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第19回 開催報告

2020.02.26 14:55

比較的暖かく、部屋の暖房も久しぶりに緩めの設定。そんな2月24日、第19回の定例会が開催されました。


・今回遊ばれたゲームの傾向 

今回の参加者は園児、小学生、中学生とその親たちという構成でした。また、ドイツゲームを遊ばれた経験のあるご家庭ばかりでした。そのためか、運要素が小さめのゲーム、参加者年齢比としては少し高めのゲームが選ばれる傾向にありました。 

「AZUL(アズール)」。ボードにタイルを載せられるようになるには、動く場のタイルを常に把握し、自身のほしいタイルを適切なタイミングでとっていく必要があります。相手目線での作戦を想定することも必要になる高度なゲームです。


当会では定番として遊ばれることが多い「宝石の煌き」。上手な人同士だと“相手の選択ミス待ちゲーム”ともいわれるほど。一手一手の選択が勝敗を分けます。


「CAN’T STOP」。4つのダイスの出目の確率を考え、取るべきレーンを選び、レーンを3つ制覇した人が勝ちます。ダイスの出目の確率を考えて、押すときと引き時を考えながらサイコロを振らねば勝てません。実はなかなか考慮要素が多い高度なゲームなのです。


 ・ゲームの対象年齢について

参加者の方から、「子どもにやらせてみたらやれたけど、書かれている対象年齢を見たら意外と高いことが結構あります。この対象年齢の決まり方ってどういうことなのでしょうか?」というご質問をいただきました。


対象年齢の多くは、ゲームにおける考慮要素によって付けられるようになっています。考慮要素というと難しく感じますが、ゲームをしていくのに必要な能力と考えていただいても良いでしょう。例えば記憶力、数の感覚や計算、損得の勘定、確率の計算、交渉、複数勝利条件の把握、リアルタイムに変化する盤面状況の把握、自身が取るべき手の選択(決定)…などなど、沢山の要素があります。

  

ゲームに勝つために考慮すべき要素が多いものやゲームの中で考慮する要素の更新頻度が高いもの、情報に隠匿要素があるもの等は比較的対象年齢が高くつけられ、逆に、要素が少ないものやゲームの中で考慮する要素の更新頻度が低いもの、情報に隠匿要素が少ないものといったことがあわさってくると対象年齢が低くつけられる、というわけです。


ただし、アダルトゲーム(ゲームの中の風紀的要素が子どもに与えるのに適切でないゲーム)や、特定思想要素があるゲームといった場合はこの限りではないです。いやな言い方をしますと、簡単なルールにすることで普及をはかりやすくしておき、内容は非常に悪質であるゲームもありえます。親御さん方には、子どもたちへ導入するゲームは注意を払って選んでいただきたいと思います。  


園児~小学生までに与えるべき適切なドイツゲームやその導入については、この会でも開催されている、日本知育玩具協会の講座「親子で始めるドイツゲーム講座」の中でも、わかりやすいお話があります。 是非、ご受講いただけたらと思います。

講座開講日程はこちら



今回、子どもに与えたいゲームの一例として、当会からもお勧めとしていくつか選ばせていただきました。

そのなかのひとつ「やぎのベッポ」。園児のお子さんと小学生のきょうだいでゲーム選びがなかなか悩ましい、そんな時にはこれですね。今回、園児、小学生の二人の子どもとそのお母さんとで、楽しんでいただきました。

ベッポが飛んで行った場所のマスに進む、ベッポに弾き飛ばされたコマは振り出しに戻るという二つのルールが、このゲームを面白くしています。

 自分のコマと近い相手のコマを飛ばす対象として狙うのは、自分のコマも飛ばされるリスクがありますので、実はここに戦略を考慮する要素もあるのです。

より精度高く当てることを考えるか、自分のコマと離れているときを狙うことを考えるか‥‥より考える子になると、自分のコマを進める位置を考えてベッポを飛ばしてきます。ワイワイ楽しく遊べて、考えることもできる優れたゲームです。


 ・ルールの調節について

たくさんの人と遊ぶ場では、それぞれの経験や能力を鑑みて、ルールの調整を話し合うことがあります。

今回は、「ジャイプル」というゲーム(ゲームに書かれた対象年齢は12歳以上)を小学生にルール説明をする折に、少しだけルールの調節をしました。 

このゲームは簡単に言うと、カードを集めて売却し、勝利チップを得ていくという流れです。集めたカードは売却の時に自分のも他人のもまとめて一山に重ねてしまうのが正式ルールで、どのカードが売却され(消費され)たのかは、場の残りチップから常に計算しておく必要があります。その結果によっては高額商品カードがまだ場に残っていても積極的には手を付けないほうが良い場面があり得ます。

カードとチップの対応を考えることは、まだ発達段階にある子どもではこのひと手間を経るだけでも思考の負担になります。現物のほうがよりわかりやすい、といえる時期でしょう。そのため、「売却したときのカードはすべて自分の前の場にさらし、カードを数えれば消費されたカードがわかる」ことにして、ゲームをすることにしました。 

そうすることによって、どの子どもも場に出ている札の把握をすることができ、自分なりに最善手を目指すことを自力で成し遂げることが出来ました。 


・積木遊びについて

当会では常にある積木。馴染み深い玩具になっていますが、初参加の方には珍しく映るもののうちの一つであり、その色彩や面白い形からとりこになる人も多数です。

園児さんも、中学生も、心から楽しみます。

高く積めるかな?とチャレンジするのは、どの子もとても楽しそうです。


今回初参加のお子さん方も含め、Neaf社の積み木を楽しんでいただきました。子どもならではの発想から作り出される造形が素晴らしかったです。数々の作品の中から、特に素晴らしかった作品三つを紹介します。


「虹色の椅子に座る人」

小学生の作品です。アングーラのL字型を椅子に見立てて、その中に、ステンダーを使った小さな人を作り座らせていますよ。


「虹色のアヒル」

園児さんの作品です。L字の組み合わせやバランスのとり方はいろいろありますが、上部にアヒルの特徴的な色彩である黄色を持ってきて、バランスをとっているところが素敵です。

「子猫の横顔」

中学生の作品です。造形をそれらしく作ることもさることながら、セラによる高度なバランス取りをして作られたものです。ほんのちょっと揺れたら倒れる、そのくらいの絶妙なバランスによって立っています。帰宅後、主宰も写真をもとにチャレンジしてみました。かなり難しかったですよ!


・その他、遊ばれたゲームについて

「ウボンゴ」。パズルのような色板を枠が書かれたボードにピッタリ埋まるように入れ込んでいきます。制限時間内に出来るかな?

「そっとおやすみ」。時計回りに一枚ずつ札を交換して、札の絵柄がそろったらそっと伏せ、静かにおやすみします。他の人は自分の札がそろってなくても、誰かひとりおやすみした人がいたらすぐにおやすみしないといけません。はやくもひとり、おやすみしていますよ…気づいて…!

「ナインタイル」。裏表に図形が描かれた9つのタイルを、お題カード通りに揃えます。このタイルはいいけど、このタイルはうまくいかない‥なんてこともおこります。あれこれ素早くめくって、お題を達成できるよう並べましょう。

「スティッキー」

「ココタキ」

「ポイズン」


このほかにもたくさんのゲームが遊ばれました。

また来月以降も、楽しく遊びましょう。開催日程につきましては、こちらのページや各種SNSでもお知らせしていきます。