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【報告:2020/2/11】ウェルネス・タッチケア®プロジェクトセミナー 身体心理学の第一人者・山口創先生から学ぶ 「皮膚感覚から生まれる幸福とは~心身を癒すタッチの力~」

2020.02.18 03:10

ウェルネス・タッチケア®プロジェクトセミナーが2月11日に開催されました。

今回のセミナーは2部構成。第1部は、山口創先生からの「皮膚感覚から生まれる幸福 〜心身を癒すタッチの力」と題したご講演。第2部は、弊社代表の加倉井さおりからウェルネスタッチケア®の効果と現在の活動状況、そして体験と、盛りだくさんな内容となりました。


第1部:山口創先生講演「皮膚感覚から生まれる幸福 〜心身を癒すタッチの力」

山口創先生は、身体心理学をご専門とされており、「触れる力」の研究をされています。今回は、なんと「進化論」から触感、触れることが人間にとってどんなに重要か、そして触感の心地よさが、愛情ホルモンといわれるオキシトシンの分泌に大きく影響していることなどを解説いただきました。


身体と心とは深く結びついている

「ヒトは悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなる」というJAMES-LANG説をご存じですか。笑顔を意識して作ることで心が晴れる、また実際に笑うこと自体が免疫力を上げるなど、身体と心は強く結びついています。ある研究では、うつ病の人の眉間(皺眉筋)にボツリヌストキシン注射をすると、うつが改善したと報告されているそうです。

山口先生からは、JAMES-LANG説のご紹介をはじめ、「表情は人種や文化に関係なく、普遍的なもので、人間が進化する過程で得られたもの」という進化論で有名なダーウィンの言葉から、種の進化と同様に、人間の表情や体の動かした方なども進化してきたこともお話しいただきました。

また、進化と近しく感じられる胎児の成長過程において、一番はじめに獲得する感覚は、触感とのこと。まさに触感は原始的な感覚であり、触れることは人間本来の感覚であることをお教えいただきました。


オキシトシンは心と体に良い影響を及ぼす

ここで実際に、山口先生から触感から生み出される幸福感について実験した動画(山口先生がご出演された「世界一受けたい授業」)を紹介していただきました。触れることで愛情ホルモンといわれるオキシトシンが、どう変化するかという実験でした。

では、なぜオキシトシンは愛情ホルモンと言われるのでしょうか。オキシトシンは、出産前後や授乳時に多く放出され、これが出産時の陣痛促進や出産後の子宮の回復などの身体的な効果及ぼすのと同時に、脳に働くことで親子の愛着を深めることがわかっています。

また、抗ストレス・抗不安・抗うつ作用や自律神経調整作用、抗酸化作用、抗炎症作用も促進します。実験として人工的作ったオキシトシンを噴射したところ、夫婦の会話で揉め事が減ったり、自閉症の症状の軽減に効果が出たそうです。


どうしたらオキシトシンは分泌されるのか

こうした有益なホルモン、オキシトシンを分泌させる方法として、①スキンシップ ②人に親切にする ③やさしい言葉がけ ④ストレス発散 ⑤五感の快 ⑥瞑想、鍼灸などがあげられます。ただし、スキンシップには、正しいやり方が必要です。最も気持ちいいと感じられるのは、1秒に5㎝の速さで触れること。その速度で触れたときに、快の反応をもたらすのが「C触覚繊維」という神経繊維です(ちなみに、C触覚繊維は、毛根部、つまり毛が生えているところにしかない!)。他にも、適度な圧力、温かな皮膚温、快適で安心できる環境で行うことも重要。そして何よりも、スキンシップをするお互いが十分にコミュニケーションをとり、信頼関係が築くことが効果のカギとなります。こうした適切なスキンシップは、親子の愛着関係の形成、看護・介護の現場でのケア、職場のコミュニケーションなどに活用していけるとのことでした。

最後に、セルフ・コンパッションについて。これは、自分を責めず、慈しむことで、ストレスのない穏やかな心でいる状態のこと。実際に、セルフ・コンパッションを高める方法として、“自分を優しくなだめるタッチ”、スージングタッチをご紹介いただきました。


第2部:加倉井さおり「ウェルネス・タッチケア®」の効果と現在の活動状況


第2部では、「ウェルネス・タッチケア®」について加倉井からお話しをさせていただきました。ウェルネス・タッチケア®とは、山口先生のお話しにもあった「触ること」の効果をベースに、優しく触れるスキンシップの具体的な手法を通し、慈しみのマインドや自己肯定感を高めるメソッドです。

現在、個別支援や相談、看護・介護の現場をはじめ、母子保健・育児講座、地域や職場の健康教育やメンタルヘルスセミナーなど、さまざまな場面で活用されています。今後もこの活動を広げるため、ウェルネス・タッチケア®認定講師の養成を行っていることなどをお伝えしました。

そして最後に、参加者同士でウェルネス・タッチケア®を体験。加倉井や講師の指導のもと、両手を十分に温め、ていねいに優しく、肩から背中、腕をケアしていきます。実際にその効果を実感し、会場がすっかり温かな雰囲気となったところで終会となりました。

アンケートのお声から

・山口先生のお話の仕方や、表情、語りかけだけでもリラックスできました。もちろん内容はスキルアップするとても深い内容で、勉強になりました。加倉井先生のお話も勇気がわきました。

・今まで感覚でなんとなくわかっていたものが、学問的に裏付けができて嬉しかったです。

・相手を大切に思うことに加え、自分のこともちゃんと大切にしようと思いました。

・スキンシップやリラクゼーションを通じて、家族の愛情の循環を広げていけたらと思います。

・自分を慈しむタッチケアを取り入れていきたいと思います。

・保育士として、保育の中でタッチケアを当たり前にしていきたいです。

・専門的なお話を、わかりやすくおもしろくお話し下さるので、とても充実した時間になりました。今後も直接お話を伺える機会があると嬉しいです。ありがとうございました。

・本日はありがとうございました。オキシトシンのことタッチの良さを再度実感しました。これから教室を開くにあたって広めていきたいです。

・とてもやさしい気持ちになり癒やされました。大切な人に触れようと思いました。

・まずは今日の手技を家族にしたいです。認定講師目指したいです。

など、たくさんのお声をいただきました。ご自身の日常や活動にタッチの力を活用して、ふれあいのあるあたたかな社会の実現に繋がっていくことを期待します。

(report:Mika Masaki /photo:ChiekoMorisaki)


ウェルネス・タッチケア®を一緒に拡げて下さる認定講師養成講座を2020年6月に開催します

約1000組以上の親子にベビーマッサージや講演・研修を通じてスキンシップの大切さを伝えてきた保健師加倉井さおりが、3人の子供を育てる中で実践してきた数多くのスキンシップ遊びと、健康教育の実践での大人へのアイスブレイク、介護経験などを踏まえて独自に確立した「ウェルネス・タッチケア®」のプログラムを少人数制で直接指導いたします。

詳細は、ウェルネス・タッチケア®認定講師養成講座をお読みください。

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