があることがあります。
例えば、通勤や通学の行き帰りのバスや電車の中で寝てしまっている。
または、休日に平日よりも起きる時間が遅く、2時間以上長く寝ている。
休日の昼間に居眠りしているなど、本来、寝たい時間帯以外で寝ていることが多い場合があります。
・睡眠は夜に固めて寝る
・仮眠は出来るだけ避けて、寝ても20分以内にする
・出来るだけ平日と休日の起床時間を揃える
・通勤中、眠くなったら立つなど、寝ない工夫をする
2.睡眠からみた食事
人間の身体の細胞は食事からとる栄養素から出来ています。
栄養素が不足すると脳、筋肉や骨、毛髪、血液の質や量に影響します。
脳の働きは、大きく分けると興奮系、抑制系、調整系のホルモンが働いています。
これら3つの働きがバランスよく働くことで、脳機能が安定すると言われています。
栄養素が不足し偏っていると、気分の調整や睡眠と関係しているホルモンにも影響を与え兼ねません。
特に不足しているのは、たんぱく質(肉、魚、卵、大豆)、葉野菜、根菜類、きのこ類、豆類、海藻類、発酵食品、ねばねば系の食材、果物などです。
メラトニンはセロトニンを材料に産生されます。質のよい睡眠を取るためには食事バランスは必須です。
1日15~20品目を目指して摂取するとバランスが取れてきます。
次に気を付け頂きたい事として、就寝直前に空腹感で食べてしまうという経験は誰にでもあると思います。
眠ることはできますが、(食べると副交感神経の働きが優位になるのと、日中、動いていれば疲れてはいるので寝ることはできる)食べることのリスクは、胃腸が消化、吸収の為に働いている状態になり、深部体温が上がることで、睡眠の質は低下してしまいます。
量や調理方法、何を食べたかにもよりますが、翌朝に胃もたれや、胃の不快感が起こりやすくなります。
食べないと眠れないと思いがちですが、空腹時は水分(ノンカフェイン)摂取でごまかすと約10分~15分程で体内の恒常性により血糖が調整され空腹感が治まります。
就寝前に食べなくても眠ることは出来ます。
3.休憩をとる
忙しい状況になると休憩をとることを時間の無駄と考えていたり、もったいないと思いがちです。
休憩というと10分、15分とイメージされている方も多いですが、1分でも2分でも椅子に座って目を閉じてボンヤリする。
これを作業と作業の合間に細切れで挟んでいく休憩の仕方もあります。
休憩中の過ごし方で気を付けたいのは、スマホでゲームをしたりネットサーフィンをしている場合です。
これは頭を使っているので、休憩にはなっていません。
ダメということではありませんが、気晴らしと休憩は違いますので注意して下さい。
また、よくやりがちな事は不調につながるサインを無視することです。
例えば、睡眠時間を自ら削っている、カフェイン量を増やし眠気を飛ばしている、風邪をひいて薬を飲みながら仕事に行く、甘いものをよく食べる、食事を作るのが面倒で菓子パンだけで済ませている、食事バランスが乱れ偏っている、入浴するのが面倒でシャワーで済ませる、または夜は疲れて寝てしまい朝にシャワーする、休みの日は昼頃まで寝てしまっている、首肩の痛み、腰痛、頭痛など手っ取り早く市販の鎮痛薬で対処している、など
身体や行動、考え方はサインを出しているのですが、一般的に問題を感じなければ、サインを無視して行動しがちです。
結果的に休憩を取らないことでエネルギー不足になり、無理が生じメンタル不調に陥るケースが病院を受診する方の中に沢山みられます。
不調の原因が実は休憩不足や睡眠不足から来る活動量の多さということもあります。
痛み止めを服用しながら、無理を承知で頑張る時もありますが、鎮痛薬も立派な精神薬ということを忘れないでください。
帳尻合わせでやり過ごせているうちは問題と感じませんが、時にはサインに目をむけ身体の声に耳を傾けて下さい。
休憩を入れることで、その後の集中力も上がることを考えると頑張る為にも休憩や睡眠は必要です。
睡眠も休憩も仕事のうちと考えることが出来ます。
4.運動(有酸素運動+筋トレ)をする
精神科や心療内科で見かけないタイプの方がいます。
それは運動習慣のある方、マッチョなタイプの方です。
職業も体をよく動かす仕事や農業など自然をあいてに日中に働く仕事の方はほとんど見かけません。
もちろんそうであっても、人間関係など状況は様々ありますので、100%言えることではありません。
メンタルヘルス不調の予防、回復には運動が効果的であるという情報は、インターネットや書籍にも沢山出ていますのでご存じの方も多いと思います。
まずは出来ることから、始めてください。
⑤の自律神経のところで記載しましたが、歩いていない方は、生活の中で歩くようにしてみてください。
普段歩いてるいる方は、10秒キープで軽い負荷から自重で出来る筋トレを追加してみてください。
ストレッチも一つの動作に反動をつけずに30秒以上かけてやってください。
以上、コンディションを整える基本的な工夫ですが、状況は人それぞれ様々なので、上記のような生活をしていても不調になる方もいらっしゃいますし、必ずしも合致しない内容はあると思います。
その場合はひと工夫必要になります。
また、以上の内容は書籍でも沢山紹介されています。特に睡眠に関しては『菅原洋平 氏 著(作業療法士)の睡眠に関する書籍が凄くオススメします』また、ので関心のある項目は、本屋さんで手にとって、ご自身が読みやすい本を選んでみて下さい。ご自身で勉強してみるのもよいと思います 。