『ジョジョ・ラビット(Jojo Rabbit)』観賞。★★★★★
2020年第92回アカデミー賞で、作品賞ほか6部門でノミネートされ、脚色賞を受賞した映画『ジョジョ・ラビット』。そして、スカーレット・ヨハンソンが出演しているということで、観てきました!
10才のドイツ人少年ジョジョが、兵士のブートキャンプへ行くところから物語は始まります。しかし、弱虫なジョジョ。そんな時の心の支えとなるのが、心の中のヒトラーです。いつもジョジョが弱音を吐いているときに励ましてくれるのです。ところがキャンプでは、ある命令に従えず、ひょんなことでキャンプに行かれなくなってしまいました…。そこから彼の家であることが起きて…。ヒトラーに従うのか、自分の心に従うのか? 葛藤が始まってしまいました…。
映画は、子供の目線から見た戦争中の風景です。残酷な中にも、映画はとてもオシャレにできていて、スカーレット・ヨハンソンの服も靴もデザインがオシャレですし、家の中のいろいろな家具も宝箱のようなロマンティックな感じ。ウェス・アンダーソン監督の『ムーンライト・キンググダム』を思い出すような構図と、少年の恋の物語でもありました。1つ1つがとても丁寧なのです。戦争なのに美しいってどういうことだ?!
まず、ジョジョを演じた子役のローマン・グリフィン・デービスは、子供ながらにして80回もオーディションを受けたことのある苦労人らしいです。しかも、お父さんは『スリービルボード』の映画監督らしく! 大尉役のサム・ロックウェルは、『スリービルボード』で、アカデミー主演男優賞オスカー獲得してますしね! ここに繋がったんですね。またサム・ロックウェルは、クリント・イーストウッド監督の『リチャード・ジュエル』で、破天荒な弁護士役でもいい演技していまして、今回も『ライフ・イズ・ビューティフル』を彷彿させるような、美しい嘘を2回ついて、泣けてくるほど素晴らしい演技でした。(涙)
スカーレット・ヨハンソン。いつ見ても美しい! あの低い声だからこそ、あるシーンで、一人二役するところがあるのですが、とてもよかったです。(涙)
ジョジョの恋の物語もありますから、その相手役の女の子。トーマシン・マッケンジー! 迫真の演技で、観ているものが固唾をのんで見守る状態になるシーンがあり、ここも泣ける。(涙)
そして、ジョジョ…自分が信じていた世界が事実と思い込んでいたところから、相手を知ることを通して、だんだんと自分の世界を180度変えていくその過程が描かれていました。
監督は、コメディアンでもあるタイカ・ワイティティ。なんと、ジョジョの心の中のヒトラーも演じています! コメディアンがつくる、ヒトラーが時代背景の映画だったのです。
映画の最初は、ドイツ語版のビートルズ『抱きしめたい』で始まり、最後は、これまたドイツ語のデビット・ボーイで締めるという。私はなんでビートルズ何だろう?と思いましたが、ドイツ語とは気づいていなかった! デビット・ボウイで締めていたというのは、レビューを読んでいて知りました。もちろんそこにも意図があります。
戦争が題材なのに、すごいバランス感覚で、なんだか、たくさんいいところがありすぎて、ここがよかったとか、限定することが不可能です。なんだかすごい映画でした!