愛用の万年筆
人生初めての万年筆は小学生のとき。母がセーラーの万年筆を買ってくれた。色はボルドー。
ちょっと大人の世界に入ったようで、けれどもまだ入ってはいけない世界に入ったようでもあり。気恥ずかしい感じもあったけれど、嬉しかったなあ。
大人になって時々万年筆ブームが来てはあれこれ試したけれども、これが私の。と信頼できるものには出会わなかった。モンブランもパーカーも。要は書き心地が悪かったのだ。
どうやってフルハルターさんにたどり着いたのか、記憶にないのだけれど、暑い夏の日。
まだ小さかった上の子の手を引いて小さなお店を訪ねた。
そこで出会ったのがこの万年筆。
ペリカン スーベレーン M400 茶縞 ペン先の太さは BB
フルハルターさんでは自分の手に合わせて研ぎ出しをしてくださる。
私が住所を書く手をじーっと見つめて(多分、万年筆の倒し方や圧のかけ具合、ペン先の使い方のクセを確認していらっしゃったのだと思う)「わかりました。」と一言。
1週間?10日?ほどたってから出来上がりましたの連絡。
そこで手にした私にぴったりの万年筆。今まではFか細目のBしか使ったことがなかったのだけれども、せっかくだから BBを試してみませか?と勧められてトライすることにしたペン先は大丈夫かな?
書き始めて今までにない感覚にびっくり。ヌラヌラと勝手にペンが進んで行く。こんなにスムーズに文字が書けるなんて!本当に驚いた。自分の踊っているような字も 初めて愛おしく見えた。
それ以来、年賀状もモーニングページも、手紙も。この万年筆が活躍してくれた。
が、去年、ふと思った。万年筆の寿命ってどのくらい?
これは予備が必要。絶対に。
慌ててフルハルターさんを14年ぶりに訪ねた。まずは使い倒している茶縞の万年筆を見せながらお礼を伝える。
以前は自由が丘にお住いでしたよね?と言われて驚く。
が、私を覚えていらっしゃったわけではなくて、この茶縞の万年筆がどこに行ったのかをしっかり覚えていらっしゃるのだろうと思い至る。
長年酷使してきた手の具合があまりよくなく、休み休み研ぎ出しをしていらっしゃるそうだ。その手のおかげでどれだけの人たちが幸福な万年筆人生を送っていることか。
こうして仲間入りしたのがこの2本。(予備の予備も買ってしまった…)2本ともペリカン。
しなり感がそれぞれ違って、書くものによって使い分けている。
インクはどれも同じものを入れている。パイロットのiroshizukuの露草。淡い明るいブルー。色々試してこれが一番落ち着くとわかった。
シュタイナー教育では小学校の高学年から万年筆を使い出す。子供達は今は細字が好みのようだ。
いつかフルハルターでそれぞれの良い一本を作ってあげたいと夢は膨らむが、万年筆は特別いらないなあという返事がかえってくるかも。
私にとってはここの万年筆だったけれども、なにか他のことでも物でも、良い出会いが待っているだろうしね。
今年はオールドローズ豊作の年。なんて嬉しいこと。
イングリッシュローズのエブリン。香りが本当に良い。棘が大きいので扱い注意。←と思い込んでいたのだけれど、間違い。これはアブラハム・ダービー。エブリンの蕾はまだ固い。
ピンクのなかにアプリコットが微妙に混じり合うニュアンスカラー。冬に肥料をサボったので、今年は色が薄め。
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