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鈴木桂一郎アナウンス事務所

1月22日(水)『お相撲さんの魅力』

2020.01.22 07:19

大相撲中継を見ていたら、ある解説者が、「尻の肉が落ちてきたので、この関取は、そろそろ引退ですね」、と話した。お相撲さんのお尻が垂れてきたら引退とはびっくりしたが、私の実感に近いものだったので、妙に納得してしまった。

60年以上大相撲を見てきて、引退が近い関取は、総じて、身体が崩れてきて、はち切れんばかりにパンパンに張っていた身体が、何処かたるんだり、しぼんだりして、太鼓腹だった腹が、ぶよぶよに見えたり、下半身が上半身に比べて細く感じ始めると、まもなく引退が発表されることが多かった。お尻にも衰えの兆候が在り、重ねもちのように丸々としてふっくらとしていたおしりが、弛んで、尻の肉が落ちてきて、尻の下に線が何本も見えてくると、引退が近いと思ってきた。

お相撲さんは、ただ背が大きいだけでなく、まるまると大きく肥った身体は、頼りがいがあり、豊かさの証明であり、豊饒を期待する日本人の感性にもぴたりと合い、憧れの存在であった。今流行のボディビルダーや、フィジーカーの脂肪を削ぎ落とした筋肉だけの身体とは違い、鍛えた筋肉を、柔らかい脂肪で包んだ身体を日本人は美しいと思ってきた。

大相撲ブームが続いている中、マッチョな身体が好きな方がいる一方で、お相撲さんの丸々と肥った体を、美しいと思う方が、今でも多いのは、嬉しいことである。