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Roux's T Room

醸成される空気

2020.03.08 11:00



年が明けても治りきらない骨折箇所。



折れたその部分ではなく、ギプスで固まった関節が反対側の手首の半分も曲がらず

無理に曲げようとすれば当然痛い。


リハビリの際には、もともと12kgぐらいしかなかった握力が

一桁台になっていて唖然とする。

  



元来骨だけは丈夫だったようで、交通事故の時でさえ折れた事がない。

なのにこれでは少しばかり不安であると、その時点で私は問うた。




大丈夫。

骨折した時と同じ状況にならなければ、また折れるような事はないから

リハビリを続けて下さい。



医師は笑いながら答えてくれた。






それが1月初旬。





年末に続き多忙であった為

その後、痛いながらも無理やり動かしていたのがかえって幸いしたのか

気が付くとその部分の痛みはなくなっていた。






ー 骨折した時と同じ状況にならなければ ー


医師の言葉がループする。




フィギュアスケーター達はもちろん、スポーツ選手全般の絶えない怪我のニュースに

私も胸を痛めてきた。



直近では、ソチOP女子シングル金メダリストであるソトニコワ引退の報道で

ケガからの深刻そうな現況が伝えられている。


こういった事は誰もが懸念していたはずだ。




係る負担は競技上だけでなく

多くのフィギュアファンが疑念を抱くワールド後のアワード( 及びGala )に於いて

選手に無理を強いるような内容も漏れてきた。



アワード自体も全く同意できないものだ。







脇に置けない問題ではあるが、それとは別に

競技の開催自体が危うい状況となってきた。


そしてそれは止むを得ない事と思う。





SOIも大阪・愛知の中止を発表。

八戸・横浜も時間の問題なんだろうか。






元凶となるものが最初に報じられてからひと月ほど経ち

私も当たり前のように触れたのだが、あまりに長文となり

分けるところまで下書きをしていた前ブログ。



しかし遅筆な自分が綴っている間にも

じわり蔓延していくその案件に対して世界は深刻さの度合いを深め

急速に混乱の中へ突入してしまった。



結局、分けた部分は眠ったままだ。





どの端末でもその単語が予測変換の最上位に出てきそうな現況。


それぞれに沸く感情は次々と連なり

世界を覆っていく。




静観をと呼び掛ける声が聞こえないか、聞こえないふりをするのは

信条を持たず不安に駆られる人々だ。






空気感を醸成するもののひとつは

webでもリアルでも、基本的に悪意を持たず発した

それぞれの何気ないつぶやきとも思える。





そんな、ずっと恐れていた事が

可視化された気がした。





変異したウイルスよりもそれらが脅威となる日が来ないよう願う。


しかし、危ういところで様々な均衡を保っているこの世界に於いて

それは漫然と叶うものではないのだ。






何とも歯切れの悪い文章だが、収拾するまでは

せめてその言葉を省こうかと思っている。


ほんの少しも、

何の抗いにならなくても。


こういった文章自体が

同様に他ならなくても。






そして



だからこそ




マララさん、グレタさん、ボイヤン・スラットさんら若者が

何をされても歩みを止めない姿と


その中にある希望の光を追い求め




何もできない情けない大人ながら

せめてエールを送り続けたいと思う。





彼等についても色々とマイナスイメージの事を突き付けてくる人はいるが

検証するわけでもないからエビデンスもない。



折角の芽を手折ってはいけないのだ。


俯瞰する姿勢も慎重に保ちながら

見守り、共に進もうと返すだけだ。






震災の時も駆け付けた芸能方面の方や支援する方々の一部に対し

売名行為だ、偽善だと言い立てる人もいたようだが

もし例えその目的だとしても、行為自体の尊さは変わらないではないか。



カナダの高校生が始めた、いじめに反対する運動のピンクシャツデーを

日本でも高校生が自発的に行動を起こし、広めている事などは嬉しい限りだ。


小さくても若者の前向きな社会活動が聞こえてくるたび頼もしく思い

その光を集めて行く先を照らし、進んで行けるよう祈りたい。





かつてWixでも綴ったが

羽生さんが自分にとってどのような存在か、といったやり取りをした際

私はー 希望 ーであるとした。



数年経った今もそれは少しも変わらないし

むしろ強く光を増している。



人として在りたいそんな姿を


世を善へと導く力となる事実を



何と呼ぶのか

それ以外に私は知らない。






案件の終息はもちろんだが



彼が目指すものに向けてしっかりと進み、

どのような状況になろうと彼にとって良い展開になる事を




変わらず、ひたすら





祈り続けている。








そして世界中が何とか乗り切れたなら



得た教訓を一つでも多く実行できる社会となる事を。






冒頭の骨折話は、残念な事にすっきりと終わっていない。


高を括っていた別の部分に、

何故か変わらないしっかりめの痛みが残っているからだ。


いつでも再診してよい事になっているので

痛みが続くようなら折りを見て行かねばならない。




案件について自分自身は

元々感染しやすい場所は避けるよう、医師より指導されている。


寒い日に人間ドックに行っただけで肺炎を起しかけるような体質でもあるため

出来得る自助努力はずっと続けており、日常はほぼほぼ変わらない。



それでも潰えたのなら止む無しと思っている。




しかし社会への影響はあまりにも大きく

関係する方々の心中は察するに余りある。




震災の追悼式典については、残念としか言いようがなく

遅くなってもその場を持てたらと思うばかりだ。