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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

黒王妃の戦争6-新仏王大御幸外交を展開

2020.03.01 11:16

1564年、即位したシャルル9世は勅令で1月1日を年の初めとした。実はそれまで年初めは復活祭である。日本では仏教伝来以前から正月はお祝いしていたが、これはやはり日本の神との関係である。ともあれ、この変更は、新旧教がややこしくなる中で、政治と宗教を分けるというカトリーヌの意志が反映している。

そして、王はそれから2年半をかけて即位の国内大御幸パレードを行う。これも新旧対立する中で、主君は王ということをはっきりするためだった。同時に先々で大アトラクションとパーティを催し、荒んだ民衆の心を明るくした。同時に国王の財力を見せつけ、手向かっても無駄と悟らせる意味もあった。

さらに行く先々で外交も展開し、北のトロワでは英国にカレーを金銭返還させ、東に行っては神聖ローマの新皇帝に縁談をもちかけた。地方貴族にも直に会い、翌65年1月、御幸中に聞いた意見に応える形で「ムーラン大勅令」を発布して、王権を固めた。

そのクライマックスが、王母カトリーヌの娘でスペイン王妃のエリザベートを迎えてのスペインとのバイヨンヌ会談だった。ところが付いて来たのが貴族筆頭アルバ公である。彼は新教を弾圧せよ、と言ってきたのだ。それはできないフランスは、ネーデルランドを制圧するスペイン軍の進行を認めた。

下はバイヨンヌの水上イベントタピストリー