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枇杷舎

【ふるほん紹介】だいこんだんめん れんこんざんねん

2020.03.05 10:18

タイトルと表紙の絵を見ただけで、吸い込まれるように本の世界へ入っていってしまう

加古里子さんの絵本。



いろいろなものをすぱっと切って、断面ってこうなってるんだよ、とおしえてくれる絵本なのですが、

果物や野菜といった実際に切ってたしかめることができるものだけでなく、

丼や建物や地球など、実際には切ることができないものの断面も、切ってみせてくれます。



だんめんを みると

そとから みただけでは わからない

なかのようすや

かわった うちがわの ありさまを

しることが できます。


ほんとうに、内側と外側では、ものの見え方がまったくちがうことがとてもよくわかります。

かこさんの選ぶ言葉とやわらかな線のイラストが組み合わさると、

かたいお話もとてもわかりやすく伝わるから不思議です。(かこさんマジック!)


こどもに向けた絵本で「有様」という言葉を選び、「ありさま」とひらがなで記す。

その、かこさんのこどもを見くびらない姿勢にぐっときてしまいます。

きっとこどもは「ありさまってどういう意味?」と思うでしょうが、このちょっとした引っかかりで、

こどもの中に「ありさま」という言葉がずっと残るんだろうなぁと思うのです。

(そして、大きくなって「ありさま」の意味を知った時のよろこびも、ずっと残るんだろうなぁ)



❖『だいこんだんめん れんこんざんねん』 〈かがくのとも特製版〉 ¥550 SOLD OUT

さく:加古里子

発行:福音館書店

発行年:2008年

状態:ハードカバー、大変良好です。