進化するグラミン銀行
グラミン銀行関連の2冊目。日本人でグラミン銀行を実際に訪れたり研究をなさっている坪井さんの視点からの著書。
www.amazon.co.jp/dp/4870203766
■引き出し制限ルール
融資金の具体的な貯蓄制限として、グラミン銀行からの借り手は以下のような制限をつけられる。これによって無駄遣いや無計画な消費が抑制される。
個人貯蓄⇒天引きされた融資額の5%のうちの半分、毎週の積立金、のこと。この2つは自由に引き出す事が出来る。
特別貯蓄⇒天引きされた融資額の5%の残りの半分、最初の3年間はこれは引き出し出来ない。その後、口座にある額が4000タカ以上であれば半分を引き出す事が可能。それ以下の場合、残高が2000タカを切らないように引き出し額が制限される。
年金貯蓄⇒融資額が8000タカを超える場合、5年あるいは10年で毎月最低50タカを貯蓄する定期積立貯金のことである。
■グラミンと民間企業の提携
グラミン・ダノン・フーズ(ヨーグルト)
グラミン・ヴェオリア・ウォーター(水事業)
BASFグラミン(蚊帳)
グラミンユニクロ
グラミン・雪国まいたけ(緑豆事業)
グラミン・フェリシモ・プロジェクト(衣料品)
■ダノン
2006年創設、出資比率は50%ずつ、目的は4点
1.栄養価の高いヨーグルトを提供
2.仕事を創出
3.環境に配慮
4.経済的に持続可能な利益を出す
輸送はオート三輪車、距離は工場から30km圏内、商店におろしたり、女性メンバーが販売員(グラミンレディ)となって戸別訪問販売。
グラミン銀行から草の根で栄養教育なども同時に実施している。
■ユニクロ
2010/07にファーストリテイリングとグラミン・ヘルスケア・トラストが合弁会社として設立
出資比率は99:1
ソーシャルビジネスの内容として、
1.商品企画
2.素材調達
3.現地パートナー工場での生産
4.販売(グラミンレディ)
5.買う、着る
6.利益の再投資
のサイクルが作られている
■雪国まいたけ、ユーグレナ
2010/10に設立合意、グラミン・クリシ財団、㈱雪国まいたけ、九州大学の3社間での契約
出資比率はグラミン25%、雪国まいたけ75%
2014/10にはユーグレナが株式取得に向けて動いている
■フェリシモ
2011/02にユヌスセンターと㈱フェリシモ間で共同プロジェクト立ち上げ
趣旨として、社会貢献の志を持つ世界中のデザイナーが公募に対し手を上げてデザインする
売上の3%はインフィニットホープ基金へ、社会インフラの改善に役立てる
第1回目は安全な飲料水確保のための浄水器付き自転車を提供