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野生の体を取り戻す3 ~地球に生きる~

2020.02.26 08:21

「草の葉」第32節 / 犬式

私は身を動物に変えあのいつも穏やかで独立独歩の動物たちと共に生きられればと思う。

私は足を停め、長い間いつまでも動物たちをみつめる。

動物たちは自分達の在るがままの現在にぐちをこぼさず、また骨を折ってあくせくもしない。

動物たちは暗闇の中で目を開いたまま横になって何かを罪に泣くこともない。

動物たちは、神に対する義務について討論して私をうんざりさせもしない。


一匹として満足せぬは無く、一匹として蓄財に熱中するあまり狂乱状態になるものも居ない。

一匹として他にひざまずかす、また数万年を生きながらえてきた種族の流儀に盲従するものも居ない。

そしてこの地上の何処にも一匹として社会的地位のあるものはなく、また不幸をかこつものも居ないのだ。


ウオルト・ホイットマン「草の葉」第32節より




連続シリーズ「野生の体を取り戻す」の第3回をお送りします。

今回のテーマは「地球に生きる」です。




◎メグリとメグミ

自然豊かな日本列島では、山に積もる雪の形の変化、花の開花、渡り鳥や川を昇る魚が季節の変化を伝えてくれる存在として親しまれてきました。

雪解けや梅雨入りや梅雨明け、初霜や初雪といった自然の変化を読み取りながら、狩猟や採取、農耕や畜産、漁猟などの暮らしが営まれてきました。

そして、春分や秋分、夏至や冬至、新月や満月といった、星のめぐりの節目に合わせて、自然への感謝やお礼、祈りを捧げる祭りや儀式が行われてきました。

朝、昼、夕、夜。

新月、上弦、満月、下弦。

春分、夏至、秋分、冬至。

地球と太陽と月のめぐりが、地球に生きる命の営みを育み、私たちに衣食住を通じたメグミをもらたしてくれています。



◎今、立ち止まって見直してみる 〜 ホーデノショーニから学ぶ

私たちの暮らしを支えるシステムは数千年の間に進化したと言えるかもしれません。

しかしその一方で、便利すぎる暮らしの影響で、大地や水、空気、植物や動物たちの生態系に対して大きな負荷をかけているということもわかってきています。

日本では高度経済成長期に各地で起こった公害などをきっかけに、自然食や自然育児、自然栽培といった、暮らしを見直す様々な活動が広がっていきました。


1977年の秋、イロコイ連邦とも呼ばれるネイティヴアメリカン、ホーデノショーニの人々が、スイスで行われた国連会議に出席しました。

そこで彼らは、自分たちの世界観を伝えると同時に、世界の人々と共有したい警告と予言を伝えました。

以下はその時に伝えられた「自覚ある生き方に関する基本宣言」として知られる言葉です。



最初に与えられた指示は、我々、この地球に生きる者が、生命をつくり支えるすべての精霊に対して、大いなる尊敬、愛情、そして感謝の念を示すようにと命じている。

我々は、人間の生命を支える多くのもの〜トウモロコシ、豆、スクオッシュ(瓜科の植物)、風、太陽など〜に挨拶し、感謝する。

人間が、こうした数々のものを尊敬し、感謝することをやめてしまうとき、あらゆる生命は破壊され、地球上の人類の生命は終わりを迎えるだろう。



人間は、人間界よりも大きく、相互につながり合った生命の織物の一部であり、すべての存在はそれぞれ比べることのできない価値を持っている。

そして、草木や川や海、そして太陽などの星々が、相互に助け合っている、大きな共同体に、わたしたちは属している。

このような世界観から、彼らは「人間の生命は、木の生命と共にあり、人間の健康は、植物が健康かどうかにかかっており、人間は、四本足の生きものたちと近しくつながっている」と考えています。

ホーデノショーニにとって、感謝を述べるのは「何よりも先に口にすべきこと」であり、部族会議では常に、まず初めにこれが行われます。


そして「私たちは大きな生命の織物の一部であり、それが健全であるために果たさなくてはならない役割があるという、私たちが持っている本能的な認識は、感謝の言葉によってより深いものになる」という考えのもと、日々、祈りの儀式が続けられています。

