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エキウミ:茅ヶ崎のローカルインタビューメディア

【茅ケ崎北陵高校の市川道伸 校長】宇宙飛行士の野口聡一さんを輩出。「学力向上 人づくり」の実現へ。

2020.03.08 21:00

1963年に開校した神奈川県立茅ケ崎北陵高校は、宇宙飛行士の野口聡一さんを輩出したことでも知られる名門校です。「学力向上 人づくり」を教育方針に掲げるこちらの学校で校長を務めているのが市川道伸さんです。北陵高校を語る上で欠かせない遺跡のお話も含め伺いました。(全2話)


■宇宙飛行士・野口聡一さんの母校


――― 北陵高校といえば、宇宙飛行士の野口聡一さんとの繋がりが非常に強いですよね。


市川 野口聡一さんは北陵高校のOBで、とても愛校心が強い方だと思います。

実は宇宙に北陵高校の旗を持って行き、それを持ち帰っていただいたこともあるんですよ。


――― 宇宙を経験した学校の旗があるのはすごいです(笑)


市川 北陵高校の50周年式典の時にも来てくださって、いまでも気にかけていただいています。

生徒からすれば、北陵の尊敬する卒業生の筆頭でしょうね。


――― 羨ましいです。


市川 他にも、本屋に行けば特集が組まれている絵本作家のヨシタケシンスケさんや、小説家の佐川光晴さんなど、多くの活躍されている卒業生がいます。


↓野口聡一さんからのメッセージ(引用:茅ケ崎北陵高校 公式ページ


■学力向上重点エントリー校


――― 北陵高校は神奈川県から「学力向上進学重点校エントリー校」として重点校指定に向けた取り組みをされていますよね。


市川 はい、要するに学力向上を重点的に行う取り組みで、県立高校改革の一環です。


――― 学生の本分という感じがしますね。


市川 進学実績だけでなく、英語力、思考力、判断力、表現力といった様々な力を育む必要があります。

他にもエントリー校があるので、校長同士で議論をしたりして刺激をもらっています。


――― 「学力」という王道で実績を残そうとしている学校ということがよく分かりました。


市川 北陵高校には「学習」「部活動」「学校行事」の三本柱があるのですが、その上段には「学力向上 人づくり」という教育方針があります。

それぞれ大事なことだけれども、学力向上については目を逸らさないで取り組む部分ですね。


■二重指定の国史跡


――― 北陵高校は丘の上にあって、富士山もきれいに見えて良いところですよね。


市川 そうなんです。野口聡一さんも朝日新聞の取材で、丘の上ののんびりとした環境のおかげで広い目で将来を考えられたという主旨のお話をされていました。


――― たしかにわかる気がします。


市川 その良い環境と同時に、本校の一番の課題がこの土地にありまして。

実は北陵高校の校舎は、10年以上プレハブなんです。


↓北陵高校の校舎(引用:茅ケ崎北陵高校 公式ページ

――― え、これがプレハブなんですか。見た目にはわからないですね。


市川 たしかに建物としては新しいですし、全教室にエアコンも完備していますから、むしろきれいで使いやすい校舎という印象を持たれることが多いですね。

なぜ10年以上もこの校舎を使っているかというと、かつての校舎の下に国史跡の遺跡が二つも見つかったのです。


――― 同じ場所に二つの遺跡が。


市川 2015年に国史跡に指定された「下寺尾官衙遺跡群」と、2019年に国史跡に指定された「下寺尾西方遺跡」です。

この「二重指定」は非常に貴重で保存計画が進められていますが、まだ本校の移転先は決定していないという状況にあります。


――― なんと…それは複雑な状況ですね。


市川 前任の校長も、その前の校長も、そして私もこれがずっと悩みの種でして。

でもこういう状況の中で中学生が毎年毎年受験してくれるので、本当にありがたいと思っています。

ただ逆転の発想としては、こんな環境は他にありませんから、活用していこうという動きもあります。


――― むしろ遺跡を活かそうと。


市川 地域の皆さんと遺跡の勉強を一緒にしたり、イベントに協力したりと、やれることはいろいろあると思っています。

私たちが焦っても仕方のない部分がありますから、これからも進展を願いつつできることをしていきたいと思っています。


(次回につづく)




【教えて校長先生!】茅ケ崎北陵高校の市川道伸 校長

・第1話 宇宙飛行士の野口聡一さんを輩出。「学力向上 人づくり」の実現へ。

・第2話 「人は変われる」。生徒の成長のためにすべきこと




▼神奈川県立茅ケ崎北陵高校

住所:神奈川県茅ヶ崎市下寺尾128/TEL:0467-51-0311/FAX:0467-54-2160




▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter

2015年に茅ヶ崎市に移住し、2017年に「エキウミ」を立ち上げる。東海岸商店会の公式サイトの運営や、m'no【エムノ】のWEBマーケ、記事の寄稿も行う(SUUMOタウンGyoppy!ARUHIマガジンほか)。


▼編集アシスタント 髙橋 一矩

近々新卒入社でわくわくしている21歳の大学生。茅ヶ崎生まれ茅ヶ崎育ち。ネットサーフィンをしていてエキウミを見つける。奄美大島の喜界島にボランティアで行ったときに、彼らの喜界島への愛を感じて「自分も地元に何かしたい!」とぼんやり思っている。ラーメン専用のインスタアカウントがあることは秘密。実は収益化を目論んでいる。


▼編集アシスタント 山崎久美子

岩手県出身。「一生に一度は海の近くに住みたい!」という野望を叶えるため、海なし埼玉県から2020年3月に茅ヶ崎に移住。

夫婦ともに看護師であり、3人の子どもたちに日々育てられています。今度住む場所では積極的に地域に関わりたいと思い、エキウミに参加。


▼カバーデザイン 鈴木亜美(Webサイト

都内企業でインハウスデザイナーとして働いていたが震災をきっかけに「海のある街で犬と暮らしながらデザインの仕事をしていきたい」と思い立ち、2012年に湘南に移住。現在は湘南を拠点にフリーランスのデザイナーとして多くのWebサイトやプロモーションツールを制作している。「茅ヶ崎のことを知りたい&地域貢献したい」という思いから「エキウミ」に参加。