「Der Bärenhäuter」Felix Hoffmann
はじめは自分の子どもや孫のために手づくりで作ったたった一つの絵本、それが今や世界中の人々に愛されるようになった、スイスの絵本作家フェリクス・ホフマン。
その多くの作品は日本語にもなっていますね。
こちらの「Der Bärenhäuter」は日本語版では「くまの皮をきた男」グリム童話を絵本にしたものです。
ホフマンの中でも最晩年の作品ですね。遺作なのでしょうか?(遺作の定義によるかもしれません)
ともかく、没後に出版された作品の一つのようです。(ホフマンは1975年に亡くなっています)
ホフマンは自身の子どもや孫のために手作りの絵本を制作し、それをもとに出版する絵本を作ったのですが、この「Der Bärenhäuter」は、その元の手作りの絵本のまま(そこから製版する形で)出版がされているのです。
ですので他の作品と比べると、ラフのような、というかラフそのものだと思うのですが、まだ荒いままの多くの線を見る事ができます。
またこのドイツ語原書版では、字も活字に置き換えられてはおらず、ホフマンの手書きの文字がそのまま印刷されています。
ですので、このドイツ語原書版の絵本は、ホフマンの出版されている絵本の中で唯一、ホフマンが作った手作りの絵本に近い形になっているのです。
それは、ホフマンが望んだ形での出版ではなかったかもしれませんが、この作品を読むわたしたちは、ホフマンが絵本を通して自身の子ども、孫たちに与えた愛情、その欠片をはっきりと見る事が出来ると思います。
普通の絵本を読むのとは、またちょっと違った感覚、何処か親密で暖かい。
これは、ある特定の人物に向けて愛情を持って作られた絵本なんだ、そう思って読むことができる絵本と言うのは、他にはない気がしますね。
ホフマンの作品は、現在当店には絵本のほかに、作品集なども(サイン入り木版画が入っているものもあります)ございます。
ぜひオンラインストアの方でもご覧ください。
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