ホーデノショーニの長であったレオン・シェナンドアが1985年に国際連合総会で行ったスピーチの中で言ったように「すべての人間は、すべての生命を生み出す母なる地球の繁栄を守るという、神聖な務めを担っている」のです。

(『アクティブ・ホープ』(春秋社)より)



◎生態系の一員として生きる、パーマカルチャー。


パーマカルチャーという言葉があります。


この言葉は、1970年代にオーストラリア南部のタスマニア島で暮らしていたデビッド・ホルムグレンとビル・モリソンが作った造語で、


・パーマネント(permanent / 永久の、永続する)

・アグリカルチャー(agriculture / 農業)

・カルチャー(culture / 文化)


を組み合わせたものです。


パーマカルチャーは「3つの倫理」というものに基づいて実践されています。


「パーマカルチャー、3つの倫理」

・地球に配慮する(Care for the earth) 

- 全ての生命システムが持続し繁栄できる状態を維持する。人間は地球の健康なしに繁栄できないのであり、これが最も基本の倫理である。


・人びとに配慮する(Care for the people) 

- 人々が存続するために必要な資源を供給する。


・余剰は分かち合い、消費と再生産には限度を設けよ(Set limits to consumption and reproduction, and redistribute surplus)

- 健康な自然システムは、それぞれ生存に必要な要素を互いに供給しあっている。人類も同様のことができる。我々が各々らに必要なものを供給しあうことで、我々は上記の方針に必要な資源を確保する事ができる。





歴史的にみると、われわれがこの地球という惑星の生命システムや生物学的な多様性を救うということに目を向け、本気で取り組み始めたのはごく最近のことである。
宇宙空間や人工的生態環境での生活に関しては、あまりたいした成功は得られていない。
どうやら人類は、この大地にのみ適合できる生き物なのではないだろうか。
日本は、生物学の分野においても、生命システム理論や全体的な生物学的システム分析理論の分野においても、多くの先駆的な生物学者を輩出しているので、本書で提起した問題を取り上げ、それを基盤に、日本の社会や土地利用に必要な変革を生み出していただけるものとして私は信じている。
そうなれば、生命維持システムの崩壊と比例してそのような変革が今や世界各地で急速に起こりつつあるので、日本もまたその仲間に加わることができるだろう。
すべての人々の偉大な成功を祈っている。
それよりほかに、もはや取り得る道はないのだから。
 ービル・モリソン(『パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン』より)



私は、自然と人間の調和は、われわれ人間が自然界よりも優位にあるという観念を捨ててはじめて可能になると考える。
レヴィ・ストロースは、人間の犯した重大な誤りはつねに自分を「万物の霊長」とみなし、すべての上に立つものと思ってきたことである、と言った。
人間はけっして他の生きものよりも優位にあるわけではない。
すべての生き物は「生命」の現れである。
・・・
地球を保護保全するためのすべての技術はすでに知られている。
まだ明らかでないのは、そういう変革を実践に移す用意のある国または大集団があるかどうかである。
しかし、今や何百万という普通の人々が、政府からの援助もなしに、自らの手でそれに着手している。
 ービル・モリソン


我が身を思うように、家族を思い、動植物を思う気持ち。

日々食べるものや身につけるものを選ぶ、その気持ちの奥にある、家族への、生態系への気持ち。

商品のやりとりを通じたコミュニケーションのひとつひとつが、生態系とのつながりかたを少しずつ変えていくこと。

ひとつひとつの商品を作ってくれている生産者への感謝、恵みをもたらしてくれる生態系への感謝、商品を買ってくれるひとりひとりへの感謝、三宅商店を支えてくれているひとつひとつの命への感謝を込めて、今回の特集を締めくくらせていただきます。


みなさんの健やかな日々を心から願っています。



動画:『三宅商店 meets マット・ビボウ(パーマカルチャービルダー/ ポートランド)』


(今回の企画担当:冨田)



