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思考も旅の途上。

2020.02.23 07:00

毎年冬になると密かに楽しみにしていることがあります。それは、仕事帰りにバス停から自宅まで短い距離を夜空を眺めなら帰ることです。バス停から自宅までは普通に歩けば1分かかるかかからないか程度の距離なのですが、澄んだ冬の夜空は星がくっきりと見えるせいで、足取りもゆっくりになります。冬を代表するオリオン座。今ではオリオン座の位置もだいぶ下がってきました。冬から春への移り変わりを感じます。

今年はオリオン座がいつもと違い、暗く感じます。原因は、ペテルギウスが約100年ぶりの暗さになっているからだそうです。ペテルギウスは変光星のため減光自体は奇妙なことではないと言います。ペテルギウスに超新星爆発が起きるかもしれない、ペテルギウスは一時的に満月よりも明るくなり、やがて暗くなって、夜空から永遠に姿を消してしまうとも言われています。

いつも当たり前のように夜空を見上げると存在するペテルギウスが姿を消してしまうなんて、オリオン座の形が変わってしまうなんて、何だか信じられません。天文学者や天文学のファンの人にとってはこんな奇跡的な瞬間が見られるとは喜ばしいことだと思われるかもしれませんが、私は何だか複雑な心境です。慣れ親しんだ星がなくなることは、どこか人や動物の死に似ているような気がします。こんなことを考えていると、今、私は果てしなく広がる宇宙の中の小さな地球という星の中で生きているんだと感じてくるのです。

昨年末に東京へ行った時に入ったレストランで、前菜に発酵大根を使った料理が出てきました。初めて食べた発酵大根。あまりに美味しくて驚きました。漬物のような塩辛さがなくて、良い塩梅で大根が本来持っている旨味を感じたのです。きっと発酵野菜はどこかのお店で知らず知らずのうちに口にしていると思います。ただ、これが発酵野菜ですと言われて食べて美味しいと感じたのが今回が初めてだったのです。スタッフの方に思わず作り方を聞いてしまいました。スタッフの方は塩水に漬けて発酵さて作ると教えてくれました。塩水だけでなく、あるものを入れて更に美味しくしているそうです。

先日、初めて発酵大根を作ってみました。塩水に大根を漬けて2・3日すると、水が白濁してきて発酵していることがわかります。白濁で思い出しました。白菜の古漬けも汁が白っぽく濁っています。白菜は自らの水分で発酵させているのでしょうか。白菜漬けも古漬けになると発酵野菜になるなのでしょうか。漬物と発酵の違いに興味津々です。そういえば、京都の漬物で有名なすぐき漬けは乳酸発酵により作られるそうです。白菜の古漬けも乳酸発酵しているのかもしれませんね。

残念ながら、私が作った発酵大根はレストランで食べた発酵大根のような感動はありませんでした。なぜでしょう。ネットで調べてみたら、そのレストランのレシピが見つかりました。塩水で作るのではなく、野菜に塩をまぶし、野菜から出た水分で発酵させていました。美味しくする秘密のものもわかりました。コリアンダー、フェンネル、ブラックペッパーだそうです。我が家には父が家庭菜園で作った大根が沢山あります。冬の間は、収穫した大根を土に埋めなおして保存しているそうです。おかげで、まだまだ美味しい発酵大根づくりの実験ができそうです。

発酵食品は有史以前から存在していたそうです。時代の変化とともに発酵食品もより作りやすい方法で美味しく変化してきたと思いますが、新しいものが出てきては消えていく世の中において、何千年、何百年も前に食べられていたものを今の時代でも食べていることの凄さ、不思議さをしみじみと感じます。そして未来についても考えます。何百年後の未来の人たちも同じものを食べているのでしょうか。

先のオリオン座の話も、その次の発酵大根(発酵食品)の話も、関係ない話をしているようでいて、私にとってはどこかで繋がっている話なのです。

私は人生の折り返し地点に来ました。この先どこへ向かうのか、まだ旅の途中です。答えは見えていません。私は立派な人間ではないので迷うことだらけです。迷う時は過去から学び、今について考え、未来を想像するようにしています。

新潟のまちのことを考えるときも同じなんですよ。


※上の写真は、発酵大根と生ハム、キャベツのサラダです。オリーブオイルだけかけていただきました。一緒に添えてあるパンは6/7(ロクガツナノカ)さんで買ったバナナ酵母のパンと干し柿とクルミのパンです。初めて食べたバナナ酵母のパン、とっても美味しかったです。ほんのりと甘いバナナの風味が効いた優しい味わいのパンでした。発酵大根のサラダやパンを盛ったお皿はヒメミズキさんで購入しました。いつもヒメミズキさんを訪れると女性のお客さまか、ご夫婦、お子さま連れのお客さまがいらしているのですが、その日は珍しく若い男性二人組がいらしていました。そのうちの一人の方が真剣に悩んで器を購入していかれました。なんだか、その若い男性二人組を見て嬉しくなりました。若い頃に雑貨屋さん巡りをしていた自分を思い出したからです。しかも女性ではなく、若い男性が真剣に器選びをしている姿が微笑ましかったです。