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M's tail

また「またね」

2016.05.06 06:10

僕の希望だった「いつか」は

想像以上に早く訪れてしまった。

それはとても皮肉な再会で。


「久しぶり…」一体何があった?

どうしたんだよ、何だよその瞳…


「あれからどれ位経ったけ?何年?

お前は変わってないな、

この場所も全部あの頃のままだな。

なんか懐かしいよ。」か細い声。

「俺は…今の俺は…」

何も言うな。言葉なんて要らない。

一目見て全て悟った。

命からがら辿り着いたんだと。


生気を失った曇った瞳に、

完全に分離した君の魂と肉体。

こんなに傷だらけになって…。ここまで弱った君を見たのは初めてだった。

「俺はもう、終わりかもしれない。」


何度もその頬を殴った。

しっかりしろ、目を覚ませよ。

こんな君の未来の為にあの時、

決死の思いで手を離したんじゃない。

君が笑っていてくれなくちゃ、

君が幸せでいてくれなくちゃ、

必死に不在に耐えた僕は何だったんだ?

まるで君の堕落に加担したみたいだ。


「俺の指、噛みちぎってよ。」

完璧に麻痺した虚ろな表情の君に、

生命を吹き込む様に、血の滲むまで。

「痛てっ。」笑った。「痛ぇよ。」


「何でお前が泣いてんだよ?」

君はあの頃みたいに笑った。

だって、君が泣けないのを知ってる。

そんな顔されたら堪えられずに溢れた。


生き抜こう。生きるんだ。

勝手に死なせたりするもんか。

泣きたくなったら帰って来いよ。


君と僕は別々のRPGをあの日選んだ。

もう共には歩けないのはお互い承知。


ただ今日だけは…対した会話もせず。

烏龍茶って美味いな、なんて。

あの頃みたいに笑い合った。


残酷な朝と現実が君を待ち受けていた。「ありがとうな…」

別れ際に君らしくない優しい言葉。


馬鹿野郎。世界中が敵になっても、

僕が君を守ってやる。絶対に。


「何があっても味方だ。忘れるなよ。」君の魂が弱ると波動で伝わってくる。


僕らはもうはぐれたりしない。

あの頃の様に毎日一緒じゃなくても、

お互いの心が共鳴しあっているんだ。


傷付いた戦士を再び戦場に見送った。


いつか、海に行こう。

僕達にしか見られない景色を。

その日を描いて、戦い続けるよ。

また生存確認する、いつかまで、

君は立ち上がれると信じている。

僕も恥じない自分を生きるよ。


「またね。」

「またね。」


この絆こそが宝物だと痛感したから、

人生という旅の価値を知らされた。


地図なき道の果ての再会を祈り、

君も僕も、また歩き出す。


僕らは運命共同体だ。


君の背中が見えなくなってから、僕はやっぱり泣いてしまったけれどね。


(2014.June)