◎今週のテーマに関連した商品は・・・

本書は、食事、運動、睡眠、思考、自然の中での暮らしを通して、読者のライフスタイルを再び野生化する指南書にして、ワイルドな生活革命のための一冊である。

そもそも野生の体には、癌も鬱も肥満も高血圧もない。その事実を人類の進化の観点から科学的かつ、包括的にとらえ、現代生活と人類の間に生まれた乖離を解き明かす本書は、人間の本来あるべき姿を導き出すマイルストーンになるだろう。

「農的暮らしの永久デザイン」と名打たれた本書は、パーマカルチャーの基本原則の紹介から始まり、用地、建造物、家庭菜園、果樹園や農場内森林、動物の飼育と水産養殖、都市部やコミュニティーといったトピックごとに、ビル・モリソンの提唱するパーマカルチャーのデザイン理論に基づいた実践方法が図解付きで詳しく書かれています。

【太陽系時空間地図 地球暦 2020】

私たちは今、どこにいて、どこに向かうのか。

地図のように壁に貼っておくだけで、私たちの今ここが見えてきます。

慣れるまでは、貼っておくだけでok。

シンクロする宇宙の中で、オンタイムでノッていくための地図であり譜面。



◎recommends! -スタッフのオススメ!

足本来の力を引き出す草履。スリッパの代わりに使っています。数時間履いた後、足半を脱ぐと足が地面に吸い付くような感覚を得ます。いかに足の指を使っていないかが体感できます。EM五本指ソックスとの相性も抜群!(シュン)

麻と綿の混紡で心地よいフィット感。

靴底で押さえるように歩くのではなく、足の指で地面をつかみながら歩く感覚です。

腰骨の位置が上がったり、歩幅が広がったりと自然に歩く姿勢がきれいになります。

運動嫌いの人も、つい歩いてしまいたくなるかも。(コン)

洗濯洗剤を使わずにマグちゃんで洗濯。最初は抵抗がありましたが、一回使ってみるとマグちゃんの力を実感しました。汚れやニオイが全く無い!頑固な汚れはつけ置きすれば大丈夫。衣類、人、地球、優しい洗濯。(シュン)

糀。微生物の世界。マクロビオティックでは砂糖の代替えとして使うこともあります。

糀に付着する糀菌は、アミラーゼという酵素を分泌し、お米の澱粉をブドウ糖に分解します。

砂糖を使わないのにとっても奥行きのある、深い甘みがあります。

初めて口にした時の感想は「ぷりん?」でした!

そのままでも十分美味しいし、何にでもなじみやすそうな自然な甘みでアレンジは無限大です。(ヒロミ)

【麦茶ラテのすすめ】

ほうじ茶ラテはもはや定番という感じになってきたけれど…

意外と思いつかなかった、麦茶でラテ!

ミネラル豊富、ノンカフェインで妊婦さんやお子さまにも安心です。

まだ冷える今の時期こそ、ホットな麦茶レシピを楽しんでみませんか。

*作り方*

チャイを作る要領で。

飲みたいカップの半分ほどの水に、麦茶ティーバッグを入れて、濃く出るまでグツグツ煮出す(好みの濃さでOK)

→ミルクを投入、かき混ぜながら沸騰する前に火を止めて、ティーバッグを取り出して完成。

甘みはお好みで。

ミルクは豆乳やライスミルク、アーモンドミルクで。より濃厚にしたければココナッツミルクでも。

甘みづけはメープルシロップもおすすめ。

★蓮根パウダーを加えて、免疫力UPバージョンにしても。今の時期こそ。

苦くなくて、香ばしくて、やさしい味です。

マイレシピに、麦茶ラテ、ぜひ加えてください。(あけみ)

◎麦茶ラテの材料に、以下もどうぞ!

有機米から作られたほんのり甘いミルク。

オーストラリアメイドの無添加ミルク。

余分な添加物を使わず、豊かな香り。

肺や喉を強くし、腸内を整えてくれるレンコンをパウダー化。

しっかりした甘さとコクの純粋な樹液。


(編集:冨田・須賀・大矢)